少女化ペトラ
今回説明が多いと思うので、少し短めです。
戦闘が終了してから三時間ほどが経ち、眠っていたペトラが目覚める。
「ん......?」
ペトラが周りを見渡すと、ルージュ、シーニィ、ウィルディス、マロン、フォン、燐、金剛、、ルナ、シュバルツの九人は酒を飲んで戦勝の宴を開いている。
そして肝心のクリスはと言うと。
『マスター、お酒まだある?』
「一応あるからこのつまみが終わるまで少し待ってくれ」
『マスター遅いよ!』
「少しは待ってくれよ、数も多いのだから」
俺は現在宴のつまみとなる物を作っている真っ最中で、宴をしている酒飲み九人分の酒を出したりつまみを作ったりと大忙しであった。
「おや?起きたかペトラ」
「まぁ、ね......?」
ペトラは何か違和感を感じたのか自分を確認しる。
身長165センチの身長に赤長髪の女性であった。
しかし、今確認すると身長は130センチくらいになり年齢でいえば十二歳くらいの少女と言っても過言ではなくなっていた。
「な、なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!」
ペトラは自身の体が美女と呼べる女性からかわいい少女に変化すればそれは驚くだろうと思った。
何故こんな事になったかと言うと三時間前に遡る。
♦ ♢ ♦ ♢ ♦
戦闘が終わり緊張が解けて俺は座りこんだ。
「いや、お疲れみんな」
『いや、金剛さん以外ほとんど活躍が無かったのだけど』
『そうだね、やったことで言ったらあの蛇さんに攻撃したくらいだからね』
ルージュとシーニィが言う通り、八岐大蛇の攻撃を妨害するために呼んだためそこまでの戦闘をしていない。
『俺としてはもう少し戦闘を楽しみたかったんだけどなぁ』
『我もだな、久しぶりに呼ばれたが、大技一撃はなっただけで面白味が少なかったぞ』
そう言って戦闘がもっとしたいフォンとシュバルツはそう答える。
『妾としては別にどうでもいいが呼んだなら酒を所望するぞ』
『あ、いいね!私も飲みたーい』
『私も賛成!お酒飲みたいでーす!』
『俺も疲れたから酒を飲みたいな』
『えっと、金剛様その、飲むとしてもあまり飲みすぎない様にお願いしますよ』
そして酒を所望する燐、ウィルディス、マロン、金剛の四人に、金剛が飲みすぎない様に心配するルナと、実に自由な事である。
「わかった、とりあえず持っている酒を自由に飲んでいいからそれでいいか」
『いいわね』『いいねぇ』『やったー!お酒だぁ』『そうだね』
『和酒はあるかの?』『ああ、いいね戦闘後の和酒は美味しいからな』
『皆さん本当に飲みすぎないでくださいね......』
酒を飲む気満々な六人に対して飲みすぎないことを注意するルナと正直ルナの存在はありがたかった。
『俺はもう少し動いてから飲むとするよ。シュバルツさんちょっとてあわせいい?』
『問題ない、金剛の奴が今回はダメだからな。よろしく頼む』
そして闘争心が未だに燃えているフォンとシュバルツは、クリスタルロードドラゴン達と戦った廊下に出ると衝撃が走った。
「(ほどほどにしてくれよ......)」
そう思いながら【アイテムボックス】と言う空間属性の魔法が籠った魔水晶を取り出して空間に縦に平面な四角い空間が現れてそこに手を入れて酒の入った箱を引き出した。
「とりあえずここにある酒は自由に飲んでいいぞ」
『おお。ありがたいそれじゃこれをもらおうかな』
『では、妾はこれを』『私はこれを貰おうかしら』『私はこれぇ』
『私はこれにしまーす!』『私はこれを』
そして自分はどうすべきと思ったルナに俺は「飲んでも大丈夫」と言うと申し訳ない顔をしながら『では、いただきます』と言ってあまり強くない酒を取り出して金剛たちの元に向かって、他の宝石精霊達と酒を飲むのであった。
「さてと、ペトラはどうしようか......な?」
ペトラが寝ているはずの場所を見るとそこには赤髪の少女がそこで寝ていた。
その少女はペトラと同じ赤い長髪をして、龍人特有の角を頭部に12歳の少女と思える体格をしている。
「(......もしかしてペトラか?これ)」
そう思った理由として一番の理由は少女の服装で、ペトラの着ているドレスと同じものを着ているからである。
「(でもどうしようかな?)」
ペトラの服装は元の二十代前半の体に合っていたドレスである為今の服装は体に合っていないのである。
「とりあえず、着替えさせてはおくか」
そう思って着替えさせようとするが、ここで少女を着替えさせることを考えると少々業が深いと思ったので、目を閉じて無属性魔法の【魔力感知】で脳内で魔力で認識する視覚にし、魔力を通常の二倍つぎ込んで【魔力障壁】を作り紫色の壁をカーテン代わりに使い、【念動】を使用してペトラの服を着せ変えた。
「よし、これでいいかな?」
そう言って【魔力障壁】を解除する。
ペトラの服装はドレス姿から少し変わり、赤いワンピースの服装になっていた。
「とりあえず、起きるまで寝かしておくか」
そう言って毛布を掛けてペトラを寝かしておく。
『マスター!つまみは無い?』
「あるけど準備するまで少し待ってね」
つまみを要求しに来た金剛の要求に応える形でつまみの準備をし始めたのであった。
♦ ♢ ♦ ♢ ♦
そして、ペトラが起きるまでにフォンとシュバルツは手合わせを終えて宴に参加して酒を飲み始めて、俺はおつまみ製造機になったのが今の状況である。
「俺も驚いたよ、目を離した隙に小さくなるとは予想外だったよ」
「それは我の方じゃ、まぁ原因は何となく予想できる」
「なるほど、一応その予想を聞いても?」
「うむ、予想として考えられるのが魔力の大量使用によって、我の持つ魔力が一万分の一くらいにまで消費されたのが原因だと思える」
その予想におれは納得する。
あの戦闘で覇王石による身体強化と同等の身体強化をして、魔法による魔剣の顕現、そして神代の化け物である八岐大蛇の疑似召喚。
これだけのことをすれば魔力が枯渇寸前になってもおかしくない。
「それに貴様は前回の時点で気づいていたと思うが、我は精霊に近い種族である為純粋な肉体ではなく、魔力体が構成されているから先ほどの戦闘で魔力を大量消費した結果、魔力消費を抑えるために本能的なもので体を縮小したという事が想像できる」
そう、ペトラの言う通り、ペトラの種族は龍人に近い姿をしているが、実際は精霊の一種と言える存在である。
それに気づいたのは前回に魔王城で魔王が討伐されて、魔王の財宝を見つけようと探索して、最後までたどり着きペトラと戦闘になった。
前回は門番は居らずそのままペトラと戦闘になり、結果は覇王石の効果時間の方が長く戦闘に保つのに加えて、今回同様強化系の魔法が籠った魔水晶を使って勝利が出来た。
そして勝利して宝物を探索した際に一つの宝石とペトラに魔力が繋がっていることに気が付いた。
その宝石を見た時は魔物の体内にある魔石の様な物と認識していたが、魔物の中にある魔石とは魔物の体内にしか存在していないので違うと物と考えた。
次の予想がダンジョンコアと呼ばれる物で、ダンジョンとは魔力が多い地域に出来る迷宮で、冒険者はダンジョンに挑み魔物の魔石を集めや素材を採取をして生計を立てる事が珍しくない。
ダンジョンコアはその最深部にあるの守護者と言えるダンジョンボスが守っていて、それを討伐してダンジョンコアを破壊することでダンジョンは攻略されてダンジョンは崩壊する。
そして例外と言えるのがダンジョンを自力で創造した存在が居る場合。
龍や巨人など一部の亜神や精霊や悪魔と言った魔力生命体が創造したダンジョンの場合はダンジョンコアが存在せず、創造した存在する限り崩壊することはない。
そしてここ魔王城の場合は一部の学者たちはダンジョンではないかと考察されていて、それが正しい場合はこれが魔王城のダンジョンコアという事になる。
しかし、そうなるとダンジョンコアとペトラが魔力で繋がっていることに疑問に思えた。
ただし、一つの存在を除いては。
「てことはやっぱり、あの宝石が本体?」
「そうじゃな、貴様は我の種族に関しては人類で一番詳しいだろう。我はあそこで宴をしている奴らと同じ宝石精霊じゃ」
「まぁ、予想通りだな。ちなみに本体の宝石も普通の物ではないだろう?」
そう宝石精霊は強力な精霊ではあるが、ダンジョンを作ることは不可能である。
ダンジョンを作れる妖精は限られていて、神代の時代から存在する精霊がやっとダンジョンを作れるレベルである為、金剛たちは強力な存在ではあるがダンジョンは作れない。
「当り前じゃ、そもそも宝石精霊が龍魔法を使うこと自体が不可能じゃ」
龍魔法、それはドラゴンの上位種である龍のみが使える【固有魔法】とも言える魔法である。
なので、ペトラの言う通り宝石精霊は属性魔法は使えても龍魔法の様な固有魔法は使用は出来ないし、宝石使いでも使用する魔法の魔力消費が半端じゃないものばかりで使用不可である。
「それじゃあ、直球で聞くけどペトラの本体である宝石について聞いても?」
「別に良いぞ、我の本体の名前は『天龍石』。その中でも原初の天龍石じゃ」
大牧さんたん「ちなみに天龍石と出てきたけど神社とかにある要石みたいな物とは別物で、この作品でオリジナル(個人的には)の宝石です」
大牧涼華「ちなみにマロンがお酒を飲んでいることについては問題ないのですか?」
大牧さんたん「今更異世界物の作品でお酒が日本と同じ成人してから飲めるのもあれだから、設定ではこの世界の飲酒可能年齢は16歳からなのでセーフです(そもそも宝石精霊だからロリババア概念と同じだけど)」