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Little Boogie man & Me 小鬼と俺の黄泉奇譚  作者: クリステル


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森のドラゴン♪


まとまった金を手にした俺たちは安宿からちょっといい宿に変える事にした。

借金を返すついでに門番さんに紹介してもらったちょっといい宿の名前は、


〝ホテルカリホルニヤ〟


って先輩転生者の匂いプンプンだな!

とっても寂しいところさ!いや、実際は寂しくないけどね〜。チェックアウト出来なくならなきゃいいけど…。


〝Mother you had me…♪〟


部屋に入るとすぐスマホが鳴った。


: ハナちゃん、オレオレ!

: ダーリン、ジョンがダーリンのとこへ行くって聞かなくて送ったんだけど…。

: うん、ジョンならベッドでバタンキューと爆睡してしてるよ。

: そう、ごめんなさいね、押し付けちゃって。少しは役に立つと思うから面倒みてあげてね。

: いやいや、ジョンが来てくれて心強いよ。早速今日も助けられたし。

: ならよかったわ! それで、今日やっとそっちの世界の女神様と連絡が取れて、先にそっちに送った転生者にあなた達のサポートを依頼してもらう事になったから。それと、帰る方法に関してもその女神様と相談してるからね。

: うん、わかった! こっちは深刻な問題は今のところ無さそうだから、ハナちゃんは産後なんだから無理せず安静にしていてね。

: ダーリン…、なんて優しいのかしら。早く貴方に逢いたいわ。 それと〝あかり〟と〝ひかり〟っていう名前も気に入ったわ。ありがとう!

: うん、気に入って貰えて良かった。俺も早く君と双子ちゃんに逢いたいよ。


そんなラブラブトークで異世界の夜は更けるのであった。


次の日の朝。

ジョンの装備を揃える為、武器屋に寄る。ジョンには金棒。そしてジョンによると骨子ちゃんはアーチャーだったらしいので弓と矢を一式。そしてなんと骨子ちゃんは裸で恥ずかしいという事なので、服屋でワンピースを買わされた。


「エンマーニャンかニャ?」

街の門を出たところで凄く小さくて可愛い獣人の女の子(猫耳)に捕まった。


「セシルニャンに1日一緒にいろって頼まれたニャ。」


昨日の監視役もこの子だろうなぁ、多分なんとなくだけど。


「うん、俺達はいいけど、今日は結構森の奥まで行くつもりなんだけど大丈夫?」

「これでもC級冒険者ニャ!猫だからって舐めるニャ!」

「そっか、じゃあ宜しくね、コイツはジョンだよ。」

俺達が握手をしようと手を出すと、

「馴れ合うつもりは無いにゃ!勝手について行くニャ!」


うんうん、猫は警戒心が強いからね〜。


テロリロリン♪


俺達がスライムやらコボルトやらを倒しながら(主に俺が)森の中を歩いているとスマホのお知らせ音が鳴った。


[〝ニアリー〟がパーティーに加わりました。]


ジョン、スゲーな!

さっきから俺の後ろから距離をおいて付いてくる猫耳ちゃんと並んで楽しそうにお喋りしていたと思ったらコレだ!

しかも相手がスマホ無くてもパーティー機能使えるのか!コッチの情報が漏れなくて助かるな。


ニアリー

種族……獣人(猫人)Lv10

職業……猫忍

HP……215/215

MP……150/150

SKL……無音、気配遮断、気配察知、超聴覚、警戒、猫なで声、猫またぎ、猫飛び、猫回転、猫パンチ。

猫魔法Lv5……猫ヒール、猫じゃらし、猫脅し、猫騙し、猫シャー、虎の威を借る猫、ネコソギ。


成程、色々気になるけどありのまま受け入れよう!


「あるう日♪」

「あるう日♪」

「森の中♪」

「森の中♪」


歌い出したよ、しかも輪唱で!


「ドラゴンに♪」

「ドラゴンに♪」


熊さんがドラゴンになってるし!


あ、ヘルマップに緑の点が近くに表示され出した。


「ジョン、楽しそうなところ悪いが、そろそろだぞ!」

「うんわかった、とうちゃん。」

ジョンはそう言うと小走りに俺を追い抜いて行った。

「待ってージョンニャン!そろそろってニャに?」

「昨日会ったお友達ー!」


「ニアリー!」

ジョンを追いかけて俺の脇を通り過ぎようとするニアリーに俺は声をかけた。

「驚かすと可哀想だからこの辺で待っていような。」


20m程離れた先に昨日の祠があり、ジョンが近づくと祠の影から骨子ちゃんが現れた。


「スケルトン?」

ニアリーが表情を引き締め

腰のナイフに手を掛けたのを見て、

「大丈夫だよ、ジョンの友達なんだ。」

と優しく諭した。


ジョンが骨子ちゃんにワンピースを渡し、骨子ちゃんが背中を向けて着替え出すとジョンも顔を赤らめながらくるりと背を向けた。うんうん、紳士っぽくていいぞ、ジョン!


テロリロリン♪


[〝骨子ちゃん〟がパーティーに加わりました。]


骨子ちゃん

種族……スケルトンLv1

職業……アーチャー

HP……♾️/♾️

MP……15/15

SKL……狙い撃ち

闇魔法Lv1……死の唄


うん、着目すべきは HPインフィニティ(無限)だな。死んでるから HPがそもそも無いのか?


ジョンのエスコートで俺たちの元へ連れてこられた骨子ちゃんは優雅なカーテシーでお辞儀をした。うん、ワンピースが似合って見えるから不思議だ!


「フンッ!そんなお辞儀ニアも出来るニャ!」


あれ? 三角戦争勃発? あ、久々に困った顔のジョンを見た気がする。


「さぁ、ここから少し森の奥に進むから皆んな気を引き締めて行くぞ!」

うん、あまりフォローになってないか…? 無いな。


「とうちゃん、骨子ちゃんがダンジョンの場所知ってるって!」

「そうなのか?」

ってどうやってコミュニケーションとってるのか、とうちゃんはソレが謎だよ!


「ダンジョン!」


ニアリーが表情を引き攣らせて叫んだ。


「どうした、ニアリー? ダンジョンはやっぱり無理か?」

「そ、そんな事ないニャ!ただ行った事無いだけニャ。」

「そっか、まぁヤバそうだったら引き返すって事で、取り敢えず行ってみようぜ!」

「お、おうー!」


ダンジョンに着くまでそれなりの量と強さの魔物達に遭遇したが、俺達4人の敵じゃなかった。


オーク…ニアリーがシャーして怯んだ隙にジョンの金棒で瞬殺。


ボア…ニアリーが猫騙しで怯んだ隙にジョンが破邪の拳で瞬殺。


コボルトの群れ…ニアリーが虎の威を借る猫を発動、尻尾を巻いて立ちすくんだコボルト達を骨子ちゃんが狙い撃ち、ジョンが金棒で撲殺、俺もウォータースラッシュで援護。30匹の群れが1分もかからずに全滅。


「このパーティー最高ニャ!ダンジョンだって怖くないニャ!」

ニアリー調子いいな。でも、そうかも知れない。

骨子ちゃんは最初がLv1だったから急成長!魔物を倒す度にレベルアップ音が止まらない。


骨子ちゃん

種族……スケルトンLv8

職業……アーチャー

HP……♾️/♾️

MP……45/45

SKL……狙い撃ち、連射、曲射、騙し撃ち、遠矢、遠視、精神統一。

闇魔法Lv1……死の唄、死の吐息、鈍いの呪い、即死。


レベルが上がった骨子ちゃんは、言葉こそ発せないが声が出せるようになった。まだ〝あー〟と〝うー〟の2種類だけど、大きな変化だ。そのうち喋れるようになるのかも知れない。


ダンジョンの前に辿り着いた時、俺もレベルが上がって〝転移魔法〟を覚えた。

コレで愛する妻の元へ帰れるかと喜んだが、そう上手くいかないらしい。ヘルマップ上にカラーコーンを立てた場所に任意に転移出来る仕様だった。


「登録制かぁ…。」


ちょっとガッカリ。

で、このままダンジョンに潜ると日を跨ぐことになりそうなので、一旦ダンジョン前を登録して街へ引き返す事にした。


帰り道、骨子ちゃんをどうするかで少し揉めた。ジョンがもう一緒のパーティーなんだから一緒に街に戻ると言い張ったのだった。


「そうニャ、この子も今日一緒に頑張ったんだから、もう立派な仲間ニャ!」


意外にもニアリーも骨子ちゃんを擁護した。ツンデレか?


「おい、ちょっと待て!」


案の定街の門をくぐる時、門番さんに険しい声で呼び止められた!


骨子ちゃんをジロジロと見る門番さん…。


「彼女はジョンがテイムしたんです。アンデッドでも従魔として登録すれば問題ないですよね?」


瞳を大きく見開いて驚愕の表情の門番さん。


「アリシア…、なのか?」


ん? お知り合い? でした…?


「そのペンダント…、アリシアが恋人に貰ったって自慢してたヤツじゃないか…?」


〝うーうー〟とカクカク頷く骨子ちゃん。


やっぱり知り合いだったみたいなので、ちょっと詰所でお話ししましょう、皆んなに注目され出してるからね。


で、ジョンは通訳。


どうやら骨子ちゃんは門番ドニーさんの妹さんだったらしく、3年前に森で行方不明になっていたらしい。

冒険者稼業の妹の失踪にやっと心の整理がつきかけた折の再会だった。


「エンマー殿、それにジョン君、妹を見つけてくれてありがとう。感謝する。」

「いえいえ、たまたまですから、なぁジョン。」

「うん、よかったね骨子ちゃん!」


ドニーさん今夜は取り敢えず妹さんを引き取るって。明日従魔の登録にも立ち会ってくれるって。


「ニアリーはどうする?俺達はギルドに寄って今日の獲物を換金して貰うから分前を渡さないとな。」

「わかったニャ。ニアリーもセシルニャンに報告があるニャ。」


その日の儲けは普通の生活4ヶ月分はあるだろうか。大儲けだ。

受け付けのお姉さんに儲けの4分の1をニアリーに渡してくれるように頼んで、ニアリーがセシルさんに報告しているうちにコソコソとギルドを後にしたのだった。


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