3話 1歳
まだ肌寒いながらも雪の積もっていた冬の季節は終わり、季節は春を迎えようとしていた。
今日は家族そろって晩ごはんを食べた後、パパが何やら小さな箱を持ってきた。
と、その前にパパの紹介をしよう。
パパの名前はウィリアム。猛牛を片手で止められそうな見た目をしているが、シルフィード領の領主であり、貴族様だ。
そのパパが持ってきた小さな箱には水晶のようなものが入っていた。
それを兄さんに手渡して、魔法を込めてみろ、なんて言っている。
何それ、私もやりたい。早々にご飯を切り上げた私は兄さんの方に歩いていく。
兄さんが水晶を受け取ったと思うと水晶がぼんやり光りだした。
「流石だな、フィン。」
「ありがとうございます。」
なんて言ってるところに割り込む。
「アメもやる!」
すると兄さんはパパに目配せしてから、水晶を渡してくれた。
すると水晶は...光らないな。魔法を込めるってなんだ?かめ〇め波貯める感じか?などと、困惑してるとパパの大きい手が私の手の上に覆いかぶさってきて...
水晶が光った、パパの手からなんかくすぐったい感覚が伝わってくる!なるほど、これが魔力か。
パパの手が離れて行ってしまったので、今度は自分でやってみると、すごく微妙に光った。のに、微妙すぎて気づいてもらえない!
もっとだ、もっと光らせないと。そうだ、手だけじゃなくて全身から集めないと。ただでさせ一歳児なんだから。
おっ、だんだん光が強くなってきた。よしもう思いっきりいこう!
そうして部屋は真っ白な光に包まれ、私は意識を失った。
それから大体一週間後、パパから使用人を通してプレゼントが届いた。
どうやら魔力を特訓する何からしい。
見た目的におそらくオルゴールで間違いないだろう。
せっかくなので早速魔力を流してみる。あれ、動かないぞ。
だんだん強くしていくと、ほぼ全力のところでようやくゆっくりと動き出した。が、4秒ぐらいきれいな音が流れたところで私は力尽きた。
パッパ...スパルタすぎんか...。