カップラーメン
カップラーメン。
「お腹空いたな……。あ。カップラーメンあったっけ──」
ある休日の昼下がり、とある大学生は、この前カップラーメンを買っていたことを思い出した。
棚を開けて、手に当たったカップラーメンを取り出す。
『お。兄ちゃん、食べてくれるのか。ありがたいねえ』
カップラーメンは喋るが、人に聞こえる訳ではない。
大学生の兄ちゃんは、透明なビニールを破り、フタを半分開ける。
そして、お湯を線まで注ぎ、フタを閉めた。
「五分か。テレビでも観るか──」
カップラーメンを片手に、テレビの前に座る。
『お。やっと俺も食われるときがきたか──長かったねぃ』
カップラーメンが喋るが、やはり聞こえる訳ではないので、兄ちゃんはテレビを観ている。
「そろそろかな……」
時間を確認して、フタを取った。
『汁まで味わってくんな』
「……ん?」
兄ちゃんは顔をしかめる。
『どうした? もう食えるぜ!』
「うわ……、こりゃダメだ──」
『何だ何だ?』
「賞味期間めっちゃ切れてるし……他のにしよ──」
カップラーメンを片手に、水道に向かう。
「ごめんなさい──と……」
バシャバシャ、ビシャッ──
カップラーメンは、水道に流れていった……。
思い付きです。
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