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拝啓、最低女へ  作者: 重村恵
1/2

第0話 彼女は確かにそう言った

初投稿です

拙い文章ですがどうか最後までお付き合いください

あの日、彼女は間違えたのだと思う。


「あの人は最低です」

俺の後輩は、両手を固く握って小さく呟いた。


彼女のことが気になる、と言っていたクラスメイトは

「あいつって最低なんだな」

と言って、影で笑っていた。


中学校に入ってずっと続けていた部活の引退セレモニーが終わった。帰り道、俺は彼女に言った。

「気にすることないよ。きっと全部しょうがないことなんだよ」

俺の言葉を聞いた彼女は小さく首を振ってから、口を開いた。

「私は、最低だよ」

彼女は確かにそう言った。

そして僕は――中田皐月という人間は、なにも言えなかった。

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