第四話 森林①
※この物語はあくまでフィクションです、
ですが一部本当のことを織り交ぜて書いてます。※
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日本国内 とある森林
八月七日 早朝五時十一分
「ひ、、久しぶりに見たけど、、
本当に奥が見えないな、、」
俺は先日夢に出てきた森林にきていた。
森林まではアパートから実家まで
車にて三十分で向かい、その後は車を止めて
昔乗っていた自転車で十分程度
走らせた位置にあった。
「この森林は周りが崖で覆われているし、
迷うことはなさそうだな、、
だがこの森林に入るためにまずどこから
降りようかな、、降りる場所とかなさそうだし、」
周囲も崖で降りられそうなところがないんだよな、、
「ごくっっ、、すぅぅぅ、はぁぁぁぁ、」
これはもう滑って降りるしかないよな、、
幸い崖とは言っても多少は緩やかだし、、
「すぅぅぅ、よし!!!」
そう意気込んだ新は崖にもたれかかりながら
少しずつ滑ろうと足をかけた。
「ほ、本当に大丈夫だろうな、、
高さも十メートル以上ありそうだから、
本当に落ちたら死ぬぞ、、」
そう言いながら慎重に慎重に降りて行った、、
ーーー数分後ーーー
「よし、、な、何とか降りれたな、、
ふぅぅぅぅ、やっぱ怖いなぁ、、」
ふと後ろを振り向くと降りてきた崖が
後ろに立っている。
「これでもう戻ることはできないわけか、、」
そう、この崖は降りることはギリギリできても
登るのはすごく難しい、、。
ナイフとかで刺して行けば登れる??かもしれない。
「まあ、、考えても仕方ないし、、
とりあえず先に進むか!!」
新は気を取り直して先に進もうとする。
「今日の目標はとりあえず五十キロくらい行ければ
上々かな、、?暗くなるまでは歩き続けよう、」
一様こう見えて新は陸上競技部に
十年所属していたため足には相当自信がある。
「今日はどこまで行けるかな、、」
そう言いながら新は深い森林内へと
足を進めていった。
ーーー十四時間後ーーー
とある森林内
夕方十九時十分
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、」
森林内に息遣いが響いている。
「はぁ、はぁ、まずい、日が結構落ちている、、
そろそろ休憩するかぁ、、」
そう言って新は鞄からレジャーシートを取り出した。
「テントなんて持ってこれないからな、、
レジャーシートを引いて休息するか、、」
そう口ずさみながらレジャーシートを広げて座る。
「日が完全に落ち切る前に髪と体だけ洗おう。」
新は鞄から使い捨てシャンプーとボディーソープ、
あとは水を五百ミリリットル取り出した。
「水は五百が五本と二リットルが五本、
あとはかんぱん二缶か、、節約すれば
まだ五日は持ちそうだな、」
そう言いながら服を脱ぎ、髪と体に水をかぶせる。
「つ、、つめてぇ、、」
水なのでそりゃ当然か、、
新は使い捨てを取り出し髪と体を洗う。
ーーー十分後ーーー
「あーさっぱりした!!」
そう言いながら新はタオルで体を拭き、
服と歯ブラシを鞄から取り出した。
「今日はかんぱんを少し食べて
歯を磨いて寝るか、、」
歯ブラシとかんぱんを鞄の横に置き、服を着る。
「一様替えの下着は四着もってきてるし、、」
まあ、服は臭いが、、我慢だ、、
服はかさばるから一着ずつしか持ってきてない、
それよりもかんぱんでも食べるか、、
「よっっと」
新は鞄の横にあるかんぱんを一缶とり蓋を開ける。
その中から二、三個とり、一つずつ口に入れる。
「かんぱん、、あんまりおいしくねぇ、、」
味は微妙だなぁ、、
まあしょうがないか、、非常食だからな、、
新は五個ほど口に運んだ後そっと缶を閉じる。
そしてさっき体を洗った時の残りの水と
歯ブラシを取り出す。
「シュコシュコシュコシュコ」
歯を磨いてうがいをする。
「ガラガラガラ、、ぺっっ。
はぁぁ、すっきりした!!
まあ、今日は歩きっぱなしで疲れたし、、
このまま木に寄りかかって寝るか、。」
新は木に寄りかかり周囲を見渡した。
「流石に十九時くらいになると辺りは暗いな、、
だけど暗い分寝床は悪いがすぐ眠れそうだ。」
そう言いながら新は目を閉じた。
「明日は、、、もう少し、、遠く、、まで、、
いきた、、、い、、すぅぅぅぅ、、」
新は疲れていたのか数分も経たないうちに
すぐ眠りについてしまった。
現在の徒歩距離五十六キロメートル
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???まであと百三十四キロメートル
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ーーーとある家屋内ーーー
「いーーーたーーいたーーーー」
ん?なんだ。
「いたいーーーーいたーーー」
ここは、、どこだ、、、
俺は今どこにいるんだ。
「いたい、いたいよぉ、、だれか、、だれか、」
ここは、知ってる、、
俺の実家だ、、
あの苦しんでる少年は、、俺、なのか?
「テメェみたいなクソガキが!!
親に逆らってんじゃねえよ!!
誰がお前の面倒見てやってると思ってんだ!
このゴミ野郎!!ぶっ殺してやる!!」
「痛いよ、、いた、痛いよ、
お父さん、、もう、もうやめてよ、、」
懐かしい、これは夢なのか、、
昔はよく親父を"わざと"煽ったりして殴られてたな、
でも俺にとってこれはあんまりいい気がしないな、
「痛いのか?痛がってるのか?本当に?
そんなわけねぇだろうがよ!クソガキ!!
何でお前は生まれてきたんだ?!
ゴミのくせによ!何もできない!
勉強も運動も!生きてるだけで迷惑かけてる!
そんなゴミが痛がってんじゃねぇよ!」
そう親父は幼い俺に罵声を浴びせている。
「ごめんなさい、、ごめんなさい、、」
その少し遠くで母が怖がりながら謝罪している。
妹は恐怖に怯えながらも口元をにやつかせている。
姉は、、いない、
どうやら2階に避難しているようだ。
「いたい、いたいよぉ、、たすけてよぉ、」
悲痛な叫び声と共に父の怒声があたりに響く。
この時は数時間ボコボコにされて
本当に死ぬかと思ったんだよな。
懐かしいな、、。
俺は懐かしみながら
ただただ暴力を振るわれ瀕死の俺を呆然と見ていた。
「チッ、クズが!
今日は寝るからここまでにしてやる。
明日もあんな態度とりやがったら
殺してやるからな!覚えてろ!クソガキ!」
そう吐き台詞を吐いて寝室へと父は向かった。
母も妹も
「ごめんなさい」
とだけ残し一緒に寝室へと向かっていった。
「く、あ、、、、く、、うううう、」
どうやら俺は瀕死らしく痛くて声が出ないようだ。
これは昔の自分なのに可哀想に思えてくる。
「く、、これで、きょうも、、
今日も俺だけしか殴られてない、、
へへへ、、、ざまぁ、、ねぇな、、ばかめ、」
そう言いながら体を這いずり起きあがろうとする。
「なぁ、おまえも、お前もそう思うだろ。」
ん?なんだ?こんなこと言ってたか??
「なぁ、テメェに聞いてんだよ、、
ずっと、ずっとみてただろ、、」
そう呟きながら俺の方に目を向ける。
これは夢のはずなのに、何なんだこいつは
「お、おまえ、、だれだ?!」
咄嗟に俺は昔の少年??に言った。
「俺はお前だよ。昔の悪どい腐ったお前さ、
それは一番お前が知ってることじゃないのか?
なぁ、よく思い出してみろよ。お前は昔、」
そう話そうとした瞬間一気に視界が暗くなった。
くそ、、一体何なんだよ、、
最近の俺は、なんか、、おか、、しい、、そ、、、
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日本国内 とある森林内
八月八日 早朝四時四十二分
「う、うわぁぁぁぁ!!」
うぉぉ、、、って、なんだ、夢か、、
何だ今の夢、、妙にリアルな夢だったな、
「くそ、また胸糞悪い夢見たな、、」
ここ最近変な夢ばかりで本当に困る。
「はぁぁ、、とりあえずそんなことは気にせず
かんぱん食いながら出発の準備するか、」
夢は夢、どうせ現実じゃない、、
そんなことは気にせず新は
とりあえず出発の準備をするのであった。
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※最後まで見てくれてありがとうございます※