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Little Boogie man & Me 小鬼と俺の黄泉奇譚  作者: クリステル


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天啓パート2



ちょっと…、


ちょっとボク…。


ちょっと起きてくれないかなぁ…。


え…、何ですか…?


ココは…?


白い世界…?


はっ、コレは転生アニメでお馴染みの白い空間!


ピンポーン!正解です!そして私がこの世界の女神様でーす!


あ、コレはあれだ…、〝駄女神〟なやつだ…。どおりで対応がお粗末だと思っていたんだよ…。


ちょ、ちょ、ちよ、ちょっと待って下さいー!その決めつけってどーゆー…、


ウチのハナちゃんから色々と依頼されてましたよねー。今のところ駄目勇者送っただけじゃないですか?


う…、そ、それはそうですね。返す言葉も有りません。鬼龍院様には普段からお世話になっていながらご恩をお返し出来ずに本当に心苦しく思っております、はい。


(うん、出来る妻の威を借りてマウントをとる俺も中々にクズっぽいな…。)


あ、今何かおっしゃいました?


あ、心の中読まないでもらえます?

ルール違反でしょ!


そう言われましてもそもそもココがエンマ様の心の中でして…。


(ち、何言ってんだコイツ!)


え〜……。


で、いつ帰れるの?


あ、その事なんですが、実は今〝魔王〟よりもやばいヤツがこの世界に侵入していまして、そいつの所為で私も手が打てないでいるのです。


ん〜?なんか言い訳っぽくない?


いえいえそんな、鬼龍院様の御眷族様に嘘なんて申しません!

で、エンマ様にお願いがございまして…。


何? 言ってごらんよ。


〝魔王様〟に会っていただきたいのです…。


〝魔王様〟に会っていただきたいのです…。


〝魔王様〟に会っていただきたいのです…。


目が覚めた!


何あの最後のコダマみたいなヤツ!

最後を印象付けようとする姑息な印象操作みたいで腹立つわ!


目覚めの悪さをホテルのカフェのコーヒーで洗い流そうと濃い濃いコーヒーを頼んで飲んでいると、昨夜遅くにに帰ったらしいサーモスさんが俺の前の席に腰を下ろした。


「おはようございますエンマー殿。」

「ああ、おはようございますサーモスさん。昨日は領都に戻ってセシルさん達に会って来ましたよ。」

「おやそうでしたか。お嬢様は如何お過ごしでしょうか?」

「ろくちゃんと二人仲良くやってますよ。」

「それは良かった、今はああですが、やはり元勇者様ですからね。お嬢様の事はお任せして大丈夫でしょう。」


大丈夫…? かどうかはわからないなぁ…。


「ははは…、それで情報収集の方は捗りましたか?」

「それなんですが…。」


どうも不穏な噂もさることながら、王室自体に暗雲が垂れ込めているらしい。明朗闊達、自信に溢れて政務に当たっていた王陛下が急に寡黙になり信頼厚い王太子や大臣達を遠ざけ、怪しげな素性の知れない輩を呼びつけて何やら画策しているらしい。


「先日お会いした〝ロバの耳〟のコーディーさんにも会ってお話しを伺いましたが、王陛下はまるで別人の様におなりになって自分達の話しに耳も貸さなくなってしまったとぼやいておられました。」


うーん、王国に差す影と昨日の女神の話しは何か関係があるのだろうか?


「サーモスさん、〝魔王〟とか〝魔神〟ってそもそも何なんですか?」


「〝魔族〟ですか…。」


なんと、伯爵領の隣の森のさらに奥に魔の山というのがあってココとは桁違いに強い魔物の生息域になっているそうだ。で、その魔の山を超えた向こうが魔族の暮らす領域で明確に〝魔国〟とか〝魔王国〟というわけではないが、いちよう魔王が統治している領域があるらしい。前回の魔王討伐ではその領域にある〝魔王城〟まで行って魔王を討伐したらしい。


「あの時最前線の部隊にいましたが、魔王城の中まで乗り込んだのはロクロー様お一人でして…。半日ほど待っているとロクロー殿が魔王の首を持って現れて『魔王を討伐したぜ〜!』と高らかに宣言されました。」


ん?なんかろくちゃんやらかしてないか?


「エンマ殿!」

ろくちゃん魔王討伐疑惑に思いを巡らせていると、興奮気味に顔を紅潮させたテスラ先生が目の前に立っていた。


「テスラ先生!どうしたんですか、こんな朝早くに?」

「試作機が完成しました!いち早くエンマ殿にお見せしたくて!」

おー!仕事早いなテスラ君!君必ず出世するよ!

しかし…、まんまファクシミリだな。受話器が付いてないからコピー機か?


「このディスプレイにマップが内蔵されていますので、マップの座標で送信先を登録します。」

「おー、最先端機器って感じですね!」

「とりあえずエンマ殿は拠点が3ヶ所あると聞きましたのでこの3台を進呈させて頂きます。」

「え、良いんですか?」

ちゃんと段ボールに梱包されていて商品名までプリントしてある!


『テスラー送信機〝オクレルーン〟』

何と芸が細かい!


「もちろんです!私はこれからじゃんじゃん稼がせて頂きますからね!ハッハッハッ!」

うん、テスラ君、最初のオドオドした感じがなくなって自信に溢れて若者らしくて良いよー!


「ハッハッハッー!」

テスラくん高笑いを残して去って行った。


王都の用事も片付いた事だしそろそろ領都にカエルかな?


「俺たちそろそろ領都に戻ろうかと思うんですが、サーモスさんはどうなされますか?」

「私はもう少し王城の中を探ってみたいと思います。」

「そうですか。では王都の店に送信機を置いておきますので、何かありましたらご連絡下さい。」

「承知致しました。戻られましたらお嬢様達のことも目をかけて頂けたら助かります。」

「もちろんです。」


こうして俺たちは王都滞在に一旦区切りをつけたのだった。


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