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遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~  作者: ヘボラヤーナ・キョリンスキー
第二章 迷宮都市の救世主たち ~ドキ!? 転生者だらけの迷宮都市では、奴隷ハーレムも最強チート無双も何でもアリの大運動会!? ~
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2-18.J.B.(11)YankeeRosita.(ヤンキー・ロジータ)


「お嬢! 丸一日どこほっつき歩いとったんや、どアホウ!」

 第一声は怒声と拳骨。それからひーひー喚くアデリアの横のアルヴァーロへ一喝し、

(ぼん)もや! お前がしっかりしとらんでどーする!!!」

 でまたゴイーンとぶん殴られる。おお、痛そう。

 

 ボーマ城塞へは河を北上の後、西へ向けての用水路を進む。かつては利用されていた溜め池が随所にあるが、管理されていない今は湿地帯のようになり、今まで以上に岩蟹や他の水棲の魔物が居た。

 その突き当たり。切り立った岩肌の上に石造りの城塞がある。

 水門の見張りへとアデリアが声をかけると、そのまま中へと招き入れられる。

 さらにその先、岸壁の洞窟の奥になかなかの広さの船着き場があり、そこで待ちかまえていた背の低い丸顔の男が、着くなり二人をどやしつけたのだ。

 

「アデリア、アルヴァーロ。みんな心配したぞ」

 もう一人、偉丈夫でスラリとした男がそう言う。口調も丁寧だし身なり振る舞いもやや洗練されてる。

 最初の丸顔の男や、喧しいばかりのアデリア達とは毛色が違う。恐らくティフツデイル王国領から来た奴だろう。しかもジェスやニキ等のような貧民じゃなく、そこそこ良いとこの出っぽい。金髪碧眼で整えられた髭。焼けてはいるが地黒ではなさそうな肌合いから、北部の出身だろうか。

「君達が二人を助けてくれたんだね?」

「まあな。成り行きだ」

「そうか、感謝する。

 俺はホルスト。警備を担当している」

 そう挨拶をするホルストは、装備は決して上等ではない物の、多くの戦歴を想像させる使い込まれたもので、金属と革の鎧に腰には長剣、背には長弓を背負っている。

 

「あちらはジョヴァンニ。ここのサブリーダー……と言ったところかな」

「はっ! 要するにこいつらの尻拭い役だわ!」

 ジョヴァンニは紹介されつつも顔を歪めてそう言って、またもアデリア達をゴイーン。

 ホルストは苦笑いだ。

 

「俺はJB。このオッサンは……」

「イベンダーだ。科学者にして商人。探鉱者であり運び屋の、砂漠の救世主だ」

 ……くそ、またこれを言われた。

 案の定ホルストは訝しげに眉を上げて目を見開くが、ジョヴァンニの方は驚きつつもむしろ楽しげに、「おお、そうか!」と答えてくる。オッサンとは気が合いそうだ。

 

 ところでピクシーのピートはというと再び俺の腰のポーチの中に戻して、用があるまで出てくるなと言ってある。勿論文句を言って来たが、残りの蟹肉薫製を取り上げると脅したら大人しくなった。今は多分寝ている。

 余談だけど、ピクシーってのは精霊と生き物の中間みたいな存在で、別に食べ物や飲み物が無くても死なないんだよな。魔力さえあればそれで良いらしい。

 そして食べたところで排泄もしない。食ったモンが実際どこに行ってるのかよく分からんけど、あいつらが飲み食いするのは生きるためじゃなく純粋に楽しみのためだ。

 だからむしろ、味にはすこぶるうるさい。

 

「しかし……うむ。どうしたものかな」

 一通り挨拶を済ませると、ホルストは腕組み。

「二人を助けて貰った事への謝礼はする。

 だが……」

「問題か?」

 ……ちと、雲行きが怪しいな。

「我々は今、外部の者を城塞には入れないことにしている」

「けどアンタ、帝国北部の出身だろ?」

「確かにそうだが、ここではむしろ古参の方でね。五年前からここの住人だ。

 その後何度か外部勢力の襲撃を受けているんで、基本として外部の者が近づけば警告して追い払うことになってるんだ。

 特に……今はな」

 

 警告……てのは、アレか?

「亡霊が出るとかッて噂は、その為か?」

 どーゆー仕掛けか分からねえが、よそ者を近づかせない為にそういう噂が流れるよう仕組んでるのか、と思ったが、どうやらそうでもないようだ。

 ホルストはやや哀しげな、ジョヴァンニはしかめ面とでも言うかの表情を見せ、

「……そうか。噂にもなってるのか……」

 と、そう言った。

 

 どうも、思ってた以上に色々ややこしい事情があるっぽい。

 昨日アデリアから聞いていた話からすると特に、だ。

 

「あー。ホルスト?

 俺達はそこの……アデリア達に、ボートの修理の他に、出来ればここで起きているトラブルをなんとかする手伝いをして欲しい、って頼まれて来てるんだけどな。

 アデリアの話じゃあ、よそで噂になってる亡霊話に関しては“特に問題にはならない”って言われて来てンだよ。

 だが……立ち入った話になるンなら事細かに聞こうとは思わねぇが、その顔はどーも“問題ない”とも、言い切れなさそうに見えるぜ?」

 

 さて、この俺の言葉にホルストはさらに表情を険しくしてアデリア達へと詰め寄る。

「彼が言ったことは本当か?」

「ほらー! 僕は反対したよ? アデリアが勝手に進めたんだからね!」

「ちょ、逃げんなー!」

「逃げてへんもん、事実やもん」

 ホルストが言い訳する二人にさらに詰め寄ると、しばらくぐずぐずと言い訳をしつつも諦めて、情けない顔で頷いて返す。

 

「けどな、調べるのは外やんか?

 別に勝手に中に入れようとしたワケじゃないもん?

 とりあえずその船着き場からすぅーー、て行って、ちゃーーって片したらええやんね?」

「いやー、そういう問題やないで、お嬢」

 そこに割って入るのは、丸顔のジョヴァンニ。

「ま、この人等はお嬢達を助けてくれた。で、もしかしたら今起きとる問題も解決してくらはるかもしれん。それはええ。

 けど、この城塞の中に無闇に外の者を入れんちゅうのはきちっとした取り決めやろ。

 中には船着き場に来さすんもダメや言うのもおるかもしれんわな。

 ほしたら、結果この人等に迷惑掛けるかもしれん。そやろ?」

 ホルストに比べるとややお調子者っぽい雰囲気もあったジョヴァンニだが、なかなかどうして、しめるところはキッチリとしめるタイプらしい。

 

「さっきも言ったが、おたく等の内輪の事情に口挟む気はないし、まあボートの修理費用と助け賃でも貰えりゃ、今すぐ立ち去ったって俺ァ構わねえ」

「あ、いや、それは困るゥ~……」

 実の所俺には俺で、この辺りへと来たのには別の理由がある。

 場合によっちゃあ後になってこの城塞内に入らせてもらいたいと言うことになる可能性も無くはないが、だとしても今は顔繋ぎ出来たならめっけもの程度の話。

「な、頼むわー。外だけ、外だけな?

 ここまで来てもろてんやし、ちょっと調べてもらうだけでも……」

 食い下がるアデリアに、ホルストとジョヴァンニの二人は顔を見合わせる。

 正直、俺としちゃあここでダラダラ言い合いをされても困る。というかさっさとどうするか決めて欲しい。

 そんなことを考えてると、このグダグダな状況をさらに面倒なものに変える人物が来た。

  

「……やッかましいわ。

 なァ~~~にをピャーピャー喚いとんじゃボケコラァ?」

 酒焼けした渋い低音が、岸壁の洞窟に造られた船着き場内に響く。

「ロ、ロジータ……」

「ママ……!?」

 そう呼ばれたのは皮のつば広帽子にベスト、ぴっちりとしたパンツスタイルにブーツという男装姿の女だ。

 年の頃は30後半か40代くらいか。アデリアの言う「ママ」というのが血縁上の実母だッてんならそんなもんだろう。

 小柄で丸顔。体格、顔立ち共にアデリアにそっくりで、仕草そぶりもやや似てるかもしれない。

 ただ、一つ。

 明らかに酔ってる。しかもタチの悪い酔い方だ。

 

「誰じゃそのヒョロっちい奴は、ああ?」

 船着き場の奥、恐らく上の方への階段があるだろう通路から現れ血走った目で俺を睨むが、アデリア達が間に入るようにして押し止める。

「ママ、大丈夫だから! 悪い奴ちゃうから!」

「アデリア達を助けてくらはった人等や。恩人や」

 またややこしい事になって来たが、要するにこのロジータというのがアデリアとアルヴァーロの母親で、自らをサブリーダーと言っていたジョヴァンニの対応からするに、ここのリーダーかそれに近い立場なんだろう。

 トップに近い立場の人間が昼間っから酒浸りじゃあ、そりゃ外の人間も入れたくないか、なーんてなことを考えていると、その横合いからひょっこりとオッサンが姿を現す。いや、どこ行ってた?

 

「お、こりゃどうも。

 俺はイベンダー。科学者にして商人、一流探鉱者にして運び屋。そして砂漠の救世主だ。よろしくな!」

 俺にはお馴染みになったイカレた挨拶。たいていは微妙な反応で軽く引いてスルーされるが、いやこのタイミングは流石にどうだ?

 そう思いロジータと呼ばれた女を見るとやはり驚いたように目を見開き、今度は急に肩を震わせ

「アニチェト……」

「んあ?」

「アニチェト! ああ、アニチェト!!」

 まるで悲鳴のように声を上げると、泣きじゃくりながらイベンダーのオッサンに抱きついた。

「ママ! ちゃうで、こん人はパパちゃうから!」

「アニチェト、アニチェト~~~!!」

 おいおいおい、さらにややこしい話になってきたぞ。誰だよアニチェトってよ……。

 

 ■ □ ■

 

「アニチェトというのは、死んだロジータの夫で、アデリア達の父親なんだ」

 ジョヴァンニがロジータを落ち着かせながら連れて行き、オッサン達はエアボートの修理作業。ちなみにさっきそこら辺をうろちょろしてたのは、修理に使える場所や道具を探してたかららしい。

 で、俺はそれをぼんやりと見ながら、長椅子に座りテーブル越しで向かい合ったホルストから事情を聞いている。

 彼ら……つまり、今現在このボーマ城塞を拠点として占拠している連中は約200人ほどの小集団で、「滅びの七日間」による崩壊、巨人族の叛乱、そして邪術士達の専横という歴史の中流転していた、元水運、海運業のヴォルタス家を中心としているそうだ。

 ヴォルタス家は元々はクトリアよりさらに東方の出身だが、そこは「滅びの七日間」以前の東方(シャヴィー)人達との戦争で逃げ出しており、二代前にクトリアへ移住。そのときに名前もこちら風に改めた。

 で、そのヴォルタス家の現当主が先程のロジータで、ジョヴァンニはその従兄弟。

 彼等は邪術士専横時代の初期にボーマ城塞へと移り、水運業での経験と所有していた船を活かして各地他勢力との連携や海産物の輸送などを担い活躍していたが、内部での勢力争いに嫌気がさして離脱した。

 その後はウェスカトリ湾にある小島やグッドコーブ辺りを拠点にしたりもしていたが、ティフツデイル王国軍によるクトリア解放後、その時点でボーマ城塞を拠点とする大きな勢力が居なくなったこともありこの地へと帰還して今に至る。


「ここにはまだ、取り残された者達が残って居てね。

 俺は元々王国軍に雇われ傭兵としてクトリアに来たんだが、色々あってここに残って居た人達と共に行動するようになっていた。

 ヴォルタス家とその一党が戻ってきたのはその頃だ」

 

 元貴族や豪族等の内部抗争に外部の野盗山賊、魔物等々との争いに、当時のボーマ城塞残留者達は疲弊し、もはや命運も尽きたかと思われていた。


「けどこの城塞は、本気で守りに入ればかなり強い。

 守り抜くだけなら、なんとかはなっていたんだ。

 問題は、食料や資材を手に入れる方法だ。

 めぼしいものは立ち去った勢力の奴らが持ち去っている。

 そこに、水路を使い様々な物資を携えて彼等が帰って来た。

 残されていた者達は喜んでその帰還を受け入れたよ」

「ここの連中にとっちゃ、正に救世主だな」

「ああ。誰もがアニチェトをそう呼んだ。

 “砂漠の救世主”とな……」

 ……なるほど、それであの取り乱しようか。


「10月ほど前だ。

 しつこくこの城塞を占拠しようと狙って居た“魔人(ディモニウム)”共の大規模な襲撃があってね。

 そのとき連中と差し違えて、彼は死んでしまった」

 

 魔人(ディモニウム)とは、主にクトリアの邪術士達の実験により「魔獣化」した人間のことだ。

 強制的に魔力を注ぎ込まれ、大半は死に、少ない者が魔力を得るも精神が壊れ、ごく僅かな者がまともな思考能力を維持したまま新たな力を得た。

 旧商業地区で情報屋をやっている“腐れ頭”なんかは、ごく僅かな例の一人とも言える。

 で、このクトリア周辺の荒野には、そういう“ヤバい”奴が頭を張ってる野盗の群れがいくつかある。

 王国駐屯軍の討伐対象として賞金もかけられているが、駐屯軍の常駐兵力ではそちらの討伐に割ける余裕は無いらしい。

 

 魔導技師……魔力、魔晶石で動く魔導具や仕掛けを作り管理する者でもあり魔導師でもあったアニチェトは、そういうタチの悪い連中からこの城塞を守る要だった。

 しかしその10ヶ月程前の襲撃のときに、彼は敵の大半を討ち果たすのと引き換えに命を落としてしまう。

 魔人(ディモニウム)が頭を張っている野盗達も、そのときの被害が大きかったこともありそれ以降大規模な進攻はしてきてしてきていない。

 

「アニチェトが居なくなった損失は大きい。何せこの城塞の魔導具類を十分に補修出来たのは彼だけだ。

 俺達だけじゃあ巧く出来ないんで、どうしてもアチコチとボロくなる。あのボートも然り、だ。

 なもんでまあ、本当の所アンタ等に来て貰えたのは有り難いっちゃ有り難いんだがね」

 そう言いつつも、どうも歯切れ悪く頭を掻く。

 俺はふうむ、と腕を組んで聞き返す。


「まあ、粗方の事情は分かったよ。しかし、どーにもこう……しっくりこねえな」

「しっくり……とは?」

魔人(ディモニウム)の件があるから外部の人間はなるべく入れたくない。

 けどアニチェトの死から、ボートを含めて城塞の魔導具の補修に人材が欲しい。

 アデリア曰く、“周辺で起きてる問題”の解決の為の手助けも欲しい。 

 それぞれに問題を纏めて解決しようとすりゃ矛盾する。

 どこかで妥協しなきゃなんねえけど……どこを妥協するかで意思統一出来てねえ」

 

 アニチェトが死に、その立場を引き継いだリーダーたるロジータがあの有様だから、と言えばそうなんだろうけども、だ。

 組織、という観点で言やあガタガタだよな。

 

「……それで?」

「ここからちょっと行ったところに、俺の仲間が待機してる。

 こう見えて、旧商業地区じゃそれなりの勢力なんでね。

 だから、“手っ取り早い解決法”には飛び付かない方が良い」

「それがどんなものかは分からないが、その“手っ取り早い解決法”をした場合の、君の考える問題点は何だ?」

 

 ホルストとの間に生まれた緊張を、俺は鷹揚に長椅子の背もたれに寄りかかり僅かに逸らす。

「あんたは悪人じゃないし馬鹿でもない。けど帝国流の喋りや物腰を身に付けていても、地金は義と情に厚い北方(ギーン)人のそれだろ。

 ジョヴァンニと打ち合わせしたのか、あんたの独断での考えかは分からんが……まあアデリアは納得しないだろうな。

 事後に説得しても受け入れる奴でも無いだろうし、あんたが“自分一人”でなんとかするには大事だ。

 結局、新たなしこりだけ残す羽目になる。そしてボーマ城塞での“内部分裂”の歴史を更新して、ただでさえガタついてるのが、さらにバラバラになる」

 

 ホルストは俺を値踏みするようにして目を細めた。

 奴はおそらく帝国流での教育をある程度受けている。滅びの七日間による崩壊後も、全ての地域が無法地帯になったワケじゃない。

 そしてその帝国流の思考からすれば、クトリアの旧商業地区……有り体に言えばスラムの住人である俺達みたいなのは、信用出来るわけもない無知無教養な野蛮人だ。まして見るからに砂漠の村育ちの南方人(ラハイシュ)の俺じゃあな。

 仮に俺達がここで内部の情報を手に入れて、それを誰かに売るなり、或いは俺達自身が良からぬ企みに利用しようとしたら?

 そう考えること自体は当然のことだ。

 少なくとも警備担当としちゃあそれくらい想定出来なきゃ困る。

 なので……俺達をここから帰さない、つまり「場合によっては監禁してでも」留めておいて補修担当とする、という手段も考える。

 “手っ取り早い解決法”として、な。

 

「……なるほど。それは貴重な意見だ」

 そしてそれらの疑念を仄めかされても、それで声を荒げる事もない。

「では、君の考える“最も妥当な解決法”は、どんなものになる?」

 さて、交渉開始だ。双方の利益の摺り合わせと、問題点の解決方法はどこにあるか……。

 

「落としどころは定期点検と補修、及び商取引だな」

 と、いつの間にかやってきて俺の横にどっかりと座ったオッサンが、そう割り込んで堂々と述べる。

「お、おい、オッサン……」

「アデリアが言うには、あのエアボートに使った濁りのある魔晶石はこの辺りの水場で拾ったんだって?」

「……え? あ、ああ。そうだが?」

 

「自然環境の中で魔晶石が転がってる、なんてことはそうはない。

 あるとしたら可能性は二つ。

 一つは魔獣の中で凝り固まった魔力が、その魔獣の死によって残される場合。

 ただ魔獣の中の魔力が結晶化して魔晶石にまでなる、というのはそうそう起こる事でもない。

 もう一つは、近くに魔力溜まり(マナプール)がある場合。

 しかもそれが澱んで濁りのある 魔力溜まり(マナプール)であれば、魔獣の発生源にもなるし、濁った魔晶石も作られる」

 

 てことはつまり……?

「この近くに、未発見の 魔力溜まり(マナプール)がある。

 それがまた、“最近この辺りで起きてる異変”の一つ、岩蟹の大量発生の原因だろうな」

 そう断言するオッサン。

 いつの間にそこまで話したんだ? ……てのは愚問か。当然、ボートの修理中にアデリア達と、だな。

 

「おいおい、てことはトムヨイ達の言ってた、最近やたら川沿いの魔獣が増えてるっつー話も、その 魔力溜まり(マナプール)が原因、ってことかよ?」

「だろうな。他の場所ならトムヨイ達も早めに発生源を突き止めてただろうけど、何せ亡霊話もあって狩人達はボーマ城塞には近づいてないから分からなかったんだろう」

 神妙な顔で聞き入っているホルストが、

「では、その発生源たる 魔力溜まり(マナプール)の位置は特定出来るのか?」

 とオッサンに聞く。

 それを受けると、ふーんむと唸りややもったい付けてから、

「ま、出来るだろう。

 亡霊と妖精の手助けがあれば、の話だが」

 

 ちょっと待て、妖精は分かるが亡霊もかよ。

 



 毎週金曜深夜に、テレビ東京系で放映しているドラマ、『SRサイタマノラッパー~マイクの細道~』のIKKUは、本作品のガンボンちゃんのキャラクターイメージの1/4くらいの元ネタになってます。

 見よう! 

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