すべての始まり
私はいま、TSOR発祥の地を訪れている。
今はそこに何もなく、跡地になっている。
こんなところで、この自治体ができたのかとため息をついていた。
TSORは、旧埼玉県領の南方を治めているちいさな自治体である。
自治体長は若く、今は元老院が権力を握っている。
その中でも、執政官である長老が、まさに時の権力者である。
私の父は、領主だったが、彼に罪を着せられ、3年も牢獄に閉じ込められたのち、
処刑されている。しかし、私は10歳のときの適正テストの成績がよかったため、
成績のよい間は、当面見送りとなったらしい。
そして、私は養子に出された。
ちなみに、私の父の旧領は、長老が治めている。
そして、なぜ私はここにいるかというと、毎日見ていたこの場所も、
しばらく見ることができなくなるからだ。俗に言う、家出である。
私が、この前受けた適正テストが悪かったからという口実で私を捕まえようとしていると、
義父が教えてくれた。しかし、私の成績がそこまで悪くなるとは思えない。
いつも偏差値70越えだった私の偏差値が、40を下回っているというのだ。
そのため、私は、死を逃れるために家出を決意した。
義父から、少しのお金と馬をもらい、先ほど家を出発した。
もうここには戻ってこないのかもしれない・・・
ひょっとしたら死んでしまうかもしれない。
いや、私は、生きてここに帰ってこなければならない。
父の敵をとらなければならない。
こうして私は長い旅に出た。