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トレッキング

翌日、仁と瞳は宿を出て、車を走らせている。

「このまま、帰るの?なんかもったいない」

瞳がぼそっと、呟く。

「そうだなっ、軽く登山しようか」

「いいね。どこ行く」

「美ヶ原、王の嶺。確か100名山にも入ってるし、昨日のレースの歩行区間だったとこ」

「いいね、行こう」

仁は車のエンジンをかけて、出発する。

「昨日の話の続き聞きたいな、この先の事」

「オッケー、トレイルレースの最高峰目指そう。日本で、最大のレース」

「なんかすごそう、距離もう凄いでしょ」

「距離167km、制限時間、約3日」

「えっ、なにそれ」

「富士山ので周りの山々を走り続けて、167km、ゴールは河口湖。完走したら凄いでしょ。多分2日以上山の中にいるよ」

「凄すぎる。まだまだ、自分には遠い感じ」

「いきなりは出れないよ。ロングトレイル80km以上のレース、3本走り切らないと参加資格がないから、大変なんだけどね」

「相当、トレイルやらないと、出れないね。規模が大きすぎ」

「長期の目標としては、いいだろう。それに出る為に、頑張るってどうかな」

「目標は高い方がいいもんね。直近の目標はどうするの」

「美ヶ原到着。少しトレッキングしよう」

「オッケー」

仁と瞳は、レースです使った小さなトレランザックを背負い、美ヶ原をトレッキングを始める。

「昨日、ここを必死で歩いていたんだよね」

「そうだよな。昨日は制限時間気にしながら歩いたな」

「昨日、走ってて思ったんだけどさ、トレイルって、なんか1人で走ってるって感じじゃなくてさ、なんか、みんなで一緒に走ってる感覚なんだけど、分かるかな」

瞳は、頭を手でかきながら言う。

「ロードとは違うなって感じてた。ロードは、タイムが気になって、必死に自分のペース守るのが精一杯だけどさ、トレイルって、そこまでタイムには拘らないよね。

むしろ、走ってて、お互い抜く時とか、登り登り時とか、周りの人と会話しながら進むもんな。なんか、1人で、タイム、タイムってこだわると浮くかも」

「レースだからさ、タイムも大事なんだけどさ、あれって感じだよね。同じグループで制限時間クリアすると、一緒に喜んだらしたし、お互い頑張ろってなれる」

「ロードのレースだったら、瞳と一緒にゴールしたいって思わなかったかも。トレイルだからさ、苦労を共にしてるって思ったし、今まで練習とか一緒にしたじゃん、そんなのが、レース中盤あたりから、タイムより、瞳と一緒にゴールしたいって思えたんだよね」

「一緒にゴールして、とても嬉しかったよかっよ。」

「王の嶺に到着」

「あれ、登りなかったね」

「ここは登りなしなところ。来やすいし」

2人はしばし景色を眺める。

瞳と仁は、下山し、帰路ノ高速を走っている。

「これからだトレイルだけどさ、またもう一度陣馬トレイル出よう。その後、3月にある伊豆トレイルジャーニー80kmにエントリーして行こう」

仁は、渋滞で車が進まない時に、瞳に提案する。

「陣馬トレイル、いいかも。前回とはちょっと変わった自分が見れるかも」

「伊豆トレイルジャーニーは、けっこう制限時間が厳しいから、トレイル練習して、完走しよう」

「ハードル少し高くなったね。頑張るしかないか」

「今の瞳なら、練習さえすれば、伊豆も完走できるよ」

「だんだん、強くなって行くのって、楽しいよね。今、自分、けっこう充実してるかも」

「前とは違う瞳だね、以前は、何もやりたがらないし、挑戦しないで、諦める事、多かったけど」

「チャレンジして行く事で、出来る事が増えるのが、楽しい。以前は、失敗したら凄く恥ずかしいから、やらなかった」

「失敗も、続けて行って、最後成功したら、失敗にならないだってよ」

「そうなんだね、今は失敗が怖くない、伊豆トレイルジャーニーって、ハードル高いけど、やりたい、出来るまでチャレンジしてみたい」

「いいねっ、その気持ち。頑張ろ。そろそろ、パーキング入るか」

「そうだね、お腹空いた」

仁は、車を談合坂サービスエリアに入れる。

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