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ケース1:音羽日和による××

「さっき登川さんとすれ違ったよ。もしかして、安野君の好きな人って、登川さん?」


ここまでされちゃ、隠すこともできないか。


「うん、そうなんだ。」


「確か、登川さんとは幼馴染みだったよね?登川さんが好きだってきづいて、それで幼馴染みという関係から先に行かせたかったの?」


「もう音羽さんは全部わかるのかな?」


「うん、だってそりゃあ、登川さん程ではないけど、私だって、安野君のこと見てるもん。」


その言い方が、まるで僕のことを好きであるかのように思えて、ほんの少しだけ笑えるような気がしたんだけど………


「高校に入ってから、安野君と話していく中で、私だって、高校にいる間だけを考えれば、登川さんに負けないくらい、安野君のことを見てきたんだよ。それで、どうしても引き返せない事実に気づいちゃったの。事実というより、気持ちって言うのかな?安野君が決めたから、私だって、私なりの決意をしたの。自分の中に芽生えた気持ちは、自分で行動して自分なりの決着を着けるんだって。」


この感じ、ほんの少しさえ笑えない。だいたい先が見えているというのに、どうすればいいのかわからなくて、それでいて、音羽さんを止めることは出来なくて………










「安野奏多君、私は、あなたが好き。」


本当に、どうしようもない。


「わかる?安野君が楽譜だけじゃあの曲がわからないって言って、私が安野君を家に誘って、ピアノを使いながら歌って、安野君に教えたことの意味が。安野君のいるところで、わたしの愛のうたを、『二人きりで』。」


「っ………!!」


薄々気づいてはいたんだ。あれ、この状況、もしかして、二人きりで歌ってるんじゃないかって。もしかして、音羽さんなりの好意表現だったかもしれないって。


でも、僕は否定した。特に恋愛感情は抱いていないから、意識せずにそういう状況を作っちゃったんじゃないかって。そういう風に考えることによって、その可能性は消したはずだったのに。


「でもね、安野君がこの曲のことについて私のところに来たってことは、たぶん安野君は、私に恋愛感情は抱いていないんじゃないかってことはわかってたし、他に好きな人がいるだろうということも気づいていたんだけどね。でも、私はそれでも、安野君が好きなの。だから、安野君を私の恋人にしたい。安野君に、私の愛情をたっぷりぶつけたい。そして、安野君には、私の愛情にたっぷり浸って欲しい。」


それを聞いている方はどうすればいいのか。 ここまで言われても、僕はやっぱり風香が好きで、音羽さんだって断られて当たり前のような状況で告白してるというのに。


「………それでもやっぱり、登川さんが好きなんでしょ?私といる時だって、歌の練習をしている時だって、安野君がいつも誰か別の人のことを考えてるんだなって感じてたし、それはたぶん、わたしの愛のうたを覚えて、いずれ告白するつもりの相手の事なんだなってことも分かってた。だから、私にある条件を決めさせてよ。」


「条件………?」


なんかだいたい、想像はできてたんだけど………









「明日、安野君が告白できなかったら、私と付き合って。」


やっぱり、そういうことなんだよな。


「だって、私に曲を教わりに来たのは告白するためなんでしょ?その告白ができなかったら、私のところに来たのは、私が安野君に会うためっていう意味しかなくなっちゃうもん。」


「音羽さんのところに行った以上は、なんとしてでも告白をしろと………。」


「当然。失敗しても別に構わないよ。むしろ失敗しちゃった方がいいかも。なんてねっ!」


そんなこと言うなっての。ただ、告白はするってもう決めてんだ。最初から、明日告白するって決めてたんだ。やってやるよ。ただの幼馴染みはもう終わりだよ!!





「………ただし、失敗なんて、してなるものかっ!!」

さぁ、次で完結ですよ!!


まぁ、あまり人気はないみたいですが、今これを見ている人だけでも、最終回を見届けてくれると嬉しいです。

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