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空耳

作者: 弐兎月 冬夜

 なんかイマイチ。ラジオはトランジスタ・カーラジオ・アンティーク・そして鉱石ラジオで一通りはやってみたのだが、どうかなあ。別に自分で呼んでも怖くはない。やっぱホラーと言うよりコメディなんでしょうね。

「○×!!」

「はぁい!」

 少しばかり寝落ちしかけていたこともあって、不意に呼ばれた自分の名前に思いきり反応してしまった。

 バスの中の乗客は大声を上げて立ち上がった僕を見てあっけにとられた様子だ。

僕はにやけた気まずそうな笑いをしながら席に座った。どうやらバスの乗客の持っていたラジオから不意に出た言葉だったようだ。何を言っているのか全く分からないが、ラジオの様子を聞く限り、ラジオドラマのようである。外国語が日本語のように聞こえる空耳というのはよくあることだ。昔はそれで番組を作ったとも聞いている。


 僕は今、T共和国の辺地に向かうバスに乗っている。言葉もよく分からない国の旅は初めてだったのだが、どうしても行ってみたい場所があった。

 Kという町でおりて、ガイドのF氏と会う。

「初めまして、僕は・・」とカタコトの英語で自己紹介すると、F氏は一瞬あっけにとられたような顔をしたが、なぜか苦笑した。

「ハジメマシテ。ガイドノFデス。」

F氏は温厚そうな人柄らしく、にこやかな笑顔で迎えてくれた。飛行場から時間がかかったこともあって夕暮れ時である。今日は食事を一緒にとって、すぐにホテルに入ることにした。


 T共和国はいまだに未開の地も多い発展途上国の一つである。

ホテルに入って驚いたのは、電気も水道もなかった事だ。飛行場のある首都周辺ではさすがにそんな事は無いのだそうだが、町を遠く離れた田舎では、まだこういった所が多々あるのだそうだ。

 電気もない以上、暗くなれば眠るしかないようだった。

ランプの灯りを消して、僕は空を見ていた。暗さに目が慣れてくると、窓辺にラジオらしきものが置かれているのに気付いて苦笑した。ただ、こちらはトランジスタラジオですらない。どうやらこれは鉱石ラジオのようだ。僕には動かし方すら分からないので、物珍し気に見ただけ。ランプの灯りと星明りだけでは興味があってもよく見ることは出来なかっただろう。

 ましてや、僕は興味すらない。

もしかしたらホテルからのサービスのつもりなのかもしれなかった。

しかし、動かし方も分からない僕ではどうしようもない。よく聞くと雑音のような音がかすかに聞こえるような気がした。

 残念ながら、星にもそれほど興味の無い僕は、あっさりと飽きてしまった。正直、スマホが使えるかどうかも怪しいので僕は寝ることにした。


 ・・・・○×・・・

ベッドに入って数分経つと、ラジオからまた僕を呼ぶ声が聞こえた。

 ・・・・○×・・・

雑音に交じって、何分かに一度僕の名を呼ぶ。それが一晩中続いて、僕はほとんど眠ることが出来なかった。


 翌朝。ガイドのF氏と落ち合って夕べの事を話すと、F氏は妙に神妙な顔になった。

僕は不審に思い、思い切ってその理由を尋ねてみると、F氏は重い口をようやく開いた。

「この国で、あなたの名前は”死ね”という意味になるんです。」


 僕はF氏の説明が・・なぜか流暢な日本語だった事が一番怖かった。

 とりあえす、公式規格は4篇書いてみた。

 これ以上は思いついても、もうやめにしておこうと思う。

ホーク様の旅の方を書かねばならない。ただでさえ遅れているのだから・・・。

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