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入学式

ご飯を食べ終わり、制服に着替えるとみんなで家を出た。

「…琴葉ちゃんすごく可愛いね。」

「ありがと…」

さらっと口から感想が出てきてしまった。

一緒に並んで歩くと、琴葉ちゃんは本当に小さい。

小学校低学年くらいの身長しかない子が制服を着ているのだ。

もう、人形みたいで可愛くて仕方がない。

「今更気づいたのか?」

「いや、制服着ると更に可愛いなあって…。てかアンタほんとロリコンだね。」

「ちげえよ。人並に可愛いもんは可愛いって思ってるだけだ。」

「なんか、浮気性の男みたい…」

「…実際、中学生の頃学年一の美人って言われている人3人と付き合ってた。」

「えっと…?」

「1学年に1人。」

「……」

絶句。

というかそんなにモテるんだ…。

「しかも。全員学校公認…。」

「は?」

「まあ、隠しててめんどくさいことになるのも嫌だし。」

「…最っ低。」

「全員ちゃんと納得してたぞ。」

「そういう問題じゃない!」

そういう人間は本当に嫌いなのだ。

「何、意外と純情なの?」

「うるさい。」

「彼氏とかいたことないだろ。」

「関係ないでしょ!」

「図星か。」

「……。」

そうこうしてるうちに学校が見えてきた。

「あれ?」

「うん。」

かなり古い見た目をしている。木造の様だ。

耐震性とか大丈夫なんだろうか…。

それにあまり大きくない。まあ、なかなかの田舎だからそう大人数がいるとは思えないけど。

「新入生はこっちだと。」

校門まで来ると案内の看板が出ていた。

直接講堂へ行くようになっているらしい。

中に入ると紅白の垂れ幕がかかっていて、結構な人数が椅子に座っていた。

「新入生の子?」

先生らしき女の人が近くにきて話しかけてきた。

「はい。」

「じゃあ、前のほうの席に順番に座って。」

「わかりました。」

「琴葉から座っていくか。」

なぜか琴葉ちゃん、私、縁の順で座ることになった。

入学式が始まる頃には30人くらいの生徒が座っていた。

思ってたよりは多いな。

校長やら、PTA会長やらの長々とした話が終わり、教室へ行くことになった。

「これだけの人数だと1クラス編成なのね。」

「深星がいた学校は1クラスじゃなかったの…?」

心底不思議そうな顔で琴葉ちゃんが聞いてきた。

「うん。小学校も中学校も3クラスから5クラスくらいはあったよ。」

「キミ、そんな都会から来たの?!」

近くにいた女の子がすごい勢いで聞いてきた。

「え、あ、そんな都会ではないけど…。」

「すごい、外から来た人と会ったの初めて!」

「そ、そうなんだ…。」

「おい、優香理、落ち着け。こいつ戸惑ってるぞ。」

「あ、縁もいたの?」

「いたよ。」

「ごめん、気づかなかった。」

「あの。えっと…?」

知り合いなんだろうか?

普通に考えて狭い村だから小さいころからの同級生とか?

「椎野優香理。15歳。8月14日生まれ。裏の家に住んでる。私たちとは小学校からの同級生。」

本人が言うより先に琴葉ちゃんが説明してくれた。

「ちなみに、好きなものは可愛い女の子ダヨ♡」

そう言いながら優香理と紹介された子は私に抱き着いてきた。

「キミも可愛いねぇ。何て名前なの?」

「あ、綾部深星…。」

「いい名前だねぇ。髪の色と合ってて。黒髪っていいよね。私って地毛が茶色だから憧れるよ。黒髪は好きじゃないっていう男もいるらしいけど、ザ・大和撫子ってかんじでいいよねぇ。嗚呼…。」

髪に顔をうずめてくる。

「あの、歩きにくいんですけど…。」

「ああ、ごめんごめん。ミホシン、これからよろしくね。」

「み…う、うん。よろしく。」

女好きの女の子キャラはただの私の趣味。

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