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宝石使いと魔王の冒険譚  作者: 大牧さんたん
6/8

孤独と勧誘

小説や漫画を読んでて、投稿が遅れたゾイ!すまぬ!!


天龍石(てんりゅうせき)、太古の昔から君臨した龍達の秘宝とされる宝石で色はルビーの様な赤い宝石の中に赤茶色の結晶があり、物によってはキャッツアイの様に龍の瞳にそっくりであったことから龍達の中では一、二を争う程の秘宝とされていた。


 その中でも原初とされる宝石はこの世で初めて宝石として扱われた宝石で、今回のペトラの場合は初めて宝石とされた天龍石という訳になる。


 そしてペトラは自然発生した宝石精霊であるとも思えた。

 宝石精霊には二種類の誕生方法が存在して、一つ目が魔宝石を精霊などに協力してもらい誕生する人工のパターン。

 しかし、魔宝石だけでは精霊が誕生するかは精霊にもよるが、下位の精霊ではほぼ不可能と言ってもよくて、上位の精霊では三割程度、最上位の精霊でやっと五分五分とであまり良い賭けとはいかない。

 そこで俺は精霊の力が宿る精霊石と魔宝石を合成して作り出した精霊魔宝石を人工で精霊を誕生させるパターンを使用した結果、最上位の精霊ではほぼ確実に成功し、上位の精霊は五分五分以上で成功し、下位の精霊では二割程で成功できるくらいの確率にまで上がった。


 そしてペトラの場合である自然発生のパターンでは、魔力が多い土地(例...ダンジョンや魔境など)で長い年月をかけて様々な要因が合わさった結果、魔力が宝石に蓄積されて精霊が宿り、宝石精霊が誕生する感じであるが、基本的には数が少ないパターンでもある。

 ペトラの場合は原初の宝石で、長い年月を龍達と共にいれば魔力の蓄積としては十分すぎる理由である。

 そのことからペトラが龍魔法を使える事も納得が出来る。


 ただし、ペトラの力の秘密は他にもあった。

 それはペトラが原初の宝石であることである。

 原初の宝石はどのような種類の宝石でも世界で一つずつしか存在しない希少な宝石であると同時に最古の宝石とも言ってよい宝石でもある。

 これは龍や精霊、魔物にも共通する事で、長い年月を生きた者は魔力が多くなり、力も強大な物へと成長する事が学者間では当たり前の事実として認知されている。

 ペトラの場合もこれに当てはまり、原初の宝石精霊となれば精霊でいえば最上位の精霊と同格の存在である。

 そこに加えて蓄積した魔力が龍の魔力である為、最上位の精霊を上回る力を持ち、その力は精霊の王である精霊王に匹敵するくらいに強い力となっている。


「なるほど、ペトラの実力などもそれなら納得できるな」


「まあ、それを負かした貴様に言われても意味ない事だがな」


「謙遜する事はないよ、素の実力なら断然ペトラの方が強いからな。俺が勝てたのはきちんと対策をしていた事と、強力な魔法の強化によるもので、君は俺の知っている人物としては一番強いぞ」


 ペトラの実力は本物で、対策を講じずに戦えば確実に負けていたので、これも運が良かっただけだ。


「それでペトラはこの後どうするつもりだ?」


 俺がペトラに聞くと少し考えた様子だった。


「我としては特に考えてないな。基本は魔王城の管理が主で、それ以上の事は考えておらんからな」


「なるほどね......」


 それを聞いて俺も少し考えが出来たが、今はその思考を隅に置いておくことにした。


「さて、話も話もひと段落したことだしとりあえず宴に参加するとしよう」


「......一応ここ玉座の間だからな?」


「気にする必要はないだろ」


 そう言ってペトラを連れて金剛たちの宴に参加しに向かった。


『あ、マスター!ちょうどよかったつまみの追加よろしく!』


「......ペトラは自由に参加していいよ」


「なんか、どっちが主従関係かわからないなこれは」


 俺が宴に参加しようと思った瞬間にマロンからつまみの催促があったので、俺はつまみの追加を作り、ペトラは宴に参加したのであった。



♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦ 


 宴が終わり、宝石精霊達は精霊の住まう精霊界に戻って玉座の間ではペトラは俺の膝を枕にして寝ていた。

 幼い容姿から自然に手がペトラの頭に手を当てて撫でる。


「(さて、魔王城後の予定はどうしようかな?)」


 今回手に入った素材を土産に知人の鍛冶師に会いに行くのもいいし、服の修繕なども兼ねて服飾職人に会いに行くのもいい、この様にやりたいことは色々ある感じだ。


「う...ん、(みんな)どこに居るの...皆」


 そんなことを考えているとペトラの寝言が聞こえてくる。

 ペトラを見ると少し涙が流れていて、俺はハンカチを取り出して涙を拭いた。

 ペトラの思う事はある程度予想できる。

 ペトラは原初の天龍石で、宝石精霊が誕生するほど龍達と長く暮らしていたのなら、神話の出来事が本当なら悲しき出来事となる。


 神話に置いて龍は神の補佐として創造された天使、龍、巨人の三亜神の内の一つである。

 神話では天使、龍、巨人の三亜神を創造の後、神と一緒に長い年月をかけて大地や海、空と言った自然を作り出た。

 その過程で生まれたのが精霊であり、その始めが精霊王で今も精霊たちの長として精霊界に君臨している存在である。

 その後神は生命体の創造と同時に輪廻を作り、善の魂は天界、悪の魂は冥界と魂の保管するための二つの空間を作り出した。

 そして生まれた生命体は様々で、始めは動物を創造して自然の摂理と言うものを作り出し、摂理が確立したのちに知能を持つ人間を創造し文明を進めた。

 その後は人間をモデルとした亜人と呼ばれる存在を創造し、更なる発展を神は願った。

 しかし、発展すると同時に人間や亜人は争いを行う事となり、その影響は三亜神にも出ていた。

 始めは喧嘩程度と思っていた三亜神達は適当に仲裁する程度であったが、人間たちの標的は亜神達にも及び人間、亜人、亜神の泥沼の戦いが起こった。

 その中で始めに抜けたのは亜神達で、人間や亜人達に愛想尽きて亜神達は天界へと帰っていった。

 その様子を見た神はひどく悲しみ、善の心を持つものを箱舟に残し、それ以外の人間や亜人達を豪雨ですべて流して、文明を崩壊させると同時に箱舟に残った者達に『争い無き世界を頼む』と信託を残して世界は再び文明が始まり、それが今の世界の文明で言わば、第二の文明である。


 そして神話から考えるとペトラは龍達が地上を去ってから今まで、ほとんど一人で生きてきたこととなり、年月でいえば何百万と言う年月にもなる時間で、人で言えば人生の一生を一人で暮らしてきたようなものだ。

 実際ペトラと初めて会った際は興味を持ち好奇心旺盛に思えたが、前回の別れの際に感じた感情が魔力に籠っており、そこから感じたのは"孤独"を嫌がる様な感情を感じた。

 ペトラの先ほどの寝言を聞く限り、やはり今も孤独への拒絶が未だにあるのだろう。


「(何とかしたいな......)」


 そう俺は心に思いながら、ペトラを一旦膝から降ろし布団二枚敷いて、ペトラを寝かせると、魔力を感じたのは腕に抱きついてきた。

 俺は離すのもあれだと思いそのまま眠るのであった。



♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦


 次の日、朝になってペトラが目覚める。


「う...ん?」


 眠たい感じがまだしながら、何かを抱いていた感覚があるので目を開くと、抱いているのは腕の様な物で、その先を確認するとクリスの顔がそこにあった。


「・・・ッ!!」


 ペトラは自分がクリスの腕を抱き枕にしていたことに驚きと羞恥で頭がいっぱいになった。


「お、お、起きやがれぇぇぇぇ!!」


 羞恥心から行動が先に動き、クリスの横腹に拳が命中して玉座の間の壁に叩きつけられた。

 ちなみにクリスの素の身体能力では反応できない速度の攻撃ではあったが、寝ていたこともあり多少脱力で受けたのが幸いして、致命傷一歩手前で耐えたのであった。



「ああ、くそ(いて)ぇ......」


 ペトラに目覚ましパンチを受けて横腹と背中に激痛を感じながら魔王城の宝物庫への廊下を歩いていた。


「もう少しまともな起こし方は無かったのか?」


「うるさい!!起きたらあの状況になっていたら驚くだろ!!」


 その言葉には否定が出来ない。

 寝ている間に離れるかな?程度に思っていたが、実際朝まで腕が抱き枕になっていたのはある意味想定外でもあった。


「さて、ここか」


 そこは黒く重厚な扉がそこにある。

 その扉の材質はアダマンタイトで、オリハルコン(神鋼)を除けばこの世界で一,二の硬度を持つ鉱石である。

 この扉の開錠方法は【全解除(オール・アブサーグ)】と言う解除魔法としては最上位の魔法を使用するか、ペトラの魔力を認証して開く仕組みなので、今回もペトラに解除してもらう予定だ。


「ほれ、開いたぞ」


 扉の側にある認証装置に手を当てて、魔力を読み込む事扉が開錠された。


「とりあえずは今回の消費した材料の回収とするかな」


 今回の魔王城の攻略に置いて、使用した魔水晶や修理、その他費用を考えると白金貨一万枚以上からの貨幣である虹貨換算となり、虹貨十枚相当にはなると予想された。

 なので、始めに回収するのは使用した魔水晶の補充でその数二トン程が必要である。


「これでいいかの?」


 そう言って出してきたのは魔力の浸透率がほぼ最大レベルの魔水晶で、原石である為に加工しないとしようが難しいが、小部屋(五メートル四方)一つ分くらいの中にびっしりと魔水晶が出来ている物であった。


「ああ、これだけあれば数十年は大丈夫だと思うよ」


 そう言ってその魔水晶を、【アイテムボックス】の込められた魔水晶に収納する。

 次は知り合いへの土産を探して、貴重な素材や霊薬にポーションと色々と【アイテムボックス】に入れて回収をする。

 そんな感じでお目当ての品を最後の一つを残し回収が終わった。

 半日以上かけて。


「これで終わりかな?」


「いや、最後にもう一つ貰おうと思っていてね」


 そう言いながら俺は宝物庫の奥に向かいお目当ての宝石を見る。


「それはあげられないよ」


「知っているさ、だから......」


 そう言いながら俺はペトラの頭に手を乗っける。


「代わりに君を貰いたいな」


「はぁっ!!」


 そう聞いたペトラの顔が赤くなり、頭に乗っけていた手を払いのける。


「ちょ、ど、どういう事?!」


「単純に勧誘さ。ペトラ一緒に来ないか?」


 そう言うとペトラの顔が本気になる。


「本気で言ってる?」


「本気さ。正直言って君は今の状況が嫌いだろ」


「ッ!!」


 昨日の寝言を考えると孤独でいることが苦痛であることが分かっていて俺はこの発言をした。

 それに対しペトラは図星がつかれた表情をする。


「け、けど私は魔王、人類の敵である者が人前に行くわけにはいかぬ!」


「ペトラ、よく考えてみよう。魔王の姿は魔族の男だろう?ちなみに魔王の本体がペトラだとして今の君の姿で魔王って言われても一部の存在意外信じないと思うぞ」


「ぐぬぬ......」


 今の姿が少女そのものである為ペトラは否定できなかった。

 魔王を作った際これこそが魔王と言えるように魔族の男をベースに魔王と言える言動や服装を設定して、自然発生した闇の精霊にその体の中に入ってもらい魔力を龍の魔力ではなく、闇の魔力を使用する事にしたのが魔王の構造だ。

 ちなみにペトラが魔王を作った理由は誰かと触れ合いたいと思った際事が発端である。


「何、前回の別れ際に感じた魔力は放置したくないと思ったからと言う個人的なことからの提案さ。拒絶するなら無理にとは言わない」


「だが......」


「それと一緒に来るなら龍が居ると言われる場所に連れていこうと思っただけさ」


「なんだって!!」


 ペトラは俺の言葉に驚き服の襟部分を掴んだ。


「あくまで噂程度さ、本当に要るかは正直謎でしかないからな」


「言え!どこに居るのだ!!」


「とりあえず一度落ち着きな」


 そう言って一度ペトラを落ち着かせる。


「ふう、とりあえず龍が住んでいると言われているのは『天峰シャングリラ』と呼ばれる危険な山脈地帯の山頂さ」


 『天峰シャングリラ』は世界に存在する三大危険地帯の一つで、その峰の大きさは国一つに匹敵するほど広大であり三つの難所がそこにはある。

 一つ目は天峰の境には底が見えない程深い渓谷が周囲を囲っていて入ることが困難であること。

 しかも、ただ橋をかければいいだけでなく、その周辺はワイバーンの群れが多く存在している為、最低でも単独でAAランクの冒険者がパーティーを組んでやっと攻略できる感じだ。

 二つ目の問題が魔物の危険度で、天峰ではワイバーンは最下級の魔物で森の中には竜や亜竜が多く存在していて、渓谷を攻略したAAランク冒険者のパーティーが向かったとしても最悪一日で全滅する危険度がある。

 三つ目の問題が天峰で一番大きい山で、その山の標高は56000メートル程あり山自体も多くが絶壁で登山自体も困難であるだけでなく、その周辺では上位の竜がうようよしていて、絶壁を登りながら上位の竜を相手にするなんて不可能としか言えない事である。


「一人で行こうと思っているならやめておいた方がいい。確実に無理だからな」


「......」


 俺の説明を聞いてペトラは少し絶望していた。


「そこで、俺が天峰シャングリラの攻略に協力しようという感じさ」


「それでも焼け石に水だろう」


「まぁね、だが、一人で行くよりは何倍も増しだろ」


 そう、ペトラの実力は確実に世界で最上位の実力があるだろうけど、一人で三大危険地帯はそれでも攻略するのは不可能であった。

 それは過去が物語っていて、攻略しようと歴代の勇者や最上位ランクの冒険者に英雄と呼ばれる存在が挑んだが、誰一人として帰って来ることが出来ないような場所である。


「それ以前の話だけど、ペトラってシャングリラがどこにあるかわかっているのかな?」


 そう聞いて図星をつかれたように頬を膨らませていた。

 予想していた通り、知らないようであった。


「要するに協力関係になろうってわけ。俺もシャングリラには用があったし」


 俺がシャングリラに求める理由は未知の宝石の探索である。

 そもそも三大危険地帯の多くが魔力が多い魔境と呼ばれる地であり、魔境には多くの魔宝石や魔導金属が採掘できるところが存在している為、俺としては探索したいけど出来ない地帯でもあった。

 そこでペトラが手を貸してくれるなら、ペトラは龍達を探すことが出来て、俺は採掘が出来る。

 まさにWinWinと言える条件でもある。


「うーーん......わかった、着いていくとしよう」


「ありがとう。それじゃ、長い旅になるけどよろしくね」


「ああ、よろしく頼むぞ。クリス」


 こうして俺とペトラは協力関係と同時に旅仲間を手に入れたのであった。


「あ、この天龍石貰っていい?」


「アホぉ!我の本体だぞ、やるわけないわ!!」


 ついでに頼んだが、やはりダメの様だった。



大牧さんたん「うーん、12歳に見える少女が飲酒......これは何かヤバいな」

大牧涼華「問題ないでしょ?少女の姿であっても年齢で言えば(規制)歳なんだし」

大牧さんたん「それにその後は同衾と言うべきか、親子で一緒に寝ると言うべきか......」

大牧涼華「それも別に問題ないでしょ?肉体関係を持ったら問題だけど、同衾程度で騒ぐほどでもないし」

大牧さんたん「ちなみに肉体関係の場合は」


大牧涼華「ロリに手を出すロリコンに慈悲は無いギルティ(有罪)」


大牧さんたん「うーん、予想通り」

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