043話 体調不良?
――ヌチャ
先生は俺のへそから腹筋、鳩尾まで丁寧に拭いてくれる。
何か分からないが何かネチョっとした何かで。
どんな器具で拭いているかわからないが、生温かく、ちょっと気持ちいいかも。
「ん……。せ、先生……、くすぐったい」
「んは、まだ駄目よ。まだおひてないわ。もう少しまっへ」
ちょ、まずい。俺の四四マグナムが起動し始めている。
この器具はまずい。刺激が強すぎる……。
「股下も測るわね」
先生は俺のマグナムの真下からかかとまでを測り始める。
「あ! 先生! ちょっと、待って!」
「直ぐに終わるわ」
半起動状態で先生がマグナム直下を触ってくる。
あふん、やばいっす。まずい!
「ん、もっと、正確にはからないと……」
先生は俺の股下にグイグイ手で圧力をかけてくる。
おふん、やめてー。お婿に行けなくなっちゃう……。
「あら、ここにも汚れが……」
先生は俺のおへそにさっきの器具を入れてくる。
さっきちょが少し固く、ぬめぬめしている。
まぁ、ぬるぬるしていた方がおへそには優しいからいいか。
ちょっと気持ちいいし。
「ん、はぁ……。ちゅぱ……、んっ……」
先生の声って、なんかエロいな。
へその掃除でそんな風に聞こえる俺の耳も変だが……。
しかし、さっきからなぜか『ぴちゃぴちゃ』といった音が薄らと聞こえてくる。
水が落ちる音? 雨でも降ってきたか?
でも生々しい音だ……。俺の足元から聞こえてくる気がする。
「ん、ん、んっ……。も、もう少しでいきますね」
「行きます? どこにですか?」
「あ……。えっと、もうすぐ終わりますね。もう少しだけ、待って……」
「はーい」
先生は俺を寝かせたまま採寸をしているが、そろそろ終わるようだ。
「ん、ん、はぁ……、あ、あ、んっっっっ! はぁ……お、終わったわ」
「終わりました? タオルとってもいいですか?」
「ダメよ! 絶対にダメ! まだ、そのままで!」
なんだよ、まだ駄目なのか。しかしこの先生は足とかお腹とか丁寧に拭いてくれた。
あのニュチャッとする器具は何だろう。ちょっと気持ち良かったからあとでどんな器具か聞いてみよう。
――シュルル シャー パチン
「タオルをとってもいいわよ」
タオルを取ると目の前にさっきの先生がいる。
さっきより紅潮し、少しだけ口の回りによだれがついている。
目が潤んでおり、すこし膝がガクついている。
体調でも急に悪くなったのだろうか?
あ! だからベッドがあるのか! 体調あまり良くないんだねきっと。
ベッド俺が使っちゃったみたいだけど大丈夫かな?
「終わりですか?」
「お、終わったわよ」
俺がベッドから降りようとした時、ちょっとバランスを崩し先生の肩に手が触れてしまう。
「んっ! だ、だめっ! 私に触っちゃ……らめぇ……」
その場に急に座り込んだ先生は膝が笑っている。
フルフル震えており、寒そうだ。
「せ、先生! 大丈夫ですか!」
俺は思わず先生をお姫様抱っこしベッドに寝かせる。
「ら、らめぇ……。お願い、今は私に、さ、わらな、いで……」
すっかりぐったりした先生。ホントに具合が悪かったんだな。
「大丈夫ですか?」
「少し休めば、大丈夫。北村君の制服は五番の袋にまとまっているわ」
「そ、そうなんですか」
「それを持ったら、帰宅してもいいわよ」
「先生はこのままで?」
「ホントに大丈夫。心配しないで、次は入学式で会いましょう」
「は、はい。では、五番の袋を持っていきますね。お大事に」
「ええ、ありがと」
先生をそのままにし、教室を出る。
昇降口に向かい、薫を待つ事にする。
――数分後
「私の方が遅かったのね。待った?」
「いいや、俺もさっき終わったところ」
「何か所も採寸されて、テストまでさせられたわ。まったく、こんなに時間がかかるなんて……」
「俺も採寸された。でも、俺に当たった先生が具合悪くしてさ、そのままにして退室してきちゃったよ」
「大丈夫なの?」
「先生が大丈夫だって。ベッドもあったし、平気じゃないかな?」
「そう、それなら。さぁ、帰るわよ」
「そうだな。あ、帰る前にどっかで昼食べて行かないか?」
「そうね、そんな時間ね。私は別にいいわよ」
「じゃぁ、さっきの商店街で何か食べて帰るか」
俺と薫は制服片手に高校を後にする。
この春から高校生か! 二回目の高校はエンジョイするぞ!





