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遠くて近きルナプレール ~転生獣人と復讐ロードと~  作者: ヘボラヤーナ・キョリンスキー
第三章 クラス丸ごと異世界転生!? 追放された野獣が進む、復讐の道は怒りのデスロード!
222/496

3-22.マジュヌーン(精霊憑き)(22) -ウワサの真相


 

 

「なあなあ、聞いた? やっべー話!」

 昼の休憩時にそうはしゃいだ声で聞いてくるのは足羽の奴だ。

 身体能力的には未だに一番低いくせに、魔力の扱いが上達しまくり、対戦成績は上位になってる。

 格闘、白兵の訓練は新たな局面に入り、組み合わせによる総当たりで戦績を書き出していて、それが最終的な審査に関係するのではないかと思われている。ついでに言えば、先輩団員や出入りの連中の賭の対象にも、だ。

 

 で、成績上位の足羽はこのところ調子に乗っていて、今まで以上……いや、前世以上に脳天気ぶりを発揮している。

 見た目の良さに【魅了の目】も加わり、ここでの評判、評価も上々。出入りの隊商やなんかも融通を利かせてくれるし、噂話も方々から集めてくる。

 

「知らねーよ。俺のところにお前以上の情報が入って来るワケねーだろ」

 足羽とは真逆に、俺の方は立場も評判も下の方。どうやら猫獣人(バルーティ)基準の魅力においては、匂いと毛並み、またその色合いのバランス、コントラストなんかがあるが、その基準でも俺はあまり好感のもたれる方ではないらしい。猫獣人(バルーティ)社会で生きてきてない俺にはいまいちピンとはこない。

 で、もう一つの猫獣人(バルーティ)の評価基準である“強さ”においても、新入り候補の中で中程度をキープしてるだけで、その上「戦い方が汚い」という評判までついてきてる。

 武人気取りのブルドッグ男なんかは、身体的には明らかに俺より上。だが戦績としては俺とそう大きな差はない。その理由はとにかく俺が相手の弱味、弱点、急所を狙い、不意をついて叩きのめすという手を使いまくるからだ。

 

 この点が、まずブルドッグ男を筆頭に犬獣人(リカート)にはあまり好かれていない。もちろん連中もこういう手を必ずしも使わないワケじゃないが、基本は正々堂々、力と力のぶつかり合いを好むのだそうな。

 猫獣人(バルーティ)はどうかというと、それらの手を卑怯卑劣と毛嫌いしてる、というのはあまりない。だがなんというか猫獣人(バルーティ)というのは、戦いの中にもある種の遊び心、美意識のようなものを求めるところがある。

 

 例えば白猫。あいつは踊りのように優雅に舞う事を信条にしていて、「見ていて美しい戦い方」をする。

 シーリオで足羽に運悪く敗れたチーター野郎も、後から聞いた話だと“突風”の二つ名を持つ男で、ああいう一気に距離を詰めてぶっ倒す、というのをスタイルにしていたらしい。

 このスタイル、というのが猫獣人(バルーティ)の戦士的には重要で、要するに俺の戦い方には「地味で面白味もなく華がない」と。

 

 なもんで、持ち前───前世からの社交下手に、猫獣人(バルーティ)として、また戦士としての魅力の無さが加わり、ここでの評判は下から数える低ランク。

 とは言え個人主義の猫獣人(バルーティ)たちは、気に入らない奴を集団でいじめるなんて真似はしないのだが、魅力もなく興味のない相手にはシンプルに冷淡。

 なので実のところ俺に話しかけてくるようなのは、足羽か白猫、稀にブルドッグ男くらい、という孤立ぶりだ。

 

 で、その数少ない話し相手である足羽だが、

「悪っ魔の~喉~♪」

 何が嬉しいのか、アホみたいな表情を作ってそう言ってくる。

「何だよそりゃ」

「そーの場所は~入った者は二度と戻らぬぅ~~~悪魔の~~住処~~~♪」

 喉なのか住処なのか分からねーけど、まあとにかくヤバい場所のことらしい。が……それはそれとして、こいつ前世でもアホはアホだったが、アホの方向性が変わって、しかもアホ度合いがさらに上がって来てる気がするな。


「あー、知ってるヨー。ここから半日くらいの所にある大きな穴だネー」

 白猫が言うには、隊商連中の間に伝わる「絶対に近寄ってはならない危険区域ワースト10」にはランクインする難関名所の一つらしい。

 深さとしては5、6メートルくらいの円形の大穴だが、その形状が上に行くほどにオーバーハング、つまり断面図的には穴の形が玉ねぎみてーになっている。

 なので、間違ってその中に落ちると、登坂で上に戻るのが難しい。

 さらには底の方には毒ガスが常に少しずつ吹き出す小さな穴が幾つもあるらしく、長い間居るとそのガスで体力を奪われて死んでしまう。

 まー、そりゃあ確かに聞くだにヤバそうだ。

 

「けどさー、そーゆー風になってんならさー。意外とお宝とかもあるんじゃねーのー?」

 呑気そうにそう言う足羽だが、考えてみりゃ空を飛べる足羽的には「決して出られぬ」場所じゃーねえな。

「お前なら毒ガスさえなんとかすりゃ問題なさそうだな」

「え、やっぱ? だよね、だよねー?」

「で、死体から遺品を剥ぎ取ってくる……と」

 そう返すとそこでようやく、うぇー、と嫌そうな顔をする。

 

「けど、それ狙いで行くヤツもたまに居るらしーけどもネー」

 なるほどな、そして新たなお宝をそこに置いていく……と。

 

 

 で、こんな話を足羽が色々集めているのには一応理由がある。

 この“獅子の谷の野営地”へと来て、新入り候補として訓練を受け始めておよそ一ヶ月半程度。

 最初に三人が失格になって以降はずーっと訓練続きで、誰が入団出来、誰がまた失格になるのかが見えてこない。

 その中で信憑性定かならぬ噂として囁かれているのが、近いうちに最終試験があるだろう、というもので、その最終試験は実地訓練、つまりどこかしらの危険のある場所へ行き、試練を与えられるのではないか? ということ。

 例えば凶悪な魔獣退治。例えば何かしらのお宝の獲得。叉は、とにかくヤバい難所からの帰還。

 

 で、その場所がどこになるのかという予想を立てる為、足羽他数名が様々な場所の情報を集めている。

 今まで候補に上がったのは他に、火を吐く蟻の巣穴があると言われる灰溝の蟻塚砦、悪霊怨霊が巣くうとされるドニシャの廃神殿、食屍鬼がうろつくという呪われた廃都アンディル等々。

 叉は実際にある区間を隊商の護衛として働いてみるのでは? という意見もある。隊商護衛の仕事は、“砂漠の咆哮”にくる依頼の中でも最も需要があるそうだしな。

 

 まあ試験前にヤマカンで出題範囲を予想しておきたい、みたいな心理はどこの世界も大差ないというところか。

 ただこれも傾向としては猫獣人(バルーティ)の方がそんなに気にしてないヤツが多い。

 俺は……というと、まあ、そうだな……。

 どーもこう、その辺を気にする気になれねえ。

 それよりも、ヒジュルのあの言葉。それが引っかかっている。まるで喉の奥に刺さった魚の骨みてーにな。

 

『怒りを引き出し力に変えろ。だが怒りに飲まれるな。その怒りを上手く扱えるようになれれば───貴様は今以上に強くなれる』

 

 怒り。ヤツは俺の魂の奥底には怒りがあると言う。

 それはヤツの推測を借りれば、俺が静修さんに邪魔者と見なされ、突き落とされ、見捨てられた事への恨みではないか───そう言っている。

 そうなのか? 

 俺はそれを、心の奥底に押し込めて、見て見ぬ振りをしているのか?

 ───分からない。

 

 確かに、言いたいことはある。いや、あるはずだ。何を言いたいのか言葉にすることは巧く出来ねえが、あのときに静修さんが「初めて自分の気持ちに正直になれた」というのなら、俺はまだ───それすら出来てねえ。

 俺はずっと、静修さんの力になりたかった。出会って、弟として親しくされ、最初は反発していたが、それでもいつの間にか信頼するようになった。

 

 

 ───記憶の底を掘り返す。

 

 最初に出会ったのは、俺たちの祖父に当たる人物の葬式でだ。普通の感覚なら自分の父親の葬儀に本妻と愛人、そしてそれぞれの子を同席させるなんてありえねえ。だが静修さんも言った通りに、あの町、あの市は完全な宍堂王国だ。

 俺たちの祖父に当たる宍堂静寿郎が当主として生きていたときは、流石に愛人を本家の近くにおいておくなんて出来なかった。

 だがそれがおっ死んで、自分が当主となってタガが外れた。まあ、徐々に、てなところだけどな。

 でかい敷地の離れに俺たち母子を住まわせ、堂々と愛人の方へと入り浸る。当主には絶対刃向かえないという時代錯誤な因習に身も心も染まりきった一族の連中は、陰でぶつくさは言っても表だった非難はしない。

 

 そんな所に住むように取り計らわれても、俺からすりゃあただただ居心地悪いだけでしかない。だが俺たちの父、宍堂静太郎という男はそんな当たり前のことも分からない……いや、分かったところで気にもかけない男だった。

 自分の我が儘、欲望を押し通し、それによって我慢を強いられる人間が多ければ多いほど、自分の権力の強さを実感し悦に浸れる。そんな人間だ。

 そんな針のむしろで暮らすこと5年ほど。俺が中学に入った頃にお袋は死んだ。心労が祟ったと言えるのか知らねえが、まだ三十代半ばになったばかりの頃だ。

 父、静太郎は愛人を亡くしたことには気落ちしたが、それを機に完全に俺への興味関心も無くしていった。いや、元々そんなもんはなかったのだが、それを取り繕う気すら無くしたと言うことだろう。

 そのお袋の密やかな通夜の夜に、俺はただ一人棺の前で座り続けていた。誰もお袋の死を悼む者は居ない。静太郎すら、新しい愛人の別宅へと泊まりに行っていた。おそらくそこで、「愛する者を失った可哀想な自分」に浸り、新しく若い愛人に慰めて貰っていたんだろう。

 何よりも俺自身、果たして本当に母の死を悲しみ悼んでいたのかは分からねえ。

 お袋は、今思えば弱い女だった。静太郎という男に依存し、その寵愛を得ることだけしか考えられなかった。そういう生き方しか出来ない人間だったんだ。

 俺のことも静太郎の気を引くための道具としか考えられなかったんじゃねえかと、そうも思う。

 だがその事で俺がお袋を恨み憎んでいたかと言うと……多分、それは、そうじゃねえ。

 

 そこに、静修さんが来た。

 まだ静修さんの親切を半分以上疑って居た俺は、その姿を見て行き場のない怒りを爆発させた。

 何しに来たと怒鳴りつけ、殴りかかりボコボコにしかけたが、静修さんは反撃もせずにただ、「お見送りに来た」とだけ言った。

 それを聞いて俺は、ただただしがみつきながら泣きはらした。

 

 それからだ。俺が本心から静修さんを兄だと思い、また静修さんのために生きようと決めたのは。

 だが、その思い、その言葉、その願い───それら全ては、嘘だった。いや、嘘の上に成り立っていた。

 

 怒り───。ヒジュルの言う怒りの根元ってのは、それら全てのことだろう。

 そりゃあ本当に怒りなのか? それは静修さんや他のクラスメイト達へ向けられたものなのか?

 やりきれない、虚しい、希望がない。そう感じていた事もある。取り残されナップルの所に居たときは、まさにそういう感情で無気力になっていた。

 怒り───か。

 もしこれが怒りだっていうなら……俺は、そうだ。俺は、怒りを無視はしていたかもしれねえ。けど、抑えつけていたんじゃあない。

 

 ▼ △ ▼

 

 最終試験の噂が囁かれてから暫く経つ。それでも日々同じような、相変わらずのハードなトレーニングが続いている。

 

 単純な勝率で言えば今の所白猫がトップだ。あいつは力技では下位に近いが、まず俊敏さと相手との距離の取り方が上手い。

 それに俺と同じで急所狙いの攻撃をするが、その際の動きがしなやかで美しい。身体の動かし方の見事さは踊りにも現れていて、夜に気紛れに踊る白猫の姿には誰もが見ほれるほどだ。

 

 その次がなんともムカつくことに足羽。【飛行】の術をかなり巧く使いこなし始めている。ただ、性格故に調子に乗る事が多く、それでドジを踏むと一気に形勢逆転をする。勝てるときは圧倒的だが、負けるときもコテンパンにやられるような負け方。だがそうなっても手加減してもらえてるのも見た目の良さと【魅了の目】、それとチャラ男らしい社交性の高さかね。

 

 南方人(ラハイシュ)の女がそこに続く。入れ墨魔法のシジュメルの加護による素早さは群を抜いているし、トータルバランスも良い。長身で手足も長く、徒手格闘での戦績はピカイチだ。鞭のようにしなやかな拳と蹴りに翻弄されたまま何もさせてもらえない。

 

 その後は似たり寄ったりで、やや抜けているのがブルドッグ男。質実剛健、力に関してはナンバーワン。タフで怪力なので、格闘では相手の攻撃を耐えて耐えて逆転の一発、みたいな展開が多いし、訓練用の武器を装備するときも、盾で相手の攻撃を受けて受けて受けた後に、カウンターを食らわせる。俺からすると正直かなりやりにくいが、その分コイツを攻略するあの手この手を研究するのはちょっと楽しい。

 一度なんかおもしろ半分に見せ掛けの毒霧を作り口に含ませて不意をついて吐きかけてやったりもした。あん時は本気で怒ってたな。

 

 酒好き賭事好きのヒョロぶち、アナグマみてえで目の周りが黒い奴、チビでモサモサのへちゃむくれ、そして俺は、こいつらとは異なり下位グループでごちゃごちゃしてる。

 まあ、俺は俺でスタート段階での基本スペックが低かった分、鍛え直しによる伸びしろは足羽ほどではなくとも結構高い。

 最近じゃあかなり正攻法での勝率も上がってきている。

 

 

 で、満月の夜だ。

 湿気の少ない砂漠の夜は、昼間の暑さからは想像出来ないほどに冷え込む。

 天然の毛皮に身を包んだ猫獣人(バルーティ)の俺でも身震いするくらいだ。

 藁と毛皮の粗末な寝床に寝ているところ、静かにこっそり、天幕に入って来る者が居る。

 

 ヒジュルだ。人間ならまずは無理、猫獣人(バルーティ)でも相当注意深くなきゃ気付けない程の気配の消し方。

 そのヒジュルの後に続く別のやつは時折狩りの指導にもついていた先輩団員が数人。先頭の二人で中の俺たち新入り候補の様子を確認し、それから何やらキツめの香の焚かれたランプを置く。

 この匂いは……いや、ヤバいぞ……?

 俺は息を潜めて呼吸を限りなく少なくする。ネコにマタタビじゃあないが、これは隊商が稀に扱うネムリノキの香木だ。

 樹液、または木そのものにある種の麻薬の原料にもなる成分があり、これから作られた麻薬は、特に俺たち獣人種への効果はバツグン。人間たちと違い後遺症や副作用はないが、キまると泥酔したみたいに気持ち良くなっちまう。その木の枝だけでも入眠効果が高く、金持ちが高い値で買う貴重なものでもある。

 

 何が狙いか分からねえが、少なくとも殺すつもりじゃないだろう。だがだからってこのまま何もせず眠らされるのもヤバいかもな。

 いきなり立ち上がり逃げ出す……のは無理そうで、ならば出来るだけ情報を集めておきたいものだが……ちっ、駄目だ、もう無理だなこれは……。

 

 ▼ △ ▼

 

 まず最初に感じたのは鼻にツンとくる腐敗臭。それから頬に感じるゴツゴツした岩と石の感触。そして耳に聞こえるのは小さな穴から空気が吹き出す音が無数と、最後に……呻き声。

 朦朧とした意識を無理矢理引き戻してはつなぎ止め、眉間に指をやり強くつねりつつ目を開かせる。

 暗闇に浮かぶのはやはり石と岩の地面と乱立する幾つかの石柱に、壁のようにそそり立つ岩。いや、壁のように、じゃねえな。まさしく壁そのものの岩肌。

 そして地面に転がっているのは───数なんか数えてられねーくらいの骨と死体に、その遺品。

 いや、死体じゃないのも少し紛れている。正確にゃあ二体……いや、二人か。例の南方人(ラハイシュ)の女とブルドッグ男。

 

 見上げると天高く浮かぶ満月に、今夜は真っ黒な闇の月。この世界には月が二つある……あー、二つ姿を見せるンだが、そのうち一つは日によって色が変わる。その月は魔力の月とされていて、月の色に応じた魔力が強くなるらしい。

 黒の月は、闇。ま、分かり易い話じゃあるわ。

 

 白い満月に闇の月。その二つの浮かぶ夜空は、今はあまり良く見れない。見えない理由が問題で、この場所は四方を絶壁に囲まれた岩山の大穴らしく、その穴の縁も内側に向けて反り返っている。

 ここは何処か? まず間違いなく例のあそこだ。


「ぬぐぅ……何……だ? ここは……?」

 ブルドッグ男、そして続いて南方人(ラハイシュ)の女が起き上がる。

 

「多分……“悪魔の喉”の大穴の底だろうな」

 俺がそう答えるのと、上から松明とそれに紐で括り付けられた金属の小瓶が放り込まれるのはほぼ同時だった。

 

「───全員、目覚めたな?」

 その声はヒジュル。陰鬱だが妙に響くその声が、この大穴の底にまで響く。

 

「ふふん、なるほど、こいつが最終試験……と言うことか」

 不適に笑うブルドッグ男。立ち上がり月明かりと小さな松明の光のみの暗い空間に目を慣らそうと細める南方人(ラハイシュ)の女。

 確かに───そう、確かにこの状況は、俺たちがウワサし想像していた通りの最終試験のように思える。

 だが……、

「おい! 何で……俺たち三人だけだ? 他の奴ら……他の五人はどうした!?」

 その声に、ブルドッグ男と南方人(ラハイシュ)の女が辺りを見回す。

 ここに居るのは俺たち三人のみ。あとは既に物言わぬ死体に骨と遺品の山のみだ。

 

「その松明に括り付けられた瓶」

 ヒジュルは俺の問いには答えず、そう返してくる。

「その中に、一人分の解毒剤が入っている。それを飲めば朝までは生き延びられるだろう。その底に溜まっている毒の空気を吸っても……な」

 三人に対し、一人分の解毒剤───。

 俺は残りの二人を、残りの二人も別の二人を見る。

 

「いかなる手を使ってでも勝者となり、我が前に姿を現せ。その者こそが───我が後継者となるだろう」

 

 


 挿絵(By みてみん)


【ひょろブチ&ムチャ】

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