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#417 進捗と襲撃

stranded alien dawn がとても面白い……( ˘ω˘ )

 宙賊から奪った戦利品は物資が不足気味のリーメイプライムコロニーに下ろし、需要が少なめであろうと思われる航宙艦のパーツや装備類はひとまずブラックロータスに溜め込むことになる――と思っていたのだが。


『船のパーツも売ってくれないだろうか』


 一応、リーメイプライムコロニーでも航宙艦のパーツを売れないかとミミ達が調べたのがハルトムートの耳に入ったらしく、あちらから連絡を入れてきた。


「それは構わんが、またどうして?」

『食料や医療品を優先して確保した結果、機械系のコンポーネントが不足気味なのだ……』

「なるほど。うちとしては構わんよ。荷が捌けるのは良いことだし」


 つまり、スクラップパーツとして買い取りたいというわけだ。確かに船の装備に使われているパーツ類は分解すればコロニーの機能を維持するためのパーツに流用することも可能だ――とティーナとウィスカが言っていた。


「パーツとして使うなら、整備済みの完動品にする必要はないかな?」

『その方がお互いに手間は省けるだろうと思う』

「既に仕上げた分は相応の値段で買ってもらうことになるが」

『流石にそこにケチを付けるほど吝嗇家ではないさ』


 ホロスクリーンの向こうでハルトムートが笑う。うむ、イケメンというかなんというか……帝国の貴族ってのはどいつもこいつも見目麗しいな、本当に。やっぱり美男と美女が脈々と血統を作り上げてきた結果なのかね?


『ところで、先日言っていた流行病に対する有効な手立てというのは見通しが立ったのだろうか?』

「ああ、それなら既に生理学的? な仕組みの解明が終わって、他の人や種族にも適用できるかシミュレーション中だそうだ。演算は今日中にも終わりそうって話だったぞ」

『私も専門外のことなのでよくわからないのだが、それが終わるとどうなるのだろうか?』

「生体での治験を吹っ飛ばして確実性の高い結果が出るらしいから、特効薬ができるんじゃないかと思うが……うちのドクターも会話に参加させようか?」

『すまないが、頼みたい』


 ハルトムートの要請でラボのショーコ先生に通信を繋ぎ、二人の会話を邪魔しないよう聞くことに専念する。ハルトムートが求めている情報は単純で、ショーコ先生の研究結果はすぐ使えるものなのか、そしてその安全性はどの程度のものなのかというものだ。


『精度は古巣のものと遜色ないものなので、すぐに使って頂いても問題ないかと思いますよぉ。身体が入ってきた感染源に対して極めて高い免疫機能を発揮するようになるので、感染はしても症状が出ない上に、新たな感染を広げることもなくなるという感じなのでぇ』

『その特効薬は量産できるのだろうか?』

『相応の設備があるならば、ですかねぇ。うちのラボでも小規模ながら作れますが』

『どれくらい作れるのだろうか?』

『資材があればフル稼働で一時間あたり二百人分、日産で4800人分ってところですねぇ』

『すぐにでも作ってほしいが、全然足りんな……』


 ハルトムートが難しい顔をする。このコロニーの人口は凡そ五十万人という話だから、うちのラボにある製造プラントで全員分を賄うとなると軽く三ヶ月以上はかかることになる。そんなに長期間ここで滞在するつもりはないぞ。


『そりゃうちのラボの製薬プラントはあくまでも小規模なものですからねぇ。それなりの製造設備さえあれば製造そのものは難しくはないので、コロニー内で製造可能な機器を持っている企業などを探してみては?』

『そうしてみよう。どういった設備が必要になるのか、データを送ってくれないだろうか?』

『だってさ。どうするんだい? キャプテン』

「うちの優秀なドクターには俺が報いるとして、そんなドクターの研究結果と労働力を提供する俺に対する報酬は頂けるんだよな?」

『私の権限の範囲内で……なるほど、そういうことだな?』

「そういうことだな。孤児院というか施設の件をしっかり頼むぞ、お代官様」

『承知した』


 これでとりあえず行政方面というか、所謂お上の問題は片付きそうである。口約束に過ぎないが、この会話のログは記録しているからな。万が一シラを切られたら有効に使ってやるし、それすらも無視してシラを切り通そうとした日には俺も覚悟を決めよう。なに、最終的にモノを言うのは暴力だからな。カネでもコネでも単純な暴力でもなんでも使ってやるさ。さしあたっては航宙艦を用いた決闘か、あまり気は乗らないが剣での決闘って手もあるしな。


『さて、それじゃあキャプテンから何か報いて貰えるというお話のようだし、どうやって報いてもらおうかねぇ?』


 とはいえ、まずはハルトムートとの通信を切り、ニンマリと笑みを浮かべたうちのドクターのお願いをどう乗り越えるかだな。お金で解決できないかな? ダメかな? ダメそうだね。


 ☆★☆


 俺の特異な出自と体質――というか身体そのものに興味津々なショーコ先生の『研究』に彼女が満足するまで付き合い、身体的にも精神的にも大変な目に遭った。最近はクギの指導もあってサイオニック能力に磨きがかかってきたというか、実は色々できるようになりつつある。その点も含めてショーコ先生の問診という名の尋問じみた何かによって吐かされた。ちゃんと習得できるまで秘密にしようと思っていたのに……。


「ヒロ様、お疲れですか?」

「そうなのですよ、ええ」


 休憩スペースのソファでぐったりとしていると、ミミが声を掛けてきたのでそう返す。すると、ミミは俺の隣に座ってぐいぐいと身体を引っ張ってきた。俺はそれに抵抗せずにパタリと倒れ、頭は見事ミミの太ももの上に着陸。うむ、目の前にミミの大きなお胸があって絶景。寧ろちょっと触れてる。最高。精神力がどんどん回復していく気がする。


「……先を越されてしまいました」

「ふふん。今日は私のターンですね」


 ミミの膝枕に癒やされていると、クギの声が聞こえてきた。俺の弱まった精神でも感じ取ってきたのだろうか? しかし今日はミミの豪運がクギのテレパスに勝利したようである。ぷにぷにもっちりもモフモフふっさりも癒やしぢから的には甲乙つけ難い。今日のところはミミに癒やされよう。


「リンダはどうしてる?」

「はい、我が君。リンダさんはティーナさんとウィスカさんに整備について教わっているようです」

「なるほど。短い期間で何かを習得するのは難しいだろうけど、端緒のようなものを掴めると良いな」


 リンダに関してはあの二人に任せておけば良いだろう。下手に俺が関わって希望を持たせるようなことをしても仕方がないし。まぁ、リンダが俺達みたいな傭兵生活に魅力を感じてるかどうかは知らんが。実際のところ、リンダを乗せるような余裕は……余裕はあるな。必要性が無いが。


「あー、そうだ。ティーナとウィスカに剥ぎ取った装備のオーバーホールを止めるように伝えておいてくれるか? 今作業してる分は仕上げてくれて良いけど、先方はスクラップパーツというか再利用可能なコンポーネントとして引き取りたいみたいでな」

「わかりました。メッセージを入れておきますね」


 俺の頭を膝の上に乗せたままミミがタブレット端末を操作し始める。うむ、良いぞ。とても良い。何が良いとは言わないが遥かに良い。これが幸せ……いや、宇宙の真理……!


「……ミミさん、ここは一つ協力して我が君を癒やしてさしあげるというのは如何でしょうか?」


 俺の精神的な何かを感じ取ったのか、クギがミミに素晴らしい提案をする。素晴らしい提案だ素晴らしい。しかしミミ的にはどうなのか? 若干クギと張り合うような場面を見ることがあるが。


「そういうのも良いかもしれませんね!」


 アリらしい。ということは、二人がかりということだな? 良かろう、この俺は逃げも隠れもせんぞ。存分にかかってきてくれたまえ。なに? 疲れているんじゃなかったのかって? それはそうだけど、二人でサービスしてくれるってことなら精神が肉体を凌駕することって勿論あるよね。


 ☆★☆


 俺がミミとクギの二人による熱烈なサービスで癒やされ、エルマが酒をかっ食らってリラックスし、ショーコ先生が俺から得たデータやサンプルを前にニヤつき、ティーナとウィスカがリンダと一緒に剥ぎ取った装備のメンテナンスや分別を行っているその時にそれは起きた。

 というか、起きていた。


「ご主人様。下層区画の施設に襲撃がありました」

「なんて?」


 ミミ達と一緒に楽しくシャワーを浴び終えたところでメイに衝撃的なことを聞かされた俺は思わず聞き返してしまった。いや、そういうこともあろうかと思って戦闘ボットを配置していたのはそうなんだが、まさか本当に役に立つことになるとは思わないじゃないか。あの軍用戦闘ボットが四体も配備されている場所を襲うとか、俺でも躊躇するというか御免被るんだが。


「はい、戦闘ボットを配置していた施設に襲撃がありました。戦闘ボットと現地雇用の警備員二名の手によって無事撃退されましたので、ご安心下さい」

「そりゃそうなるだろうが……」

「子供達に被害は無いんですよね?」

「はい、ミミ様。現地雇用の警備員二名も含めて負傷者はいません」

「動機がわからんな……いや、物資があるから襲っただけかもしれんが」


 むしろそれ以外の動機とかあまり考えたくないんだが。施設を支援してたマフィアだのギャングだのってのは概ね壊滅状態だと言っていたし、そっち関連ではないと思うんだが……ああいや、待てよ? 支援していなかったマフィアやギャングの存在についてはそういや聞いてなかったな。そっち方面からの攻撃って可能性はあるのか? そもそも、そうでもないとあの施設が襲われること自体考えられなかったかもしれんな。支援してたマフィアやギャングが勢力を盛り返したら確実に襲撃者にはけじめをつけさせることになるだろうし。


「現地と連絡は着くのか?」

「はい。配備している戦闘ボットを通じてコンタクトを取ることは可能です」

「そうか、ならまずは事情を聞くところからだな……」


 折角良い気分だったのに頭が痛くなりそうだな。この状況ではしゃいでる跳ねっ返りかぁ……どうするかなぁ。もう面倒くさいし綺麗さっぱり消毒するか? 物理的に。

 そんな物騒を事を考えながらミミ達を連れ、俺は休憩スペースへと向かうのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新有難うございます。 欲望センサーとでも言うべき何かは相変わらず実装されてるw 幾らヒロの目が開いても予知能力を伴わない運命改変能力なので、 何でも思い通りになるわけじゃないのが良いです…
[気になる点] 追伸  このパンデミックが、誰かが仕組んだものだとしたら、それは何のために?  金儲けか? それともマグネリ子爵家に対する陰謀か?
[一言] まだ理解していない人もいるみたいです。この世界には現金は存在せず、有るのはすべて電子マネー。 たとえ携帯端末ごと奪ったとしても、すぐ足がつく。 だからこの世界には、モノ目当ての強盗はいても、…
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