らんらん♪らんらん♪つぼが割れちゃった☆
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
そう、すべてはこの叫びから始まった……
月夜の家宝のつぼがこわれていたのだ。
「ちょっとこれ、なんなのよ!!」
月夜が、桃色の髪をこしまでたらした美しい少女【スピカ】に怖い顔をして言った。
「らんらん♪らんらん♪チューリップの花言葉は告白♪チューリップの花言葉は告白♪チューリップの花言葉は……」
「花言葉・ザ・エンドレスはやめろって言ってるでしょ!!」
説明しよう!!花言葉・ザ・エンドレスとはスピカが気に入った花言葉を何回も言ってまわりの人物をウザがらせる行為である!!
つぼが壊れているのを月夜は半分呆れながらもスピカに言った。
「だからこうなった原因を言えって言ってんでしょ!!」
「らんらん♪らんらん♪」
しかしスピカは聴いていない。
その光景を見ていた超自由人の神、アルテミスが言った。
「あ、そのつぼならカストルとポルックスがぶっ壊してどっか行ったぞ」
「はああっ!?」
月夜は思った。ほんとにこれ、自分が願っていたことなのか…と。
月夜は中庭に出て、門を開けて近くの公園の方を見るとブランコの座るところにカストルとポルックス兄弟が画鋲を置いていた。最も典型的ないたずらである。
「カストルゥゥ!ポルックスゥゥ!!」
「うわっやべ!!逃げるぞ、ポルックス!!」
カストルがポルックスを連れて、月夜の隣の家へと急いだ。
「まてぇぇぇぇぇ!!!」
体育は苦手な月夜だが、今日だけは俊足になれたような気がした。
(きっとあいつらは入り口のところに画鋲をまた置くつもりね!あんたらの作戦はもう分かってるんだから!!)
月夜は自信たっぷりで隣の家の入り口で待ち伏せした。
しかし、10分たっても双子の兄弟は来ない。
「あいつら…どこにいったんだろ…」
ため息をついて、自宅に戻ると自宅の手前の家でピンポンダッシュをしているカストルとポルックスがいた。
その時、月夜の目は月夜であって、月夜ではなくなっていた。
「大成功だったな、カストル!」
「そうだったな、ポルック……ス???」
自宅の前には後ろに黒い影がある月夜がいた。
その瞬間、カストルとポルックスは動けなくなっており、逃げることも出来なかった。
「よくもうちの家宝を壊しやがったなワレェェェ!!!」
その形相はあまりにも月夜ではなくなっていて、まさに天使と悪魔の差があった。
カストルとポルックスが月夜の立っている奥の方を見ると、アルテミスが2人にアイコンタクトをしていた。
(あやまれ)
(わかった)
カストルとポルックスは震える声で謝った。
「「ごめんなさい」」
すると月夜の黒い影が消え、いつもの月夜に戻っていた。
「あっれ~??私何やってたんだろう??で、どうしたの?カストル、ポルックス??」
「「月夜さん…すいませんでしたぁぁぁぁ!!!!」」
こうしてカストルとポルックスは道の真ん中で土下座をして1日を終えるのだった。