第一章の登場人物 用語 国の情勢 ※第一章ネタバレあり
◇第一章のあらすじ
主人公ガランはドワーフ族。ガランはドワーフの聖地の集落で『竜脈が枯れ、霊樹も枯れる』と聞かされます。祖父から、霊樹が枯れて独りになったら同族探しの旅をしろと言い遺されていました。目的は『ドワーフの秘伝・鍛冶の技術を学ぶこと』。
祖父を看取り、独りぼっちとなったガランは隣国を目指し、獣や魔物が住む国境ウルラス山脈を越えます。
最初に辿り着いたのが、他との交流を閉ざしているエルフの里『ソウジュ』。そこに住むもう一人の主人公アッシュは、不完全ながら地球での記憶を持ち、里の外に強い憧れを持っていました。
幸運にも恵まれてガランはエルフ達に認められ、アッシュと出会います。
ガランが外部からもたらした話は、同じく霊樹を聖域とするエルフ達にとっても重要なことでした。
種族を超えて友達になったガランとアッシュを精霊が祝福しましたが、ガランが同族探しの旅を続けるには、知識も経験も足りません。
エルフと友誼を結んだガランは、しばらくの間エルフの里で学ぶことを決めました。
◇登場人物
◯ガラン ドワーフ族
男性。この物語の主人公。
暮していたセミュエン王国の集落で同胞と家族を失い独りとなった少年。
祖父の遺言に従い、同胞を探す旅をする事となる。
本名「ガーランド」※本人知らず
一人称は「オレ」
◯アッシュ エルフ族
女性。この物語のヒロイン。
シベル王国辺境にあるソウジュの里に住む少女。
訪れたガランと友になる。
不完全な記憶を持つ異世界転生者。
転生前は男性。
不完全な記憶があるがために思い悩んでいた。
本名「アシュリーン」
一人称は「ボク」
◯レンフィールド エルフ族
女性。エルフ族の里「ソウジュ」の族長。
◯ジローデン エルフ族
男性。ソウジュ加工地区の地区長 兼 自警団長。
「火の工房」責任者。
◯マリー エルフ族
女性。アッシュの母親。
作中現段階で名称のみ登場。
◯リリアン エルフ族
女性。マリーの従姉妹。
ケビン、ロビンの母親。
革加工職人。
別名「おば姉様」
◯ケビン エルフ族
男性。リリアンの子。
ロビンの双子の兄。
狩人見習い。
◯ロビン エルフ族
女性。リリアンの子。
ケビンの双子の妹。
革加工職人見習い。
◯クラックス エルフ族
男性。ベテラン狩人。
◯マクレン エルフ族
男性。ひよっこ狩人。
◯ロラン ドワーフ族
男性。故人。ガランの祖父。
ただし血縁関係は不明。
本名「ローランド」
◯爺さん達 ドワーフ族
男性。故人。人数不明。
ガランの思い出の中のみ登場。
◇用語
◯竜脈
第一章時点で詳細不明。
霊樹と何か因果関係にある。
◯霊樹
ドワーフ族、エルフ族に取っての象徴的な何か。
季節を問わず常緑と云われ、枯れることがないとされていた。
第一章時点で詳細不明。
◯聖域
ドワーフ族、エルフ族共に霊樹周辺をそう呼ぶ。
第一章時点で詳細不明。
◯精霊
信仰の対象でもあり、この世界に実在する超自然的な力。
限られた者にその力を貸す存在。
◇精霊魔法
◯風 《ウィンド》
風そのものを増幅させる基礎の精霊魔法。
動いている物体を加速させる、物体を押し上げる、物体に纏わせる等、基礎だけに応用範囲は広い。
ただし、対象の質量や表面積に対して相応の乱気流が発生するため、他の風精霊魔法の妨げになる場合が多い。
◯風の波紋 《リプルス》
風を利用した音響探知である。動くモノが発する僅かな風でも、範囲内であれば動きを察知することができる。
ただし、遮蔽物があれば正確性が低くなり、高低差も基本的には誤差が生じてしまう。
◯風の囁き 《ウィスパー》
風を利用した声の増幅である。どんなに小さなつぶやきでも、声に出せば範囲内の者に聞かせることができる。
ただし、聞かせたい相手を限定することは非常に困難であり、日常生活においては普通の会話に劣る。
類似した能力に風の咆哮がある。こちらは主に声で威嚇する時に使うが、非常にうるさい。
◯浸透する水 《ペネトン》
流れる水を察知、操作・増幅する精霊魔法。流れている水であればその流れを察知、流れを操作できる。主に水源の発見に利用するが、熟練者であれば人体に発動させ、血流操作もできる。
ただし、直接触れなければ流れの操作は困難であり、増幅はさらに至難を極める。人体に発動し、血流を整えたとしても破壊された細胞の復元の効果はない。せいぜいがマッサージ効果である。
◯大地の縛り 《スタン》
自身が起こした大地の振動を増幅させる。増幅した振動の範囲内は運動摩擦力が上昇、急激な摩擦抵抗力の増加とスリップ現象を引き起こし足止めされる。
ただし自身が引き起こす振動のため自身も動けず、対象が空中にいれば意味をなさない。
◇情勢
セミュエン王国はアーシア大陸でも比較的大きく、豊かな国と言われていた。
北部に北アーシア大森林と面してはいたものの、北西部から西部全域の国境は大ウルラス山脈で守られ、山脈南端を境とした南部から東部に続く国境を挟む国々は小国であった。
また周辺国とは一部を除き友好国として交易協定を結んでいたため、小規模な領地紛争こそあるものの大規模戦争に繋がることは無かった。が、実際には大国故に王侯貴族同士の派閥抗争や政治闘争等で国外に目を向ける余力がない上、取り込むべき資源を持つ国も王国を脅かす国力を持つ国も周辺国には無かった。
周辺国側としても、北アーシア大森林及び大ウルラス山脈周辺の森林に生息する魔物対策において、セミュエン王国は防波堤でもあり、概ね相互協力体制が取られていた。
そして大ウルラス山脈の南西部から西部にシベル王国がある。
セミュエン王国とは逆に北東部国境は大ウルラス山脈に守られ、北西部から西部にかけては西アーシア海が、南部は中央アーリア砂漠があるため、直接国境を挟む国は東部にただ一国のみであった。
そんなシベル王国の北部、大ウルラス山脈周辺森林からやや離れた場所にエルフが住むソウジュの里はあった。




