プロローグ ーー変化-ー
リビングの扉を開けるとそこにはいつものようにおいしそうな朝ごはんが出来ていた。
「遅刻しちゃうから早く食べちゃってね・・おにい・・・ちゃん???
・・・えっと・・・どちら様でしょうか??」
「何言ってんだよ星名・・・お兄ちゃんに決まってるだろ??」
そういったが妹の星名は何言ってるんだこの人・・・みたいな目で見てくる。
「なにを言ってるんですか?
兄はそんなに身長は大きくないし、少し小太りだし、そんなにイケメンでもありません。」
太陽は心に大ダメージを受けその場にうずくまり今にも泣きだしそうな顔になった。
「このダメージの受け方は!?本当にお兄ちゃんなの!?」
「だから最初からそうだって言ってるだろ!?」
「それは鏡を見てから言って!!!」
妹に怒られながら太陽はリビングから洗面所へと連れていかれた。
そして・・・・・・・・・・・・・・
なんじゃこりゃ~~!?と大きな声をあげたのは言うまでもない・・・・なぜなら・・・・
なんということでしょう、163センチと男子の中では小さかったあの身長が・・・170センチくらいの高身長になり。
さらには、筋トレしてもなかなか減らず小太りと言われたあのおなかと筋肉がなくぷよぷよしていた全身のぜい肉がきれいさっぱりとなくなり、世界の陸上選手の様に見事に鍛え抜かれかつしなやかさを持った筋肉があり、もちろん腹筋はシックスパックとなっていた。
そして最後に顔である・・・大勢で遊んでいて「ええっと・・・○○だっけ?」と言われるほどに何の特徴もなかったあの顔が(うるせぇよ!!わかってんだよ!!)・・・ゲームの中の王子様ような美しさを持ち、微笑めば周りの女性が立ち眩みを起こしそうなくらい完璧で何も言うことがないそれはそれは特徴のある顔だった。(あおってんのかてめぇ!?)
そんな感じで大変身した太陽だが本人は当然心当たりがな・・・・いや一つあった・・・あの妙にリアルだった夢である・・・
「まさかあれは夢じゃなかったのか・・・??
くそ・・自分の体に何が起きたのか確認できればいいのに・・・・」
「お兄ちゃん、さっきから一人で何ぶつぶつ言ってるの?」
《ステータス表示を受託しました。ステータスを開きます》
ブォン・・・・という音を出しながら太陽の目の前に半透明のウィンドウが出てきた。
「うわっ!?」
「えっ!?何!?お兄ちゃんいきなり大きな声出してどうしたの??」
太陽の目の前にある半透明のウィンドウは星名には見えないらしくびっくりした顔でこちらを見ていた。
「い、いやなんでもないよ・・うん。」
「・・・まぁ、お兄ちゃんってわかったから私は先にご飯食べてるね。」
妹は姿が変わったことに何も質問をせずにリビングに戻っていってしまった・・・
「とりあえず・・・これが俺のなのか・・?
・・・・ゲームみたいだな・・・」
太陽は目の前にあるウィンドウを見てそうつぶやいた。
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神月 太陽 16才 男
Lv 1
HP 50/50
MP 50/50
力 10
速 10
耐 10
魔 10
知 10
運 50
・パッシブスキル
《美化》《アスリート》《暗記》《解明者》
・スキル
《ステータス》《鑑定》
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この数値は高いのだろうか・・・・・・・
あと、このスキル達はなんだ・・・・・?
《スキル《ステータス》のヘルプ機能を起動します・・・・・》
「はいぃ?」
《この世界で、大人の平均ステータスはこうなっております。》
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-- -- 21才 男
Lv -
HP 30/30
MP 0/0
力 7
速 5
耐 3
魔 0
知 10
運 8~20
・パッシブスキル
なし
・スキル
なし
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この時点ですでに大人のステータス超えてるじゃん・・・・
《スキル詳細を鑑定経由で表示します。》
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《美化》常時発動
見られる際、印象をよくする。
異性の場合、追加で好感度上昇(一部効果なし)
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《アスリート》常時発動
運動能力と動体視力、柔軟性の向上。
体をうまく動かせるようになる。
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《暗記》常時発動
一度覚えたものを忘れなくなる。
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《解明者》常時発動
謎を解き明かす。(一部効果なし)
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《ステータス》
自分のステータスを確認できる。
ヘルプ機能、イベントリ(時間停止・ソート機能付き・生きているもの不可)使用可能
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《鑑定》
全て鑑定し詳しく知ることができる。
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これはこれは・・・・ゲームで言うところの大盤振る舞いというやつでしょうか・・・・
「・・・・俺はもう知らん・・・はやくご飯食べて入学式急ぐか・・・・・」
とりあえず太陽は現実逃避することに決めた。
この後、とんだ苦労をすることを知らずに・・・・・