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遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~  作者: ヘボラヤーナ・キョリンスキー
第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
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3-187.追放者のオーク、ガンボン(75)「大マジです」


 

「はぁ~、全く、参るぜ、ちくしょうめ」

 俺達用にあてがわれた小屋でそう愚痴るのはサッド。

 小屋と言ってもかなりお粗末。四方の柱に屋根を支える梁。壁は枝を張って湿地の粘土を詰めただけの脆い土壁で、屋根は葦の草で葺いてるだけ。

 

 んでまあ、とりあえず俺は、壁の真ん中あたりにあるこれまた粗末な石組みの竃で湯を沸かしてお茶なんぞを煎れている。バターと蜂蜜たっぷりの甘々な薬草茶だ。ついでにソーセージも炙ったりしてる。良い匂い。

 

「まあ何にせよ、上手くは行ったな」

「ばかみてぇな歌だったがな」

「同感だ」

 存分に歌いきった事もあり、なかなか満足げなラシードに対して、アリックさんもセロンも辛辣。まあ俺もそこには反論はありませんが、ええ。

 だが、それを受けても、

「ああいうのはなあ、あれっくらい分かりやすいほうが食いつきがいいのよ。それと、強調したいところは必ず2回歌う。これ、秘訣な?」

 と、ラシードはまるで堪えない。

「おめぇは本当に、口から先に生まれたみてーな奴だな。あの糞ドワーフを思い出すぜ」

 アリックさん、それ、イベンダーの事ですね?

 

「あぁ~~~、もう、歌のことなんかどうでもいいぜ。それよりよ、ラシード。結局これからどうすんだよ?」

 頭を掻きつつ、やや苛立たしげにサッドは話の続きを促す。

 そもそも、奴隷狩り商隊が興奮した群衆にリンチにされ殺されるのを防いだのには、大きくは2つの理由がある。

 一つは、俺達が彼らから情報を得たい、と言う理由。

 もう一つは……どうしてかサッドが、彼らの処刑を嫌がっていたからだ。まあ俺だってリンチ殺人の現場なんか目撃したくはないけどね。

 

 俺はサッドの事をあんまりよくは知らない。

 ただまあ、なんとなくのぼんやりとだが、どちらかというと意地の悪いタイプで、決して優しさや慈愛に満ちた人物ではない……とは思っている。

 だから彼らの処刑を嫌がる理由もそう言うある種の人道的なものではないとは思うが、じゃあ何かと言うと、やっぱり分からない。争いやもめ事が苦手、てな性格と関係するのかな、と思うぐらいだ。

 うん、俺、疾風戦団の人たちのこと、だいたいほとんど知らないな。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 奴隷狩り商隊の面々を捕縛し、さてこれからどうするのか、と言う話になったとき、サッドがなんとも煮え切らない態度だったことからラシードが理由を聞くと、

「こいつら連れて帰ったところで、結局は処刑しなきゃならなくなるんだよなぁ~……」

 と、嫌そうな声で吐き出した。

 それを聞いて

「……もしかしてオメェ、あれか? 血生臭いのが苦手なタチか?」

 と、アリックさんが聞くと、

「べ、別にそーゆーワケじゃねぇけどよ!!」

 と、慌てたように反論する。

 

「じゃ、どーゆーワケだよ?」

 さらに食い下がるアリックさんだが、

「お、俺ぁな、戦いの最中で命のやり取りになる事ぁかまやしねえんだよ。

 だがな、戦い終わった後に、そのー、なんだ。こう、寄ってたかってなぶりものにしてぶっ殺すっ……てなぁ、趣味に合わねェんだよ」

 と、やや早口で返す。

 

「それは俺も同感だな」

「確かに」

 ラシードとセロンはそれぞれに同意し、俺もまあ、流れでコクリ頷く。

 

「それに俺は基本的には遵法精神に富んでるのよ。

 こっちを殺しに来る奴と戦って撃退するなぁ問題ねえが、戦えなくなって捕縛したやつを勝手に処刑するってのはあんま気分がよろしかぁないね。

 そーゆーなぁよ、然るべきところで正式な法に則りやるもんだ」

 と、ラシードが続ける。これも、あまり良く知らないながらもなんとなく意外に思える言葉だ。

 

「だが、ここのその“然るべきところ”ってのは、ヴェロニカ・ヴェーナとか言う奴なんだろ? そして、恐らくこの者達の背後に居るのもそいつなんだから、この者たちがその、“然るべきところ”での“然るべき罰”を受けるということはないのではないのか?」

「うぉ、痛いところを突くねぇ~」

 セロンの突っ込みに、ラシードがまた軽くそう返す。

 

「まあ、だからとりあえずは、“ここの流儀”に則ったやり方でいくさ」

 不敵に笑ったラシードは、近くに置いておいた厳重な鍵のかかった綺麗で高価そうな小箱を手に取る。もちろん、彼ら奴隷狩り商隊の馬車の一台にあったものだ。

 それをほい、とアリックさんへと投げて寄越し、

「開けられそうか?」

 と聞く。

 アリックさんは裏も表もじっくりと観察してから、

「めんどくせえ仕掛け鍵ではあるが、まあ不可能じゃねえな。けどそれよりこいつは多分魔法の守りもついてるぞ。そっちは俺の手には負えねぇ」

 と返す。

 

「なら、俺の出番だな」

 そう言ってサッドは小箱を奪うようにして受け取ると、兜の面を下ろしてから腰のポーチから何やら取り出す。

 それは幾つかの鍵のつけられた鍵束で、小箱と鍵とを交互に眺めてからその一つを手にして慎重に小箱の鍵穴へあてがう。

 

「お、おい、そりゃもしかして……」

「おう、魔鍵だよ」

 アリックさんの驚きに、サッドがそうさらりと返す。

 

 魔法の鍵と呼ばれるものにもいくつかの種類があるのだけど、これはその中でも特にシンプルなものらしい。

 イベンターに言わせると「非常に簡単なパスワード制の鍵」みたいなもので、ある特定の魔力の波長の組み合わせを錠前と鍵として組み合わせて作るのだとか。

 その、「鍵となる特定の魔力の波長」がつまりパスワードみたいなもので、その鍵となる波長を、例えばアラビアンナイトに出てくる「開けゴマ!」と言う呪文のようなものにするか、特定のアイテムに付与しておくか、あるいは魔術師であれば自分自身がその魔力の波長を作り出し触れることで解錠するように設定するとか色々。魔術師じゃなくても、持ち主の魔力にのみ反応するように魔導技師に作ってもらう、てのもある。

 魔鍵と言う魔導具は、その鍵となる特定の魔力の波長を作り出して魔法の鍵を開けてしまう物だそうだ。

 イベンダー風に言えば魔法の鍵にハッキングするアイテム。束にして数本あるのは、そのベースとなる魔力の波長や属性のおおまかな種類によって何本かあるから。

 鍵穴の魔力により微調整が必要で、必ず合うモノがあるとは限らないが、古代トゥルーエルフ遺跡の探索なんかでは大活躍するし、今回みたいに簡易的ながらも魔法の鍵を使っている小箱程度ならだいたいいける。

 

「よーし、いけたぜ」

 サッドの開けた小箱には、何枚かの羊皮紙の書類に貴金属宝石類、金属の棒等々。

「ふんふんふん、ふ~ん……、なる程なる程……」

 ラシード、そしてサッドは、それぞれに内容物を確かめ、うんうんと頷いている。

 

「何なんだよ、そりゃ? 宝石とかは良いけど、特にその変な棒とかよ」

「これがこの商会の奴隷印だ」

 奴隷印?

 

「ま、要は焼き印だ。その奴隷の経緯や所有者が分かるよう、身体に焼き印をつけるのよ」

 うへぇ、イヤだなぁ。根性焼きか。

 

「さて、この商隊は……他領で捕まえたり、流民になったりした者を捕まえて……これ……この印は?」

「犯罪者……だな。同じのをつけられてる奴は、ウチにもけっこう居る」

「犯罪奴隷の奴隷印を押して居た……てか」

「犯罪者でもないのに、か?」

「これがそいつらの手だ。

 犯罪者ってことにしとけば年季のある一般奴隷より酷使できるし、本人が何を言っても取り合って貰えねぇ。

 他領で無理やり捕まえられて連れてこられた……なんて言った所で、犯罪者が嘘をついてる、としか思われねーしな」

 なんともめちゃくちゃな話……とは思うが、考えてみれば昔の帝国時代とかも、帝国領以外の土地へ行ってその地の“蛮族”の集落を襲っては奴隷として連れてくる、みたいな事は普通にされていたらしい。異文化圏を対等な交渉相手としてではなく、安易に見下してもめ事を起こす……てのは、前世でも良く聞かれた話だ。

 まあそれでエルフやオークと衝突して、初期の帝国はかなり痛い目に遭っているはず。そんで、そちらで奴隷狩りがやりにくくなった結果、クトリアとも組んで、南下して獣人達を狙うようになったんだっけかな。

 それに、まだ相手を良く知らず、“蛮族”と見做して居たときにそう言う事をするのと、領地外とは言え同じ人間、同じような……あー、知的生命体? とにかく、対等に交流の出来る存在だと分かった上で、暴力で捕まえ奴隷にする……というのは、やっぱりちょっと違う。やっていること自体が同じようでも、だ。

 

「ま、とにかくそんなにおおっぴらにはしてないが、それでも“無理やりボコって連れてきた誰かに、犯罪奴隷の焼き印を押しちまえば奴隷にできる”てのが、ヴェーナ領の“合法”なワケだ」

 ラシードのその言葉に、アリックさんもセロンも苦々しい顔。

 

「なら……こうするってのもアリではあるよな」

 

 ◆ ◆ ◆

 

 今、この湿地帯の“闇エルフ団”拠点で、縄でくくられ縛られたまま簡素な檻に閉じ込められている元奴隷狩り商隊の面々は、背中側の首の付け根と肩の所に痛々しい焼き印がある。

 もちろん奴隷印だ。

 彼らは彼らの持って居た奴隷印の焼き鏝で、首の裏側と肩に印をつけられたのだ。

 つまり、このヴェーナ領内においては、公的に彼らはラシード所有の奴隷、と見なされることになる。

 まあもちろん、ラシードの目的は彼らを奴隷にする事ではないし、また、彼らを良く知る誰かに会ってしまえばどうなるかは分からない。ただ、彼らがヤケを起こして一か八かで逃げ出そうとすることは防げる。奴隷印が付けられている限り、逃げ出した先でも脱走奴隷として扱われる。そしてそういう脱走奴隷がどういう扱いになるかについては、彼ら自身が十分に理解しているのだ。

 

「まず、さっきも話したが、俺達の目的は、クリスティナの捜索だ」

 ラシードの言葉に、サッドは妙に改まった顔付きで聞く。

「タルボットに俺……。あとはクリスティナだけ……って事だな」

「ああ、だな。タルボットはなんでか、イベンダーと改名してるらしいけどよ」

「何でだ?」

「知らん」

 それがタルボットの前世の名前だから……と言うのを知ってるのはここでは俺だけ。

 

「今、一番可能性の高い情報が、転移門で行ってしまった先のクトリア古代ドワーフ遺跡に居た賊に捕えられ、“毒蛇”ヴェーナ領まで運ばれた……と言うものだ」

「どのくれぇ確かなネタだよ?」

「正直難しい。タル……イベンダーによりゃあ、同じように賊に囚われたあいつが生かされてたのは、ドワーフ合金遺物の加工、改修ができそうな奴だから……ってことらしい。

 賊どもがクリスティナを“ただの女”として見てたなら、扱いも粗雑でどーなったもんか……だが、もしイベンダーのような利用価値を認められていたら? つまりは、クリスティナが光の魔力に長けた、“聖女候補”だったと知られれば……?」

「……貴重で高価な奴隷、って扱いになるってか……」

 魔術が使えるほどの魔力適性がある、というだけでも、人間社会では珍しい。まして光属性、さらには“聖女候補”と認定されるほどとなれば相当だ。

 

 そしてそう言う“貴重な”奴隷となれば、売られる先も限られてくる。

 

「タ……イベンダーによりゃ、その魔人(ディモニウム)の賊の背後にゃあのヴァンノーニ家が関わってたらしい。

 その線で考えりゃあ、魔人(ディモニウム)からヴァンノーニ家、ヴァンノーニ家から“毒蛇”ヴェーナ……てなのは、考えられなくもない流れだ」

「……かもな」


 それぞれに視線を合わせ頷き合う、俺含めた3人。

 

 だがそこで、はっ、と大きく息を吐いてから、サッドが改まってはっきりと言う。

「だがよ、そりゃあどうしてもやらなきゃなんねぇ話か?」

 むむ!? と、鼻息荒く前のめりに食い下がろうとする俺を左手で制して、

「まあ聞け。

 そりゃ、無くもない線だたぁ思うぜ、その話はよ。だが、あくまで“無くはない”って程度の話だ。

 今のヴェーナ領の状況は今まで話した通りだし、王国領はもとより、行った事ぁねえが、お前の行ってたっつうクトリアなんぞよりはるかに“危ねぇ”。魔獣だの山賊だのゴブリンだのってな話じゃねぇ、“毒蛇”ヴェーナ自身がヤベェんだよ。

 正直に言やな、俺はあれより魔獣が増えて来てたとしても、あのまま“鼠”のマーヴのところに居た方がマシだったとも思ってるぜ」

 なんともにべもない。

「同朋が捕らわれ、奴隷にされていても知った事ではない……と言うのか?」

 そのサッドの物言いに、真っ先にそう返すのはセロン。レイフ曰わく、ダークエルフ流の考え方からしても、さらにある種の身内意識の強い前氏族長ナナイさんの影響もあるケルアディード郷の若手は「苦難に遭っている同朋が居れば助けるのは当然」と言う意識が強いらしい。それは一見するとダークエルフとしてはチャラい若者っぽく見えるセロンやデュアンとて例外じゃないのだそうだ。

 

「おい、その前にお前誰だ? 新入りか?」

 セロンに詰め寄られたサッドは、今更ながらそう聞き返す。あ、いやまあ、そうだよね。


「セ、セロンは、闇の森ダークエルフの、協力者」

「闇の森ぃ?」

「あー…… お前とクリスティナ達が行方不明になったあと、まずは闇の森に捜索隊を派遣したんだよ。で、その時にちょっと異常なゴブリンの集団とゴタゴタあってな。それ以降協力してもらっている」

 ラシードの簡潔な説明に、

「そうかい。つまりは部外者ってこったな? コッチの若造と同じで」

 コッチの、とはアリックさんのこと。

「ふん、だからどうした? お前に関係あるのか?」

「ああ、あるね。大いにある。いいか、世間知らずの青瓢箪。これは俺たち疾風戦団の問題だ。

 今このヴェーナ領で、奴隷絡みのことを探るってことはな、場合によっちゃあ俺たち疾風戦団が、一辺境伯の“毒蛇”ヴェーナ相手にケンカ売るってコトにもなるんだよ。

 その覚悟があって、ヴェーナ領で奴隷にされてるかもしんねぇって言うクリスティナを探しだそうって話なのか? って事だ」

 

 サッドの……この言い分は確かにそうだ。

 辺境伯は元もと旧帝国時代にその領土の周辺に睨みを利かせる為に置かれた各方面軍司令官。つまり生え抜きの軍人派閥。まあ今はマーヴ・ラウルみたいな評価の低い者も居るには居るが、何にせよ“強者揃い”を売りにしているとは言え、本来なら疾風戦団ごときが相手どれるような存在じゃない。

 だからこそ……だ。

 

「問題、ない」

「あぁ? 何だって?」

「問題ない。これは、疾風戦団の任務、じゃない。俺が、個人的に、クリスティナを、探す」

 俺はそうハッキリ断言する。もし疾風戦団が捜索を断念したとしても、俺は1人で続ける。

 

「はぁ? 何言ってンだこの料理番? いや、そもそもな、ラシードはまあ分かるがよ。何で荷物持ちの料理番のテメーがノコノコついて来てんだよ? だいたいテメー、そんなにクリスティナと関係あったか、ああ?」

「おい、いくら昔馴染みだからと言って、ガンボンを侮辱するのはケルアディード郷ダークエルフとして許さんぞ」

「だからおめーは部外者だろ!」

「待て待て待て、ガチャガチャ言ってっけど、その前に俺はそのクリスティナとか言う女助けるの何のとは無関係だからな。俺はあくまで道案内のガイドで雇われただけだ。アホみてーな一座に扮したのも身の安全の為で、その女探しに行くんなら俺は金もらって別れるからな」

「勝手に去れ、知るか」

「臆病者のお前などアテにしてない」

「はぁ!? ざけんなよテメー、ここまでやって来れたンは、全部俺のおかげだろーがよ!?」

 

 ああ~……ちょっとちょっと、ち、ち、ちみたち、け、喧嘩はお止めなさいよ!?

 

「おーう、そうだ。

 アリックにはそうとう助けられてんし、そもそも救出そのものには参加しないって条件で案内役を頼んでんたから、そこまで要求するモンじゃねぇぜー」

 その揉めてる真ん中へと割って入りつつ、ラシードが言う。

 

「あとなー、サッド。いや、お前の知らん間に、この料理番かなーり大活躍しちゃってンのよ。俺も知らん間に、だけどな。

 だからケルアディード郷じゃ英雄扱いだし、クトリアでも知る人ぞ知る……てなモンだ」

 改めてそう説明されると、何だかちょと……いや、かなり恥ずかしいかもしれない。

「はぁ? おい、ちょっと待て、それマジで言ってンのか?」

「おう、驚いたことにマジもマジ、大マジだ」

 大マジです。

 

 周りを見回すサッドは、セロンにアリックさんと見比べる。

「異形のゴブリンを頭とするゴブリンの群れ100近くを、ほぼ1人で無力化し、我らの氏族長を含めた多くのダークエルフを救った」

「……俺は直接は見てねーがよ。クトリアじゃあのザルコディナス三世の怨霊が復活して、王国駐屯軍まで出張る大騒ぎになったんだが、そこで現れた闇の魔物相手にかなりの大立ち回りしたらしいぜ」

「マジかよ……?」

 大マジです。

 

 いやまあ、自分でも改めて思い返すと、「マジかよ……?」って思うけどさ。

 

 サッドはかなり胡散臭さげな顔で俺を見て、周りを見て、さらにもう一度俺を見る。見るが、当然納得してる風には見えない。

 

 が、そこへ、

「───ま、そのダークエルフ郷での大英雄で、クトリアでも語り継がれる程の活躍をした、勇猛なるオーク戦士のガンボン様がいるからこそ、次の手も考えられるってことだ」

 と、ラシードの言葉。

 

 ふへ? 何の話? 

 何の話かよくわからないけれども、今までのゴタゴタしたすべてをこれで解決と言わんばかりのラシード。

 いやいや……何の話?

 


 


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