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わたしとばけもの  作者: 高野 ゾミ
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過去(本田 綾子)

はじめまして。

初投稿です。文章を読むのが好きでよく空想もするのですが、それを初めて文字に起こしてみようと思いました。言葉の意味を誤用していたりするかもしれません。優しく教えてください笑。

本田 綾子


私のなかには、ばけものがいる。

それもずっと。

初めて感じたのは10歳の時だった。

暑さがまだ残る秋口の頃だったと思う。大好きだった友達のゆきちゃんに放課後呼び止められ、急にお父さんの転勤で遠いところに引っ越すことになったと知った。

子供ながらに一人で行ける距離じゃないだろうことは、ゆきちゃんの表情でわかった。

涙目になりながら遠くに引っ越してしまう、もう会えない、悲しいと何度も繰り返し言うゆきちゃんに、私は怒りを募らせていった。

なぜ、もう会えないと言うのか。

ゆきちゃんにとって私は軽い存在だっただろうか。

転勤、引っ越す、知ったことか。

私とお前との5年間はなんだったのだ。

もう、お前なんて知らない。

ゆきちゃんのことは、もう好きじゃなくなった。

都会まで電車で30分の田舎で、建物に邪魔されず目に届けられる眩しい夕陽と、白い虫がいくらか飛んでいることに、酷くイライラした。

その後、泣きながらまくし立てるように暴言を吐く私と、驚きと恐怖で泣くゆきちゃんを先生が見つけ、先生に強制的に離された。

その後すぐにゆきちゃんは引っ越していってしまい、先生が仲介して話し合いをすることも、謝ることもなかった。


中学の頃もだ。

その時は、初めて好きな人が出来た。同じクラスの優希君。優希君はみんなに優しい子だった。でも、私だけには輪をかけて優しかった。甘さが違っていた。告白はしていないしされていないけど、私は優希君が好きだったし優希君は私が好きなはずだった。

でも、サッカー部の優希君は大して可愛くもない背が小さいだけのマネージャーと付き合っていた。私に内緒で3ヶ月間も。優希君を問い詰めた。どういうことだと。すると優希君はなんのことだか分からないといい、逃げるように帰っていった。2年1組の教室のある2階廊下から、私から逃げた優希君があの女と帰っているのが見えた。どうしても2人を許せなくて、優希君とあの女の机と椅子を窓から投げた。名簿表も傷付けた。目につく2人に関するもの全てを、傷付けないと許せなかった。

次の日に問題になり、犯人は名乗り出ろと先生が言い、やけに長い説教をしていた。私は成績優秀ではなかったが提出物も怠らず態度もいい生徒だったから、最後まで疑われることは無かった。


どちらも悪気があった訳ではなかった。裏切られたと、そう強く感じてしまうとだめたった。黒く粘ついた底冷えするような感覚が身体中に広がり、どうにもならなかった。

「壊してしまえ、お前は悪くない。悪いのはあいつだろう」と声が聞こえる。私はどうしてもその声に抗えない。

よくよく考えると、ゆきちゃんも優希君もその彼女も、一切悪くない。でもそれに気付くのは決まって翌日以降だった。


もう同じ過ちを起こさないように、私は今まで関わった人間のいない遠くの私立高校に進学した。電車で1時間の高校で、2年生になると専門性の高い分野に進むコースがいくつかあり、どちらかと言うと職人気質な生徒が集まる高校だったため、人と関わりすぎることもないだろうと、この高校を選んだ。



はい。本田 綾子、問題児です。このキャラクターは結構昔から私の頭にいるんですけど、1番扱いにくくて、攻撃的ですね。本人に悪意がないのが怖いですね。

次は江田 真澄です

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