セシル青天の霹靂パート1.2.3.4! ついでに俺もパート7.8!
夕暮れの街へ戻ってギルドに寄ると案の定、セシルさんにおいでおいでされて応接室ナウ。
「こんばんわ、ご機嫌いかがですか、セシルさん?」
「君のお陰で胃に穴が開きそうだよ。とりあえずその少年は何だ?」
よし、ジョンが小鬼だという事はバレてないらしい。
「コイツは俺の弟です。」
「とうちゃんはにいちゃんなの?」
う…、胸を張って答えたのに打ち合わせの詰めが甘かった。セシルさんの目が白黒してる。
「コイツは俺の息子です。ジョン、セシルさんにご挨拶しなさい。」
「はじめまして、ジョンまんじろうです!」
「ちょっと待て、お前〝万次郎〟なの?」
「うん。」
青天の霹靂パート7!
「ちょっと待てはコッチだ!エンマー君、君15歳だよね?」
うん、セシルさんも青天の霹靂みたいな顔してる。そりゃそうだよね。
「ジョンは妻の連れ子なんです。」
「え? 君結婚してたの? へ…? まぁ…、そういう事もある…のか?」
さらにセシルさん、青天の霹靂パート2かな?
「先日双子ちゃんが産まれたんで早く稼いで妻の元に帰らないといけないんです。」
セシルさん、青天の霹靂パート3!
「そ…、そうなのか…。それは、大変だな…。それはそうと、その少年だ!」
「ジョンが何か?」
「魔力量こそ君程ではないが、その歳で相当な実力なのはオーラを見れば分かる。昨日も話したが、私はこの街を護らねばならんのだ。」
「では、聖水試験ですね?ジョン、聖水大丈夫か?」
「うん、だいじょうぶ!」
で、セシルさん不承不承ながら聖水をフリフリ…。結果オーライ。
「ムゥ〜……。」
納得いかないセシルさん。
「とりあえず気づいてはいると思うが監視は続けさせてもらうからな!」
「とうちゃん…、」
そんな変な空気の中突然ジョンが俺の耳元に口を寄せて内緒話みたいにゴニョゴニョゴニョ…。
「セシルさんに蕎麦を振る舞いたいって? ジョン、セシルさんも忙しいだろうしあまり時間をとるのは…、え? すぐ出来るから? うーん、セシルさん、ジョンがセシルさんに蕎麦を食べさせたいって言うんですが、お時間よろしいですか?」
「お…、おう、ソバが何か知らんが頂こうか…。」
セシルさんが了承した途端にジョンは応接室のテーブルに打ち台をバーンとストレージから出し、俺に計量カップを差し出して、
「とうちゃん、おみず!」
俺タジタジの水魔法でジョー…。
「おなべにおゆわかしといて!」
渡された寸胴にドバドバっと水入れてマイクロ波で加熱!
そうこうしてる間にジョンは蕎麦粉に水足しながらコネコネ。綿棒で伸ばして伸ばして…。そりゃもう超高速な蕎麦打ち!まるでビデオの早回し高速回転で専用の蕎麦切り包丁でサクサク蕎麦切って沸騰した寸胴にドバーってするまで30秒!
蕎麦打ち世界記録でたな。
「どうぞめしあがれ!」
1分と経たない内に3人の前にはザルに盛った蕎麦と麺つゆと割り箸が並んでいた!
セシルさん青天の霹靂パート4!
ついでに俺もパート8!
「まぁ、どうぞ、伸びない内に。」
「お…、おう…。そうだな、頂こう。」
3人で蕎麦をずるずる…。
「えっ…?」
なんとセシルさん、蕎麦をずるずる啜りながら大粒の涙をポロポロと零し始めた。
「どうかされましたか?」
「あ、いや、見苦しいところをお見せした…。 こんな美味いものを振る舞ってくれた少年を疑った自分が情けなくなってな…。」
そう言いながらセシルさん、ずるずるポロポロ止まらない。
きっと責任感が強くて普段の公務のプレッシャーから情緒不安定になってるんだろう。
いつの間にかジョンはセシルさんの隣に座って背中をスリスリと摩って慰めているのだった。
なんか…、我が息子ながらジョンってスゲーな…。
その後、泣きながら謝るセシルさんに見送られて応接室を出た俺たちはギルドの買取りカウンターで本日の釣果をドーン!
ギルド騒然!
コボルト……銀貨20枚
オーク……金貨3枚
コレはもう借金返しても一月は余裕で暮らせる感じかも!




