出発
2話目を投稿させて頂きます。
翌日(あと13日)
「チクショゥゥゥゥゥゥ!」
悲しい声が、路上に響く。
明け方まで、冒険者仲間を回り、パーティーメンバーを探し回ったが、結局誰も見つからなかった。
冷静に考えれば、みんなFクラスかEクラス死にに行くような物だと判断している、これはどうしようも無いことだった。
もう、腹を決めてソロで行く(逝く)覚悟をする。
一番出発の早い、乗り合い馬車で出発して、魔の山まで一番近い町まで3日かかる。
あせりは禁物だ。
移動中に、体力の回復と気力の回復を図らねばならない。
移動中は、乗り合わせた人達と、たわいも無い会話をしたり、外の景色を見たりしながら目的地の町に予定通り就いた。
情報収集の為、冒険者ギルドに行くとそこには、沢山の冒険者達が、ギルド併設の食堂で騒いでいる。
「ちょっといいですか?」
近くにいる、冒険者のグループに声を掛ける。
「兄ちゃん、どうした」
「マスター、この人達に、冷たいエールとおつまみお願いします」
すかさず注文する。
「兄ちゃん、わかってるねぇ」
リーダー格の男が答える。
「この辺りの事と、魔の山の道順をききたいのですが?」
エールで乾杯しながら、色々と教えてもらった。
モンスターの種類は、俺たちの町とそう変わらないが、魔の山のモンスターは、分からないそうだ、色々なモンスターいるみたいだ。
それと、歩いて2,3日はかかるそうで、野宿をするのに適した場所を、ギルドで配布している地図に記載してくれた。
とても助かる情報だ。
あと、先に出発した、ライバル?たちはこの町で泊まらず、直ぐに魔の山に出発した事も分かった。
急ぎたいが、焦りは禁物だ、ソロの自分は特に注意深く進まなければと言い聞かし、冒険者達にお礼を言い食堂を後にする。
ギルドのお姉ちゃん(自分よりかなり年上)にお勧め宿を聞くと、たまたまギルドで1部屋空いているので、そこに泊まっても良いと言ってくれたのでお言葉に甘え、明日に備えて、早く眠ることにした。
翌日(あと10日)の朝
気力、体力が充実しているのを確認して、出発する。
魔の山までは、道なりに進むと麓までいけるので、迷うことは無い。
一歩づつ進んでいくだけだ。
この日、何も無く野営ポイントに着く、まだ、先に進める時間だか、地元の冒険者のアドバイスにしたがう。
警戒しながら、仮眠を取るも、まったく問題が無かった。
次の日(あと9日)
この日も、問題なく進み、草原に大木が1本立っている。
あれが、2日目のおススメ野営地だ。
近づくと、戦った跡がある、モンスターが出たみたいで対策が必要になってくる。
このまま進もうかとも思ったがここで野営することにする、ただし、安全確保をしっかりとして。
「こんな物かな」
自分でも、性格が悪いと思う。
アイテムボックスから鳴子を付けたロープを出して周りに張り、その後に草原の草を結び付けていく、足を引っ掛ける罠をたくさん作る。
もちろん、転んでくれる所に、少し大きめの石を置いていく。
それと、まきびしを撒いておく。
その上、木に登り寝床を作り、準備終了である。
何事も無ければ良いのだが・・・
「カラン・カラン・カラン・・・」
鳴子の鳴る音で、目が覚める。
辺りは、火も消えて真っ暗のはずが、松明?を持ったゴブリン2匹近づいてくる。
鳴子が鳴ったので、周りを警戒している。
木の上には、気が付いていないので、息を殺して隠れていると。
「ギャー」
足を引っ掛け見事にころぶ、しかも、転んだ先には石があり、ゴブリンにダメージ(精神的にも)を与えた!
転んだ、ゴブリンは笑われながら、まきびしまで踏んでくれる。
声にならない声を出し、ジャンプをしているが、飛び上がる度、まきびしを踏みまくってくれる、裸足さまさまだ。
これだけはまってくれると、作ったかいが有るものだ。
かわいそうな?ゴブリンともう一匹は、足元に気を付けながら、木の上には気が付かず、退散してくれた。
戦闘にならず一安心である。
戦闘は出来るだけ避けたいと思うカイであった。
次の日(あと8日)
大木を出発して小一時間ぐらいで魔の山に到着、ここからが本番である。
山に入る前にアイテムボックスから戦闘回避グッズと水筒をリックに詰めて、装備の確認をする。
装備を確認しよう腰には短剣ではなくナタを装備する。
戦いだけで無く、雑用にも使え刃こぼれも気にしないでよい、これに、武具強化を使えばかなり戦えるはず。
だと思う。
かも。
そうだ、そう思おぞ。
普段から、ナタでも戦っているから、大丈夫だろう。
型と胸と腰には、皮の防具(初心者用)である。
当たらなければ、関係ないね!
素早さを最優先にする装備である。
こんな軽装備でも恋の為未来の嫁(予定は未定)の為に命を張るのである。
うん、がんばる!
読み選の投稿作品です。
暖かく見守ってください。