第13話 思い出(後編) —精霊の祝福—
夕食後、ガランの部屋のドアが控え目にノックされた。
トントン
ガランがドアを開けると、アッシュが立っていた。
「ガラン、まだ寝ないよね?」
「うん。どしたの?」
「ま! いいじゃん!」
「いいけど」
アッシュは部屋のドアを閉めずに、大きく開いたまま部屋に入る。閉めても良いのだが、万が一にも立ち聞きされたくなかったのだ。開いておけば誰かが近づけばすぐにわかる。自分の部屋から持ってきたオイルランプに、ガランの部屋のランプから火を移し、部屋を明るくした。お互いの顔がわかるようにだ。
ガランはベッドの上で胡座をかき、アッシュは机の前の椅子に腰掛け、話を始める。
「ガランってまだ、住んでたとこの話とか来る途中の話って、ボク達にしちゃいけないんだよね?」
「うん……。ごめん」
「仕方ないよ〜。族長が決めたんだし。それより聞いてよ聞いてよ」
アッシュは最近身の回りで起こったこと、ケビンは血抜きの教え方が下手なこと、皮じゃなく毛しかもらえなかったこと、歯ブラシでロビンと二人、口が毛だらけになったことなど、身振り手振りで楽しそうに話す。
「族長の喋り方もいつもは違うんだよ! 我は〜とか、参れ〜とか、ではな、とか言うんだよ。変だと思わない?」
「オレも今日! 最初、全然わかんない言葉、聞いた!」
「やっぱわかんないよね〜。……ところでさぁ」
アッシュは声のトーンを落とし、開いたドアを見つめたまま切り出す。
「なに?」
「ボクら友達になったよね?」
「うん。友達だ」
「ガラン、わかんないかもだけど――」
そう言ってアッシュは話を続ける。そして自身の秘密を打ち明けたのだった。
「――そうか。だから悲しい目だったのか」
「だからたぶんボク、時々変なこというんだ。それでもボクと――」
「友達だ」
「……そっか」
「全然変じゃない。生まれる前のこと、前世? 違う国の人の生まれ変わりでも、アッシュはアッシュだ」
「そっか」
しばし沈黙する二人。
「アッシュは……オレの友だ……ち」
ぱたり。ガランはベッドに倒れ込み、寝息をたて始めた。
「……急だね。このタイミングで寝るとか……ま、いいや。ボクも寝よ」
アッシュはガランの部屋のランプを消し、自分のランプを持って部屋へと戻った。
翌朝。アッシュと二人、いつもの日課の手伝いを終えると、ガランは細工に使う道具や、ウルラス山の滝壺で拾った綺麗な石を包んだ手ぬぐいを背負子に詰め直した。
「今日はそれ、持ってくんだー?」
「『客』にしてもらったから、族長さんにお礼がてら細工物を作らせてもらえないかなと思って!」
「ガランは細工とかできるんだね! 出来上がったらボクにも見せてよ!」
「もちろん! 楽しみにしててよ」
「じゃあ帰ってきたらボクの歯ブラシも見せるよ。毛だらけになるけどね!」
二人はそんな会話をしながら和気藹々と歩き、火の工房に着く。
「こんにちはジローデン先生!」
「こんにちはジローデンさん!」
「二人ともこんにちは。その荷は昨日話してた細工、ですね?」
ジローデンは二人それぞれに目を合わせて挨拶すると、ガランの荷に気付いて微笑みを深くした。
「はい! 作業してもいいですか?」
「やはりそうでしたか。もちろん構いませんよ。アッシュも気になるでしょう。休憩がてら見に来ても構いませんからね?」
「気になる! けど、出来上がりまで取っておきたいかなぁ」
「ええ。好きにして構いませんとも。ではアッシュ。今日も整理をお願いしますね」
「はい! じゃあガラン、また後で!」
「また後で!」
アッシュは手を振って、裏の乾燥小屋に向かった。
ガランも手を振ってアッシュを見送る。
ジローデンは工房にガランを連れ、空いている作業台を示した。
「ガラン。ここは空いてますから自由に使ってください」
「はい!」
ガランは背負子を作業台に下ろすと、次々と中身を取り出した。
小振りな金床、大小二つのハンマー、二段重ねの細工道具箱、ウルラスの滝壺で拾った石を包んだ手ぬぐい。そして金床と同じくらいの大きさの何かを包んだ手ぬぐい。
ガランはまず、滝壺で拾った石の手ぬぐいを広げて、ジローデンに聞いてみる。
「ジローデンさん。この中で、族長さんに似合う石ってどれだと思いますか?」
ガランに問われたジローデンは、石をいくつか手に取り驚く。おそらく全て、宝石に類する鉱物の原石だったからだ。
「この石。形見ですか?」
「ううん。これはウルラス山で拾ったんだ。形見はこっちと――」
ガランはそう言いながら、金床と同じ大きさの手ぬぐいを解く。
現れた物は銀色の塊。ガランは続けて、背負子の背当てと荷受の革当てを捲って、背当てから黒い板状の物二枚、底の荷受からゴツゴツした赤黒く光る棒状の物四本を取り出す。
「――こっちだよ」
ジローデンは思わず目を瞠る。ジローデンの目が確かならば、銀は聖銀。黒い板は魔鉄。赤黒い棒は魔鋼であった。
「少し、見せていただいてもいいですか。もちろん許可なく触りません。良ければ職人らにも見せたいのですが、構いませんか?」
「はい! どぞ!」
ガランは笑顔で了承する。
「皆さん。絶対に騒がず、触れず、他言せず、と誓う者だけ、集まってください」
ジローデンは、遠巻きに様子を伺っていた職人達に声を掛ける。
真剣な、というより剣呑な気を纏い、皆に視線を配るジローデンに、職人達は驚愕しつつも好奇心には勝てない。
「誓う」
「私も誓う」
「俺も」
皆が胸に手のひらを当て、誓いを口にする。
集まった職人達を前に、ジローデンがそれぞれの鉱物の名を告げた。
「こちらが聖銀ミスリル。別名、精霊銀です」
職人達は目を見開く。息を呑んだが誰も声を上げない。
「そしてこの板が魔鉄アダマンチウム。製法はドワーフ族の秘伝です。そしてこの棒が、魔鉄を鍛えた魔鋼アダマンタイト。これもドワーフ族の秘伝、いえ秘術でしょう」
職人達はそれら伝説の鉱物を食い入るように見つめる。
「でもオレ、まだ秘伝を知らないから魔鉄は打てないんだ……。あ、取り上げないなら持ってもいいよ?」
ガランは眉尻を下げ、しょんぼり顔でつぶやくように語ると触る許可を出した。
「ありがとうございますガラン。皆さん、誓いを違わぬよう、触らせていただきましょう」
ジローデンの殺気にも似た視線を受けながら、職人達は丁寧に触り、持ち上げてみる。
聖銀は銀より軽く、鉄の靭やかさを感じる。魔鉄は鉄より重く、硬い。魔鋼はさらに重く、しかし鉄より靭やかだとその手に伝える。
我々エルフには打てない。そう実感させるには充分であった。まさに『ドワーフの秘宝』である。
「ガラン、ありがとうございました。大事な形見です。仕舞っておきましょう」
ジローデンは微笑みを浮かべ、ガランにそう促すと職人達を見渡す。目を逸らす者は皆無。邪な目をした者もいない。仮に手に入れたとて、魔鉄と魔鋼は加工すら適わず、用途で言えば鉄にも劣る。ならば路傍の石も同然。
この里では聖銀も、結局は美しいだけの物にしか過ぎない。美しい物は魅力的ではあるが、それでは腹は膨れぬ。皆すぐにそれが理解できたようだ。
「ガラン、石でしたね。どのような物を作るつもりなのですか?」
「首飾りを――あ、革紐がなかった!」
ガランは慌てて道具箱の中身を確かめる。探しても、元から入れていない物は見つからない。
ジローデンは苦笑いだ。
「俺が加工所から貰ってこよう。いいですよね、ジローデン地区長」
見守っていた若い職人の一人が声を上げた。
「そうですね。ガラン。どれくらい必要ですか?」
「首飾りに使うくらいの長さで…… 太さはえっと……あ、この釘くらい!」
「それくらいなら裁断で沢山余ってるでしょう。二十本ほど融通してあげてください。すみませんが、使いをよろしくおねがいします」
「わかった。ちょっと行ってきます」
若い職人は右手を上げて、工房の出口へと向かった。
「では石を選びましょうか。族長はそうですね……やはり紺、濃い青でしょうか」
ジローデンはそう言って、いくつかの石を指で指す。
「うんうんうん。 ……じゃあアッシュには、これかな……」
ガランは緑の石をいくつか選ぶ。
「ええ。良いと思いますよ」
「あとは……」
ガランはじっと石を見つめ、頭の中で意匠を考える。視界の片隅に包み戻した聖銀があった。今度は聖銀をじっと見つめ、思考が深くなる。瞬きを忘れたかのように微動だにしない。
「戻り――」
革紐を取りに行っていた若い職人が帰ってきたが、静まり返った周囲の雰囲気に飲まれ言葉を失う。
ジローデンはガランのその姿を見て内心で感嘆する。獲物を狙う狩人にも似た集中力であった。
ガランはしばらく聖銀を見つめ、また石に視線を戻して見つめる。
「よし」
何度か往復した後、意匠を決めた。
徐ろに聖銀の手ぬぐいを解き、金床に乗せる。そしてタガネとハンマーを手に、五分の一ほどを切り割る。素早く手ぬぐいを巻き聖銀を戻すと欠片を横に置き、選んだ石も小振りなタガネを押し当て躊躇無くハンマーで叩き割る。いくつかの石を叩き割り、欠片をいくつかの大きさ毎に分けたところでジローデンに声を掛ける。
「炉窯は借りても、いいんで……あ」
ジローデンは頷くが、ガランはジローデンの後ろに若い職人が戻ってきているのに気付いた。
「ご、ごめんなさい。夢中になっちゃった……」
「大丈夫。気持ちはわかるよ。はいこれ革紐」
ガランは革紐の束を受け取り、若い職人に礼を言う。
「ありがと!」
「しかし困りましたね。皆さん作業は大丈夫なんでしょうか?」
ジローデンの言葉にガランは周りを見渡す。バツが悪そうに職人達がそそくさと仕事に戻った。
「すみません、ガラン。作ったものを後で皆にも見せてあげてください」
「はい!」
そしてガランは次々と作業を行った。
聖銀を炉窯で熱し。
ハンマーで金床に打ち付け。
タガネで切り分け、また叩く。
楕円と長方形を合わせたような指二本分ほどの板が二枚。大小様々な大きさの湾曲した細い楕円の様なものが十数枚。細い針金状に伸ばし、丸めた小さな輪も同じく十数個。
細い楕円には、細工道具の溝キリで筋と溝を彫り、ある形に仕上げる。板は縁取るように一回り小さな筋を彫るのみに留める。
続いて取り出した、研磨剤の粘土に水を垂らし伸ばしたものを革布に乗せ、それらを磨いていく。
磨き終えたら板と、細い楕円だった物の片側に穴キリで穴を開けて輪を通す。輪の末端を細いヤットコで加締め、革紐を通す穴とする。
続いて石の加工に取り掛かった。
小さなノミを取り出すと石の大きさを粗く整える。指で摘み、脆いものは候補から外す。多少濃淡混じってる石もあるが気にしない。同じ模様は二つと存在せず、石の持ち味となるのだ。
選別が終わると磨きの作業だ。聖銀と同じく研磨剤で磨く。石にも穴を開け、穴の縁の面取りまで終わってようやく一息入れる。
「ジローデンさ……ん?」
ガランの周りには、またも職人達が集まっていた。
「え……」
思わずジローデンを探すガラン。すぐに職人達の後ろで遠い目をしたジローデンを発見した。
「ガラン、気にしなくても大丈夫です。やはり今日は皆さん、のんびり見学したかったようです。埋め合わせはしていただきますけどね。ねえ皆さん?」
職人達は頷くことしか許されなかった。
「ところでガラン。何かありましたか?」
「教えて欲しいことがあります! 実は――」
ガランの問いに応え、ある単語を丁寧に教えるジローデン。
「ありがとございます。ジローデンさ……ジローデン先生!」
「どういたしまして」
ジローデンは優しく微笑む。
「ではガラン。仕上げてしまいましょう。工房を閉めるまで、あまり時間は残ってませんよ?」
「え。急がなきゃ!」
そう、ガランは五時間ほど集中して作業していたのだ。作業スピードも驚異的な速さで、その手際の良さに職人達が集まってしまったのだ。
さほど時間をかけず、仕上げは終わった。
「できた!」
「「おお!」」
ガランの完成の声に、見学していた職人達の歓声も重なる。
「お見事です。ガラン」
「えへへ」
恥ずかしそうにしながらも道具を片付け始めるガラン。砕いた石の欠片や粉、聖銀の削り粉などをまとめ、道具箱の空いているマスに入れて蓋を閉じる。完成した首飾りも手ぬぐいに包むと、ジローデンに問い掛けた。
「ジローデン先生。今から族長さんのところに行ってもいいですか?」
ジローデンは答える。
「大丈夫だと思いますよ。アッシュも誘って三人で行きましょうか。アッシュにも見せるんでしょう?」
「はい!」
二人は工房を出ると、乾燥小屋のアッシュに声を掛ける。
「アッシュ! できたよ! 族長さんとこで一緒に見よう!」
アッシュは乾燥小屋から顔を覗かせ返事を返す。
「行く行く! 早く見たい! ジローデン先生、終わっても平気?」
「終わりましょうアッシュ。ご苦労さまでした」
アッシュは手をはたいて埃を払いながら二人に並び、族長の屋敷へ同行する。
「楽しみー。どんなのかなぁ?」
「もうすぐわかるよ!」
楽しげに会話しながら歩くガランとアッシュ。その二人を後ろから見守るジローデンも微笑みを浮かべている。
やがて屋敷に着き、ジローデンが訪問の挨拶を告げると扉からレンフィールドが現れた。
「三人ともよく来たわね。今日は中に入れてあげられないけれど、ここでお話してもいいかしら?」
「はい! 大丈夫です! 族長さんにお礼の贈り物を作ってきました!」
ガランはそう言って下ろした背負子から、首飾りをひとつ取り出してレンフィールドに見せる。
羽根を模した三枚の飾りのついた首飾り。中央に一番大きな羽根、横に大きさが違う羽根が更に二枚、様々な太さ、長さの紺の石、青い石が左右対称に六つ革紐に通されている。
羽根はとても精緻に作られているが、石は無造作に削られただけのようにも見える。しかし丁寧に磨かれた石の、でこぼことした不規則な面の輝きが羽根の精緻さを際立たせ、主役は石ではなく羽根なのだと告げる。
「これを……私にですか。これは聖銀ではないのですか?」
レンフィールドは素材を見抜き、驚きを隠せない。
「はい! 爺ちゃんが遺してくれたものです!」
「羽根だ……銀の羽根、すごく綺麗。族長、着けてみてよ!」
思わず興奮して丁寧な言葉を忘れるアッシュ。
「族長、ガランは単なる礼だけではなく族長と……いえ、我々エルフと友誼を結びたい、と考えたのではないでしょうか」
ジローデンがレンフィールドに、ガランの思いを代弁するかのように伝える。
「ゆう……ぎ?」
知らない言葉にガランが首を傾げる。横で同じくアッシュも首を傾げている。
「わかりやすく言えば、『ありがとう、これからもよろしく』という感じでしょうか」
「うん! それだよ! それに、形見で作ったのには意味があるんだ!」
ジローデンの言葉に頷きながら答え、ガランは続ける。
「爺ちゃん達が形見に宿って、オレと一緒にここに来たっていう証!」
ガランは本気でそう思っていた。ガランは祖父たちとの思い出に励まされ、慰められて山を登り、いくつもの尾根を共に越え、いくつもの夜を共に過ごし、祖父たちの想いを胸にここへ来たのだ。
「なるほど。族長、この贈り物はぜひ受け取ってあげるべきでしょう」
「そうね。それは着けてあげなければね。――ありがとう、ガラン」
レンフィールドは微笑みながら、ガランに感謝を告げて首飾りを受け取り、首からさげる。鎖骨の間の胸元を彩る首飾りはレンフィールドもまんざらではなさそうだ。
「どう、似合うかしら?」
「族長、とっても似合います!」
銀の羽根と控えめに輝く蒼い石が、族長の紺のローブにアクセントを添えたように感じて、アッシュはとても似合っていると素直に告げた。
それを見てガランも頷き、更に二つの首飾りを取り出す。
「そしてこれは――」
一枚の羽根と、手のひら半分にも満たないプレート、赤茶の石を革紐に通した首飾り。プレートには大きな文字でガランの名が、裏面には小さくアッシュの名が刻まれている。プレートは祖父の銘板を模したのだ。
「これはオレが、爺ちゃん達と一緒にここに来た思い出の証と……そしてアッシュと友達になった印」
ガランはそう言いながら自らの首飾りを首にかけ、羽根とプレートの首飾りを右手で触れ、アッシュに見せる。そしてもうひとつの首飾りもアッシュに見せて微笑んだ。
「こっちはアッシュに! 初めての友達への贈り物!」
同じく一枚の羽根とプレート、緑の石を革紐に通した首飾りには大きくアッシュの名が、裏には小さくガランの名が刻まれている。
ガランは左手で掴んだ、揃いの首飾りの革紐をグッとアッシュの前に突き出した。
アッシュは自分の名が刻まれたプレートに思わず触れた。裏面にはガランの名。そして今の自分の瞳と同じ緑の石。今の自分で良いと伝えたいのだと感じた。
「そっか……そっかそっか! ありがとうガラン!」
差し出された首飾りをアッシュも受け取り、首にかける。何度もお互いの名を確かめる二人。そして目を合わせて二人で笑い合う。
――ふわり。
何かが変わった。
世界の薄衣を捲ったような。
透明な霧を払ったかのような。
水鏡をくぐり抜けたような。
そんな錯覚に似たもの。
しかし何も変わらない。
ガランとアッシュは辺りを見渡す。
「今、何か変わったよね?」
空を眺めながらアッシュが問う。
「変わった」
空を眺めながらガランが応える。
「でも何も変わらないよね?」
「変わらない」
「でも変わったよね?」
「変わった」
「お腹空いたのかな?」
「腹減った」
二人は思わず目を合わせ、笑い出す。
そんな二人をレンフィールドとジローデンが見守る。
「……精霊に選ばれたわね」
二人を見つめ、レンフィールドがつぶやく。
「選ばれましたね」
同じくジローデンもつぶやく。
「まさか二人共、それも同時になんて……」
「そうですね」
「見てあの顔」
「そうですね」
「アシュリーン。アッシュ・ルーン、神秘の木。放たれたユグドラシルの矢は、どこまでも飛んでいきそうだわ」
「ええ。そしてガラン、ガーランド。その名に栄冠を持つ者。彼もまたグロリアスとなるのでしょうか」
精霊の祝福の音が風に乗って聞こえる、そんな日であった。
次話で第一章完結です。




