出会い
念の為R15を付けています。
「いらっしゃい!」
いつもの受付のおねーさんの声が聞こえてくる。
冒険者ギルド主催のパーティー会場での一コマである。
各ギルドが持ち回りで開催し、出会いの場を提供しているのだ。
入口で悪友を探しながら、女の子たちを急いでチェックしてくと、2か所に男たちが群がっている。
いそいで入場料を払い、人だかりの中心の女の子を見に行く事にする・・・
「よう、遅かったな」
悪友シンが声をかけてきた。
早速、聞いてもいないのに、情報を教えてくれる。
情報通だが、口が軽いのが玉に瑕な悪友だ。
奥に居る、目鼻立ちのはっきりした美少女は商業ギルドのギルマスのお嬢さんだそうだ。
見た事のある顔ばかりが、必死にアピールをしている。
そして、前方にいるのは、冒険者ギルドのお嬢さんだそうだ。
ちなみに、見た事のある顔が一人もいない???
なぜ?
「初めて見た、美人やな」
「ギルマスのお嬢さん相手ではね、ギルドのメンバーに冒険者はいなかったって事?」
「カイ、知らんのか」
「あれが噂の、青い悪魔のハイネや!」
「モンスターの返り血で、真っ青になってまで、クエストクリアした話、聞いただろう」
「この町一番の有望、冒険者様さ」
「俺達には、高嶺の花だ」
「遠慮しておこう」
人気を二分している以外の女の子たちに声をかけながら、新人の冒険者あるあるなどを話しながら、楽しい一時を過ごしていると・・・
ドアの開く音とともに、遅れてきた女の子が入ってくる。
その女の子に目を奪われる。
もろ好みの女の子が入ってきたからだ!
すかさず声を掛けようと動き出すと。
女の子も商業ギルドのギルマスのお嬢さんと合流する。
「あれは、妹さんだな」
情報通のシンが後ろから教えてくれる、いてくれて助かる。
妹さんの登場で、一気に人口密度が高くなる。
負けじと、前に出て話が聞けるポジションを確保できた。
お姉さんの名は、レイラで、妹さんの名前は、アンナとわかった。
話を聞いていると、お姉さんたちの笑い声は聞こえてくるのに、妹さんは作り笑顔にしか見えない。
浮かない顔なので、思い切って声を掛けてみた。
「何か心配事があるのですか?」
アンナがこちらを見る
「初めまして、自称☆期待の新人冒険者のカイと言います」
「解決できるとは限りませんが、話したら少し楽になるかもしれません、ご支障なければ、話してみてください」
アンナは少し考えながら思い切って、話を切り出した。
アンナの話とは、伯爵様が超レアアイテムの、ドラゴンの逆鱗を30日で用意しろということだった。
ハッキリ言って無茶苦茶である。
急いで、国内の冒険者ギルドにクエストの依頼を出し、商業ギルドにも、買い付けの依頼をするも、音沙汰が無い。
非常に困っているとの事である。
ドラゴンの逆鱗などは、たまたま、超偶然にドラゴンの死体を見つけた時に、手に入るもので、クエストで入手出来るものでは無い。
逆鱗を、持っている人も家の家宝にしているぐらいだ。
手放しはしないだろう。
お店に関わっている、アンナには解答不能の問題を、突き付けられているのである。
姉さんのレイラは、そこまで深刻に考えてないみたいだ。
ただ、次の一言を聞いて、表情が一変する。
「ドラゴンの逆鱗が入手できない場合、私が伯爵の側室に入れと」
お姉さまが出発した後に、使いの者が来て高飛車に言い放って帰って言ったとの事。
周りの人たちの表情も暗くなる、しかし、ここは俺より先に、声を掛ける冒険者がいた。
「お嬢さん、ドラゴンの逆鱗は俺に任せてくれ!」
自称でもない、本当の売り出し中の冒険者、アイルである。
「私も手伝おう」
俺の後ろから聞こえてきた声は、流れ者の冒険者アーサーである。
俺と同時に3・4人の声が聞こえてくる。
アンナは涙目になりながら、立ち上がり深々と頭をさげる
「ありがとう、よろしくお願いします」と。
急いで、作戦会議と情報交換に入る、期限まで15日、魔の山までは片道5-6日、山では情報交換をする、お互いの邪魔はしない等が決まるが、はっきり言って早い者勝ちであるし、この決め事も守られることは無いだろう。
ただし、命がけの成功率が、限りなくゼロ近いクエストであるろ、ただし、報酬(可能性)に超かわいい彼女が出来るかもしれない。
俺は、この一目惚れに賭けることにする。
このクエストに参加する冒険者たちは、アンナに一声を掛けて帰っていった。
「アンナさん、逆鱗は期限までにお持ちします。ご安心ください」
「よろしくお願いします」
アンナからの感謝の言葉を聴き終わると、ギルドを跡にすると、急いで冒険者仲間のところを駆けずり回ったカイ。
もちろん、パーティー組んでクエストに参加するために!
ただ、誰も参加してくれなくて、途方に暮れるカイであった。
「チクショゥゥゥゥゥゥゥ!」
悲しい声が、路上に響くのであった。
翌日(あと14日)、買出しには付き合ってくれるシンと出かけると、今回の話を町のみんなが知ってい声を掛けてくれる。
目は真っ赤で一晩駆けずり回って、体調は最悪状態しかも、仲間は0人どうしようか悩んでいる。
大概は、かんばれよ~と声を掛けてくれるが、中には嫌らしい声も聞こえてくるが、無視して買い物をする。
準備は大切だ。
ただ、アイルを含め下心200%のメンバーは、パーティーを各自に組み、もう出発したとの事。
心の中で、あせらない・あせらない・と言い聞かせながら、買い物をしていく。
ただ、町のみんなの話を聞いていても、アーサーがどこに言ったか判らない?
判らない者の話を聞いても仕方ないので、準備にいそしむ。
明日出発できればと思い、準備をしていく。
「じぁ、がんばれよ」
買い物に付き合ってくれた、シンと別れ部屋に帰り準備と仕込みをしていく。
出来るだけ、戦わなくて良いように準備をして。アイテムボックスの中に入れていく。
これでも、俺は転生者である、ただ、少し変わっているみたいで、大概の転生者は、神様の前では、優秀なスキルを数多く求めるみたいだが、俺は武器(神武器)を希望して武器を選んでもら、スキル(アイテムボックス)を付けてくれた。
本来の自分のスキルは、鑑定スキルなので、二つのスキルを扱うのであるが、戦闘向きではない。
珍しいスキルみたいでシンにも教えていない。
ただ、魔力が人並みあり身体強化・武具強化を使い戦う、Fランク冒険者と思っている。
それと奥の手の、神武器である。
それ以外の魔力で使える魔法は、ライティングでだけである。
大半の準備を終わらせ、最後にリュックサックに少しの荷物を入れ準備完了であるが、今晩もパーティーメンバーを求めて冒険者仲間を駆けずり回るのであった。
読み選の自分が、書いてみました。
暖かく見守って頂ければと思います。
投稿してしまった。