第20話~来訪、そしてゲーム~
バリエレイアから戻って、数か月経った。季節は既に秋である。今は自室の書斎机と向き合い、アンティーク調の椅子に腰かけて書類に目を通していた。
『第五遊技場』の園内では季節が感じられない。しかし遊技場の外では秋らしく葉は紅や黄と色とりどりの色をなし、涼しい風に揺られていた。
夏の暑さは消え、一日を通して過ごしやすい毎日である。その中、いつも通りに来園者である神様を迎える。
まぁ大抵、ジェラルドさん達が見回りがてらに対応を行うのだが。そのため、俺は基本この館にいるのだ。この館にいる間の主な仕事は神様の来園予定表に目を通して予定を把握する、点検結果の確認などの書類仕事がほとんどだ。まぁ、時たま息抜き兼仕事で遊技場内を巡ったりするが。
「ピー」
「ん?どうした、ロル」
書類に目を通していると、ロルが隣で何かを思い立ったように一声鳴いた。一旦書類から目を離し、傍にいたロルに声をかける。
『アトレナス』から連れ帰ったロルだが、こいつは基本俺の傍にいる。
時たま窓を開けて外を飛んでいるときもあるが、しばらくするとこちらへと戻ってくるのだ。やはり懐いてくれると、嬉しいものがあるな。
「ピー、ピピー」
「どこ行って……あぁ、外に飛びに行くのか」
鳴きながら窓へ向かったかと思うと、翼で窓を開けるロル。バリエレイアから『第五遊技場』に来る際は鳩のようだったロルは、今ではさらに成長していた。
形は鳩のような一般的な鳥で、高さは百五十センチメートルほど。色合いは変わらず薄灰色である。足はしなやかであるが、体重を支えるために筋肉質だ。尾羽は長く、そしてきれいな扇形をしている。体の割合にくちばしは小さく薄紅色で、黒の瞳は円らだ。
そして何よりの変化は翼である。
翼は急速に成長して現在、伸ばした状態で片翼三メートルほど。そして翼の折れる部分にはかぎづめが存在していた。このかぎづめを使って窓を開けるのである。
最近では羽を前足にして四足歩行を行っている。窓に向かう際も四足歩行だ。
「……なんというか、そんな姿のドラゴンがいるような気がするんだが。翼の形を除いたら巨大な鳥なのに……ロルよ、お前本当にホロホルなのか?」
「ピニョ~……」
「その姿でその声だとものすごくシュールだな」
窓枠に前足であるかぎづめをかけた状態で俺の声に答えるように鳴くロル。しかし、その見た目と鳴き声のギャップが激しく、思わずその思いをつぶやいてしまった。
ロルがそんなことを言うなよと言わんばかりの目をこちらに向けてくる。罪の意識を感じるじゃないか……。
すまないと謝ると、ロルは纏っていた悲しさを消した。どうやら許してくれたようだ。
そのままロルは窓の外へと目をやり、羽を広げて飛び出していく。一、二時間したら戻ってくるだろう。
飛んでいった方向から、書斎へと向きを変える。書類の処理もあと少しだ。これが終わったら息抜きに遊技場を見て回るとしよう。
渋い木目の書斎机の上には、左手には箱の中に積み重ねられた書類、右手には十数枚の書類がある。左ではなく、右手の十数枚の書類を手に取った。
積み重ねられた書類は既に処理済みのものである。
「これが終わったら、息抜きに遊技場に向かうか」
誰もいない部屋に、独り言が響いた。開け放たれた窓からは微かに遊技場から届いた楽しげな音が入ってくる。
その音をBGMに、目の前の書類に目を通し始めた。
「終わった、か」
大きく息を吐いて持っていた最後の書類を処理済みの箱へと入れる。これで目を通すべき書類は全て目を通した。しばらく書類仕事はないだろう。
肩をほぐすように揉んでいると、窓から何かが入ってくる気配。そちらに目を向けると、散歩を終えたのであろうロルが満足気な顔をしていた。
ロルが戻ってきたということは一、二時間は経ったのか。ジェラルドさん達が戻るまでまだ時間があることだから、ロルと一緒に遊技場でも回るか。
そう思い立ち、席を立とうとした瞬間に机上の水晶玉が透き通るような音を発しながら光を瞬かせた。この水晶玉は園内において連絡用水晶玉である。
「連絡か」
「ピ?」
傍に寄ってきたロルは興味深げに点滅する水晶玉を見ていた。
水晶玉を目の前へと置き、手をかざす。すると水晶玉に浮かんだのは褐色の肌のエルフ、リアナの顔。どうやら連絡してきたのはリアナのようである。
「失礼します。秋人様に軍神様がお会いしたいと。お通ししてもよろしいですか?」
「軍神というと……誰だ?」
名前の前に軍神とつく神様は結構いる。この世界だけなら分かるかもしれないが、他の世界からもやってくるときがあるからな。
「軍神ヴィレンドー様です」
「あぁ、あの神様か」
軍神ヴィレンドーというのは『アトレナス』の軍神である。その人が俺を尋ねてくるというのは初めてのことではないだろうか。
どんな人なのか不安はあるが、会わないというのも失礼だろう。
リアナに会う旨を伝えると、彼女はかしこまりましたと言って連絡を切る。さて、これからお客が来ることになったのだが、部屋を整えたほうがいいか。……いや、そういえば一階に応接室があったな。そこでいいだろう。
あぁ、そうだ。ロルはここで待機しておいてもらおう。
「ロル、これからお客様が来るからお前はここで待機な」
「ピッ?」
「いやさすがに魔獣を連れて会うわけにはいかないだろう」
椅子から立ち上がり、傍にいたロルへと目線を合わせぬまま話しかける。ロルは最初からついていく気だったのか、驚いたような様子で鳴いた。
「ピ~」
「そんな悲しそうに鳴かれてもな。とりあえず、お前は待機で……ちょっと待て、何をしようとしている」
ロルの悲しそうな鳴き声に申し訳ない気持ちになりながら、ロルの方を向く。視線の先には翼を広げて、今にも飛ばんとするロルの姿。
「ピニョー!」
「待て!飛ぶな!ここで飛んだら書類が!書類が散らばる!何のつもりだ、お前!」
「ピニョ~」
焦りを含んだ俺の言葉にロルは少し照れたような、そんな雰囲気をまとわせて鳴く。そして視線には期待が込められていた。
「もしかして、もしかしてだが。お前、ついていきたいのか?」
「ピ!」
俺の言葉に大きく頷きながら一声鳴いて答えるロル。
「落ち着け。お客様にペットと一緒とかあり得ないだろう。動物、いや魔獣嫌いだったらどうする」
「ピピッ!ピーッ!」
「落ち着け!飛ぼうと……っていや、言うことを聞いてくれるのは嬉しいことだ。うん、そうなんだ。ただな……」
鳴き声を上げながら行動を変えたロル。飛ぶなという命令を守ってくれるのは嬉しいのだ。しかしそのためにと飛ぶことから変えた結果の行動がおかしい。
「飛ぶのをやめてすがりつこうとするのはやめろ!ちょ、ま、かぎづめを肩にかけようとするな!痛いぞ、それは!お前のかぎづめは見るからに痛そうだからやめろ!」
「ピッ!」
俺が必死に訴えるも、ロルは楽しげに鳴きながら顔を横に振って拒絶の意志を示す。そしてこちらへとにじり寄ってきた。
「ピ~」
「くそっ!誰が連れていくか!」
意地でもついていこうとするロル。そして捕まるまいと部屋の中を逃げ回る俺。もちろん、机上の書類がばらけることがないように机の周りは避けている。
(何してんだ、俺……)
しばらくの間、捕まるか捕まらないかの攻防を繰り返していた。
現在は外、館の扉の前。リアナからもうすぐ到着するという連絡を受けて、出迎えられるように待機している。傍にロルはおらず、一人だ。
それにしても、ロルを説得するのは大変だった。あの後逃げ回りながらもなんとか俺の部屋で待機するように説き伏せたのである。
そんなことを考えていると目の前から二人分の気配を感じた。そちらに目を向けると、館の門前に二つの影。
メイド服を着たリアナ、そしてもう一人は見知らぬ男性である。おそらくその男性が軍神ヴィレンドーだろう。
距離が近づくにつれて、神様の姿形がはっきりと見えてくる。
均整がとれて引き締まった肉体に、それを包む念入りに手入れされているだろうと分かる渋い茶色の革鎧。彫りの深い顔立ちは整っている。金の短髪に橙の瞳の持ち主は笑顔を浮かべていた。
リアナと軍神が俺の目の前へと到着する。リアナは一歩引いた位置へと移動した。
「秋人様、ヴィレンドー様をお連れしました」
「ありがとう、リアナ。初めまして、ヴィレンドー様。シュウト・カグラシマです」
「よろしく。『アトレナス』の世界で軍神をやっているヴィレンドーだ。今日は遊技場で楽しませてもらったよ」
「そうですか、それは良かったです」
笑顔を浮かべながら歓迎の挨拶を述べると、軍神もにこやかな笑みを浮かべた。遊技場を楽しんでもらえたのなら幸いだ。俺はほとんど部屋の中で書類仕事だが。
「遊技場で楽しんだついでに、主と話してみたくてな。ご迷惑だったか?」
「いえいえ、そんなことは」
軍神の言葉に否定の意を示す。ちょうど仕事も終わったところだったため、迷惑だということはない。
「外で話というのもなんですから、どうぞ中へ」
「あぁ、失礼するな」
俺が扉を開けようとすると、控えていたリアナがそれよりも一歩早く扉を開けた。小さくありがとうと言って、軍神を館の応接室へと案内する。
リアナはお茶の用意のために台所へと向かった。応接室は一階に存在するため、すぐに到着する。
歩いてすぐ、渋い木目の扉の前へと到着した。ここが応接室である。
「こちらです、どうぞ」
そう言って応接室の扉を開けた。
部屋の中央には明るい茶色の長机が置かれている。地味という言葉よりシックなという言葉が似合いそうな机だ。
その机を挟むようにして椅子が存在している。扉の目の前には三人掛けのソファー、机を挟んで向かい側には一人掛けのソファーが三つ並んでいる。
ソファーはどれも黒い革張りとなっており、手入れが施されて革特有の艶が出ていた。
部屋の片隅には台に置かれた白い陶磁器の花瓶。活けられた花は白や赤と様々だが派手なものではなく、応接室に彩りを添えていた。
俺は一人掛けソファーの中央へ、軍神は三人掛けソファーに腰掛ける。向かい合うような形で会話を再開した。
会話のほとんどは『第五遊技場』についてだったが、話し込むうちに会話が弾む。話しやすく、会話をしていて楽しいのだ。
リアナがお茶を持ってきてからも、飲みながら会話を続ける。気づけば最初の固さはなくなっていた。
「そうだ、遊ぼう」
「へ?」
会話の途中、突然のヴィレンドーさんの提案に思わず変な声が出てしまう。
「突然、なんです?」
「確か主にゲームを持ちかけることもできたよな?」
「えぇ、まぁ」
確かにそのようなこともある。しかし、俺が主に就任してからは全くと言っていいほどなかった。
「いいじゃないか、ゲーム」
楽しげに言うヴィレンドーさんに苦笑を浮かべつつも了承する。少し面白そうでもあるからな。
「では、どんな内容のゲームにします?」
俺の言葉ににやりと笑みを浮かべるヴィレンドーさん。その笑みは楽しみだと言わんばかりである。
「内容か、それはな――――」
続くヴィレンドーさんの提案に一瞬目を見開くも、すぐさま同じようににやりと笑みを浮かべる。
あぁ、これは本当に楽しそうだ。判定は……丁度この館にいるリアナに頼もうか。残るはゲームを行う場所である。
遊技場内に条件を満たせる遊具や場所はない。となると外だな。今から、というから急ごしらえだが満足のいくものを用意しようではないか。
「わかりました。用意に一時間ほどかかりますので、ここでお待ちください」
「わかった。楽しみにしてるぞ」
そう言って一礼し、応接室を後にする。部屋を出ると外にはリアナが控えていた。
「聞こえていたか、リアナ?」
「えぇ、もちろん。審判は私が行いますね。でも、大丈夫かしら。一時間で場所も用意しなければならないのでしょう。一応、オルブフに連絡しておきますね」
「ありがとう」
リアナは連絡のために水晶玉を取り出す。それを横目で見てから、館の外へと出た。
目指す場所は遊技場の外、ゲームにふさわしい広大な土地である。
あれから一時間経った。先程リアナに連絡を入れ、ヴィレンドーさんを連れてくるように言ってある。
俺達は遊技場の外、ゲームの会場の入口前にて到着を待っていた。
「一時間以内にできたっすね、会場」
「あぁ、オルブフが手伝ってくれて助かったよ」
「あはは……俺、必要なさそうなんすけどね。全然疲れが見えないじゃないっすか……」
オルブフの乾いた笑いに思わず苦笑で返す。もっと時間をかけて建てるものだからな、ゲームの会場というものは。簡易的なものならできるかもしれないが、この会場は簡易的なものではない。
後ろの会場へと目をやる。
そこには巨大な水色のテントがそびえていた。テントは頑丈でちょっとやそっとじゃ壊れない、神様基準の頑丈さである。整地された大地は遠くまで続いており、奥には巨大な丸い岩石があった。大きさは山ぐらいはあるだろうか。
そんなことを考えていると、ヴィレンドーさん達が来たようだ。
「これはすごいな……」
近づいてきたヴィレンドーさんは驚きで目を見開きながら、テントを見上げる。口元には笑みがたたえられており、楽しみなのが見て取れる。
「それじゃ、ご案内します。こちらです」
そう言ってテントの中へと先導していく。入口には受付、受付の近くには休憩所がある。休憩所を抜けた先、一番奥は吹き抜けとなっていた。目の前には白い板で三つに仕切られており、遠くには先ほど見えた巨大な岩石が見える。
「それではこれからゲームを始めますか?」
「あぁ、準備も整ったようだしな」
仕切りの前で立ち、訪ねてきたリアナの言葉にヴィレンドーさんが頷きながら言う。俺も一つ頷いて肯定の意を示した。
了承を確認したリアナは一人ずつ仕切られた空間に移動するように言ったので、その場所へと移動する。
いよいよゲームの開始だ……っとその前にルール説明だな。
後ろで審判役として控えているリアナがルールの説明を始めた。
「それではヴィレンドー様の提案により、的当てを始めます。ボールをこの位置から投げて、あの的に当ててください」
的というのは岩石である。仕切りの近くにはボールが籠に詰められていた。
ボールを確認したのを見たリアナは説明を続ける。
「的当てですので、的の中央にどれだけ近く当てられるかで点数が変わります。もちろん中央は高いです。加えてどれほど破壊できるか、というのも点として加算されます」
リアナの説明するルールはヴィレンドーさんが考えたものだ。当てた際の点数に加えて、岩石の破壊具合も点数として加算される。
ちなみに的当ては一ゲーム三回だ。その時ごとに的は別の新しいものへと変わる。
「補助であろうと魔法は無しです。よろしいですか?」
リアナの言葉に二人してうなずく。
それを確認したリアナが各自位置に着くように言ったので、ボールを投げる位置へと移動した。
「それでは一回目を始めます。ボールを一つ、手に取ってください」
かごに入れられた大量のボール、その一つを手に取る。白のボールは手のひらサイズだ。
「それでは一回目、始めてください」
その言葉を聞いて、投擲のフォームをとる。
狙いを定めていると突然横から轟音が聞こえ、空気を震わせた。ヴィレンドーさんがボールを投げたのだろう。
しかしここまでの轟音、仕切りが頑丈でなければ壊れていたな。少なくとも『アトレナス』の素材で作ったら壊れていた。
さて、俺も投げるとしよう。意識を的に向けて狙いを定める。的の中央を確認し、思い切りよくボールを放った。
瞬間、巻き起こる風と空気を震わす轟音が辺りに満ちる。放ったボールは中央近くのところへと着弾した。着弾した瞬間、岩山の表面が大きな音とともに砕けた。最初にしたらいいほうか。
ヴィレンドーさんの的を見てみると俺と同じくらいだった。
「それでは一回目の結果を発表します――――」
一回目終了、リアナが後ろで一回目の結果発表を行おうとしていた。
結局一回目、二回目とともに引き分けとなった。
現在三回目、つまり最後である。これで勝てばこのゲームに勝つことになるのだ。やはり負けるよりかは勝ちたい。
俺もヴィレンドーさんもボールを持って準備はできている。それを確認したリアナは三回目開始の合図をした。
「それでは三回目、始めます」
リアナの言葉を聞いて、的の中央に狙いを定める。勝つなら中央、加えてあの岩山の破壊も行わなければならない。二回でコツは掴んだし、何とかいけるだろう。
狙いを定めたまま振りかぶり、ボールを投げた。
同じ瞬間に投げたのだろう、一人の時よりも大きい轟音と強い風が巻き起こる。頑丈なはずの仕切りが風で微かに揺れていた。辺りの木々が影響を受けて揺れ、葉は風で枝から離れて吹き飛ばされる。
数秒遅れてさらに轟音、岩山にボールがぶつかったのだ。的の方を見てみると、立ち込める土煙で全容が見えなかった。結果はどうなんだ?
「少々お待ちください……結果が分かりました」
リアナが結果を確認する。その場に吹いた風で土煙は吹き飛び、視界を遮るものは無くなった。
「ヴィレンドー様、秋人様、どちらも中央です。破壊具合は……」
「これなら、一目で分かるだろうな」
リアナの言葉にヴィレンドーさんがそう呟く。視線はどちらも的へと向けられていた。
ヴィレンドーさんの的は大部分が破壊されており、わずかに下の部分が形を留めて残っていた。一方の俺の的、こちらは何もない。そう何もないのだ。
土煙が晴れたときに、的は見えなかった。見えるとしたら小さく盛り上がった大地くらいだろうか。目をこらしてみれば、その小さく盛り上がったものが的であった岩山のなれの果てだというのは想像に難くない。
跡形もない、その言葉がしっくりとくる。
「勝者は秋人様です」
「あぁ」
小さくそう呟いてうなずくヴィレンドーさん。顔には負けた悔しさはあるものの、楽しかったという思いがにじみ出ていた。
「楽しかったよ、ありがとう」
「こちらこそ。的当て、楽しかったです」
そう言って握手を交わす。ヴィレンドーさんに直接申し込まれたゲームは、最初不安があったものの楽しむことができた。言葉に偽りなどない。
こうして、ヴィレンドーさんとのゲームは終了した。余談だが、この的当てはその後遊具として主に戦闘系の神様がご愛用するようになる。
ゲームを終え、リアナとオルブフと共に館へと戻る。ヴィレンドーさんは遊技場で一泊するのだそうだ。カジノだけかと思っていたあの建物、なんでもホテルでもあるらしい。
館への帰り道は、林に囲まれて暗い。しかし先ほどのゲームの楽しさが、そんなことに構わなくなるほど気分を高揚させていた。




