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接客バイトでありがちなこと

作者: チャンドラ

 俺の名前は、渋谷信也しぶたにしんや。大学三年で、飲食店でアルバイトをしている。友達の紹介で去年から、飲食のアルバイトを始めた。


 飲食店は、基本どこも社員、アルバイト含めて人手不足だ。

 ホールも一人で回さないとならない日が結構多い。

 やれやれだぜって感じだ。

 ホールが自分一人の日は、トイレを一瞬の隙をついていき、物凄いスピードで用を足すことになる。

 我ながら、かなりのスピードだと思う。手洗い含めて、三十秒もしないうちにトイレからホールに戻ってくる。


 俺は用足し界のウサインボルトだと自負している。


 飲食のアルバイトは、中々ストレスたまることが多い。客層的には、若い年齢のお客さんよりも中年のお客さんのほうが、厄介のやつが多い。


 これは、ある日のアルバイトのことだ。おばムの方にお会計をしていた時に事件は起こった。

「お会計、二千八百円になります。ポイントカードはお持ちでないですか?」

「ないです~。」

 そういい、お客さんは、三千円渡してきた。現計ボタンを押し、お釣りの二百円を渡した。


「あっ! すみません。ポイントカード見つかりました~。」

「......」


これは本当にやめてほしい。聞いたじゃないか。確認したじゃないか。

 なぜ後出しで出してくる? 後出しの権利ってか? 木吉鉄平ってか? 無冠の五将ってか? ひねりつぶすよ?


 電話でも、ストレスがたまることが起こる。

「すみません、来週の水曜日、三十人で予約したいんですけど。」

 他の店に行ってほしいという気持ちを押し殺し、予約台帳を確認する。

「申し訳ございません。その日は、すでに満席になっております。」

 内心、しめしめと思った。

「そうなんですか。何時ころ終わります?」

 知るか。そんなん、そん時のお客さんのさじ加減だ。そんなの見聞色の覇気でも持ってなきゃ分かりっこない。

「すみません......ちょっと、何時に終わるかは未定です。」

「分かりました。それじゃあ来週の木曜日はどうですか?」

「その日も予約埋まってます。」

 ナイス、予約。

「えー! じゃあ......」

しーつーこーい! はいはいはい、もう予約の電話取るの嫌だよキック!


 人手不足のバイト先になると、一人でたくさんのお客さんの接客をこなす必要が出てくる。

 急いでやろうとすると、焦る。下手したらパニックになる。


「すみませーん!」

 お客さんが、注文を要求する。

「ハンバーグと、パスタと......」


テンテーン!(お客さんが店に入った時になる音)

(やべぇ......よりによって、注文取ってる時に、来客された。)

「すみません、少々お待ちください。」

「ウーロ......分かりました。」

 そっちじゃない! 今来たお客さんのほう!

「失礼しました。ご注文続けてください。」


 注文を取った後、厨房に注文内容を伝え、来客した、お客さんをテーブルに案内する。


 ドリンクの準備を始めてると、また、テンテーン!という反吐の出る音がなり、案内する。

 ドリンクの途中、料理が完成する。

「お願いします!」

 訳:料理もってけということである。料理は、冷めてしまうものもあるため、飲み物よりも料理を優先的に出す場合が多い。


 料理を持っていき、再び、ドリンクづくりをする。畜生、よりによって、ミックスジュースとかいう、めんどくさい飲み物頼みやがって。オレンジジュースとかにしてくれ。


 再びテンテーン!と呪いの音が店内に鳴り響く。

 ほあーん! と思った。人間がドリンクを作るスピードには限界があるのである。

 今すぐ、木の葉隠れの里に行き、多重影分身の術を覚えたいと思った。俺一人ではきつすぎる。


 ストレスがたまるのは、お客さんに対してだけではない。


 店長からシフトの画像がLINEを通して送られてきた。

 来週の木曜日、昼○夜×で出したのだが、どういうわけか夜にシフトが入っていた。

 確認してみると

「すまん、何時まで入れる?」

 と言われた。まず、謝れ。ひれ伏せ。土下座しろ。勝手に昼と夜を入れ替えるな。

 お前の脳内では、昼と夜が逆なのか? 時差か? それとも昼と夜を入れ替える特殊能力を使ったのか? 

 奴はいつもそうだ。人手が足りないと、俺をあてにして、シフトを押し付ける。

 せや! 信也くんに任せたろ! という風に勝手にシフトを入れてきやがる。

 アンビリーバブルや! ヒーイズアンビリーバブル!

 今すぐ、奴もろとも、俺の全力のZ技、バイトエンドザフォールをお見舞いしてやりたい。

 

 注:勝手にシフトを入れてくるところは危ないので、みなさん気をつけましょう!

 

「夜九時まででお願いします。」

 そういうと、満足そうに、

「分かった。」

 と返してきた。


 今すぐ、やつの残り僅かな希望(髪の毛)に滅びのバーストストリームをぶっぱし、完全な禿げ頭へと昇華させてやりたいと思った。


......とまぁ、多かれ少なかれ飲食のアルバイトというのは、それなりにストレスがたまると思う。このバイトを一年以上続けた結果心を無にする力を手に入れることができた。

 ゾーンにも入れそうな境地である。さすがに無理だが。


 飲食のアルバイトをしてよかった点を挙げるとすれば、接客のバイトであるため、少しコミュ障が解消されたところと、賄いつきであるため、食費の節約をある程度行うことができる。


 デメリットはもちろん、ストレスのたまることである。俺は、このバイトをした結果、ストレスを発散させるために、お酒を飲み始め、お酒好きになったしまった。

 デメリットとまではいかないかもしれないが。

 俺をバイト先に紹介してくれた友達(すべての元凶)は、たばこを吸い始めた。

 理由は、俺と同じようなもんだ。


 来年から、就職活動を始めるので、辞めようかとも考えている。

 本業は学業。それならぜんぜんぜんぜんシフトに入れない~♪だからである。


 とりあえず、バイトの人間関係は、店長が池沼のようなシフトを作りやがる以外は、不満はない。


 四年に進級したら辞めるかどうかは、今日のバイトを終わったら考えよう。


 どうか、学生の皆さんは、バイトのし過ぎで、留年しないように気を付けてください!

 それじゃ、今日も元気にバイトへGO!

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― 新着の感想 ―
[一言] 何時まで入れる?って聞いてくれるだけ温情じゃないかな、ないかな。 コレは経験談なのですが シフトを無理矢理入れられて「まぁ時間空いてるしいっか!」 コレを一回でもやってしまうとダメです。 …
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