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Little Boogie man & Me 小鬼と俺の黄泉奇譚  作者: クリステル


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天啓



次の日の朝、俺達がギルドに寄るとドニーさんと骨子ちゃんが既に来ていて俺達を待ってくれていた。


「昨夜アリシアと話したんですが…、」


へ?どうやって?まさかの俺以外は骨子ちゃんと喋れる説?


「しばらくは皆さんと一緒に冒険者を続けたいらしいんです。なので従魔の登録をして面倒見てやって下さい。」

「あ、はい、わかりました。取り敢えずコレは昨日の骨子ちゃんの働きの報酬です。お兄さんに渡しておきますね。」

「こんなにですか?なんだアリシア、冒険者になってお兄ちゃんより稼ぐようになるって言っていたのが叶っちまったな!」

ドニーさんの言葉に胸を張って〝カッカッカッ!〟っと大威張りの骨子ちゃん。可愛らしいな!

「じゃ申請出して登録済ませちゃいましょうか。」


アンデッドの従魔契約は初めてらしくギルド内が少しざわざわとしたが、法的には問題ないみたいで申請はすんなりと受理された。街中で誤って攻撃されないように〝従〟と書いた木札のついた首輪を付けるのがルールらしい。


「エンマーニャン!セシルニャンが呼んでいるニャン!」


丁度従魔契約が終わったタイミングでニアリーに声をかけられて、俺達は溜め息をつきながらゾロゾロと応接室へ向かった。


三度目のギルドマスターとの面談。

毎回人数が増えて対面のソファーに座りきれないなぁと思ったら、セシルさんの隣に当然のような顔をしてチョコンとジョンが腰掛けた。因みにニアリーはコレまた当然のような顔をして俺の隣に座っている。


「やぁ、アリシア!久しぶりだったな。」


セシルさんに声をかけられた骨子ちゃんは立ち上がって優雅にカーテシー。

本当に優雅に見えるから不思議だ。


「お知り合いだったんですね。」

「そうだな、期待のルーキーで目をかけていたんだ。あの時は私も領軍を率いて一週間捜索したんだがな…。私に出来たのはそれだけだった。アリシアを見つけてくれてありがとう。感謝する。」


深々と頭を下げるギルドマスター殿。うん、セシルさんの立場としては十二分な対応だと思う。


〝カタカタカタ…〟

「いやいや、アリシアが謝るような事じゃないさ。どんなに強い冒険者でも何処かで命を落とすものだ。」

あれ?やっぱりセシルさんも骨子ちゃんとコミュニケーションとれるんだ!ショック…!


「それでだなエンマー殿…。」

あ〜、コレからお説教タイムだなぁ、憂鬱…。


「実は昨夜夢の中で女神様から天啓を頂いたのだ。エンマー殿は異世界から転生した稀人なのだな。」


あら? 想定外の流れ!そういえばハナちゃんがコッチの女神に相談していたんだっけ…。まぁ、隠してもしょうがないか…。


「まぁそうですね。俺とジョンは手違い…と言うか事故でコッチに飛ばされて来たんです。」

「やはりそうか…、君達の規格外のポテンシャルも納得だな。それで、女神様が言うにはだな、今転生術を使える者を探しているらしいんだ、で、取り敢えず前回そちらの世界から送られたのが先日の話しに出た魔神を討伐した勇者様なのだが…、女神様はその勇者様に君達のサポートを頼めと言われたんだが…。」


何故か言い淀むセシルさん?


20年前、この街で伯爵夫人を拐かす狼藉を働いた魔神を討伐した後、魔王城に乗り込んで魔王を倒してこの国の英雄となった勇者様。セシルさんもお母様を救ってくれた恩人が英雄となった事に拍手喝采したらしい。しかしその後勇者様の噂を聞く事もなく、セシルさんも日々の執務に追われ、忘れるともなく過ごしいたのだが、今回女神様の指示を受けて勇者様の近況を調べたところ、なんと違法魔物賭博にハマり、借金奴隷まで落ちてこの街の奴隷商で売りに出されているとの事だった。


何してんの、勇者様?


「私も少なからず戸惑っているのだ…。その…、母を救って館に連れてきてくれた時の勇者様のお姿がなんともカッコよくてな…。子供ながら〝恋心〟にも似た感情を抱いたものだった。」

なるほど、セシルさん勇者様が初恋の相手か。そんな勇者が借金奴隷って…。


何してんの、勇者様?


「おそらく女神様はご存知ないのだろうな。勇者様がそんなだから君達のサポートどころでは無いと思うのだが…、私としては今が勇者様への恩を返す時だと思うんだ。」


「なんかすいません、同郷の者がそんなクズっぽくて…。」


「でだ、奴隷商が提示している金貨200枚は私が出すから、エンマー殿には勇者様を引き取りに行ってもらえないだろうか? 勇者様のお名前は〝ロクロー・ブルースマン〟だ。」


ロックンロール? ブルースマン?


なんだろう、この不穏な響きは…。

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