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#392 待ち伏せ

どうも気に入らず久々に書いては消して書いては消してをしてしまった( ‘ᾥ’ )

 部屋でのんびりしながら過ごすこと数日。引き籠もっている成果か、この数日間は特にこれといった事件も無かった。俺達に対するイガセックの護衛は最低限にしてもらい、その鼠とやらの情報を探ってもらっていたのだが。


「人造生物解放同盟の残党、ねぇ……?」

「はい。まぁ、小物ですね」


 ブラックロータスの改修完了が二日後に迫るその日、昼前に俺達の部屋を訪ねてきたイガセックのオオタが報告にやってきた。オオタの話によると、鼠を探し始めたその翌日に怪しい動きをする人物を発見していたらしい。

 その後、あの手この手――詳細は教えてもらえなかった――を使ってその人物を調べ上げて追跡し、背後関係を洗っていたという。それで昨晩、遂にその背後関係から団体のアジトまでまるっと全て調べ上げたということで、今日こうして俺のところに報告しに来たというわけだ。

 ちなみに、今日も全身義体化マンのキラムが彼と一緒に部屋に訪れている。相変わらずビジネススーツがピッチピチだな。


「それで、対応をどうしようかと」

「どうするって言っても、そいつらってアレだよな。前にこのコロニーでバイオテロを起こしたテロ集団だよな」


 例の白い化け物がこのコロニーで大暴れした事件の黒幕がそんな名前の組織だった覚えがある。


「そうですね。テロ組織として構成員は手配されてます」

「なら官憲に通報してしょっ引いてもらうのが良いんじゃね? いくら俺が傭兵でも依頼でもなんでもなしにそういう奴らのところにカチコミとかしないぞ」

「せやろか?」

「そうでしょうか?」

「そうだよ」


 整備士姉妹が揃って首を傾げているが、俺は断言しておく。まぁ、身内が拐われたとかなら話は別だが、今回はそういうわけでもないし。宙賊が相手ならともかく、一応相手はカタギ……ってわけでもないのか? テロ集団なわけだし、連中も同じ穴の狢といえばそうなのかね。


「ではそのように手配します」

「そうしてくれ」


 ひらひらと手を振ってオオタ達を見送る。やれやれ、これで一件落着かね?


「それにしてもなんでそんな連中に監視されたんかね? あの時にパワーアーマーで暴れたのが恨みを買ったんかな?」

「うーん、どうだろうね。それなら私があの時に作った駆除用ナノマシンの方が可能性がありそうだけど。ああ、もしかしたら私がデザイナーベイビーだということが漏れていたのかな?」

「そんなことある?」

「絶対に無いとは言えないねぇ。社内にも知っている人は結構いたし」


 それで人造生物『解放』同盟の皆様がショーコ先生をお迎えしようとタイミングを窺っていたと?

 というか、そもそも解放って何から解放するんですかね。奴らに解放されるまでもなく、ショーコ先生は既に何にも束縛されていないと思うんだが。


「まぁ、いいじゃない。あとはコロニーの治安維持部隊とか星系軍に任せておけば良いでしょ」

「それもそうだな。何にせよブラックロータスの改修が終わるまではこの部屋で缶詰だ」


 エルマの発言に同意して頷いたのだが、そんな俺にミミとクギが視線を向けてきた。なんだろうか?


「あの……もう外に出ても大丈夫なんじゃ?」

「イガセックから治安機関に情報が渡っても即座に治安機関が動くわけじゃないだろうからな。少なくとも、例の集団が検挙されたって情報が出てくるまでは用心したほうが良い」

「そうですか……残念です」


 クギがぺたんと頭の上の狐耳を伏せて残念がる。そんな姿を見せられると心が痛いのだが、流石になぁ……ああいった連中は理屈が通用しないというか、何をやらかすかわかったもんじゃないからな。ある意味でセレスティアばあさんに狙われるよりも厄介な気がしてならない。

 決してクギが外に出たがっている理由が培養肉の工場見学だからとかそういう理由で却下しているわけじゃないからな。本当だぞ。


「ブラックロータスの改修も二日後には終わるわけだし、そうすればこんな窮屈な生活ともおさらばさ。それまでの辛抱だ」

「はい、我が君」


 クギがぺたんとなっていた獣耳をピンと伸ばして頷く。なんだかその目が「そうしたらお肉の工場に連れて行ってくださるのですね」と雄弁に物語っているようで辛い。そんなキラキラとした瞳を俺に向けないでくれ。連れて行った後にどれだけその目が澱んでしまうのかということを考えると心が痛い。


 ☆★☆


 警戒したような波乱もなく、遂にブラックロータスの改修が完了した。

 例のテロ集団? それなら何の問題もなく検挙されたよ。今回の一件で一人残らず掃討されたのかどうかまではわからないけど、昨晩コロニー内のニュースチャンネルで大体的に報道されていたからな。

 で、チェックアウトするために全員でロビーに降りてきたわけだが。


「待ちくたびれたよ。早くしな」

「どうして……」


 そこにはセレスティアばあさんが待ち構えていた。当然のようにニコラスとラティスも一緒だ。


「これまでの経緯もあんたの実績も把握はしたけどね。あたしはあんたの実力をこの目で見たわけじゃないからね」

「……つまり?」

「傭兵が腕を証明する方法なんて決まってるだろ? 仕事だよ」


 そう言ってババアはニヤリと笑みを浮かべて見せた。あー、見覚えある。その笑い方見覚えがあるぞ。お前ら本当に兄妹だなクソが。

 俺は心の中でそう罵りながらロビーの高い天井を見上げるのだった。

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― 新着の感想 ―
久々に読んだけど… 感想欄がキッズで溢れてる感じやw こんなんでバイバイなんて、どんな物語よんでもアウトやろなぁw
[一言] 自分 ・・・ セレス様、擁護派 "だった"んですけど ねぇ 〜 ・・・ ハァ ・・・ (溜息) 流石に傍若無人が過ぎるんじゃないですか? ナチュラルにムカつきました! 理屈じゃない ‼︎…
[一言] え? なんでそんなに婆さんにヘイト向いてんの? ただの孫を気にする婆ちゃんじゃん それが娘に婚約者を紹介された父親ムーブしてるだけじゃね?
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