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俺の初恋はキミだったのか  作者: 椿紅颯


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7/7

俺の初恋はキミだったのか

 晴天。

 何一つ問題ない朝。

 心はぴょんぴょん跳ね、一秒でも早く学校に着きたいと踊っている。

 あれから毎日が楽しい。楽しくて仕方がない。


 あぁ、くぅ~!

 香苗……うん、早く会いたい。話したい。

 いや、落ち着け俺、焦るな、ガッツクな、ここは慎重に丁寧に振舞うんだ。


 登校中、内心で四苦八苦しながら歩いていると、背中にバシッと音と共に強い衝撃が走った。


「ってえな。……あ? どうした早紀」

「ん、もう」


 振り返ろうとしたが、途中でやめた。

 振り返るのをやめたのは、声だけで誰かわかったのもあるが、早紀が頭を俺の背中に押し付け、体重を掛けているからだ。


「どうしたよ、体調悪いんか?」

「ふわぁ~。いや、ただ……眠いだけ」

「そっか。じゃあ、もうそれやめて学校行こうぜ」

「うぃー」


 あくびを連発して気怠そうな早紀と雑談をしながら歩いた。

 いつも通りの登校。

 教室に着いた俺達を香苗が出迎えた。


「おはよー、太志くん、早紀」

「おはよう」

「おっはー、ごめんあたしもう限界。ちょっと寝たい」

「おうよ」


 そう言うと早紀は自分の席にふらつきながら向かい、バタンと倒れるようにして突っ伏した。


「早紀ってば最近あんな感じだよね。夜遅くまで勉強してるじゃあるまいし、何か趣味でも見つけたのかな?」

「どうだろうね。最近の流行チェックとか?」

「あ~! あるある、それあるかもっ」


 こんな些細な会話であっても太志にとっては最高のひとときだった。

 授業なんてどうでもいい、こんな時間が続けば良いと思うほどに。


「そういえば、久しぶりに中学の卒アル見たんだよね! 卒業して一年も経ってないのに、懐かしいなーって楽しんじゃった」

「それは面白そうだ――」


 最後まで言う前に朝のホームルームが開始するチャイムが鳴った。


「また後でね、太志くん」

「うん、また」


 会話を切り上げ、二人は自分の席に戻ることにした。

 チャイムが鳴ったというのに早紀はまだ寝ている。


 あ、そっか、卒アル見たら二人の中学時代のことがわかるのか。それは盲点だった。

 帰ったら絶対に見て、話のネタにしよう。

 それで早紀をイジってやろう。


 俺は隣で寝ている早紀の横顔を見て、片方の頬を吊り上げ、まるで悪キャラのような笑顔を作っていた。

 今夜の早紀とする電話が楽しみにだと思っていた。






 帰宅後、早速本棚に埋もれた卒アルを探し当てた。

 パタッパタッと厚紙のページを一枚ずつ捲り、懐かしい思い出に浸っていた。


 このままの調子で見ていたら、いつまでも二人を見つけることができない。

 クラス写真が載っているページまで飛び、二人を探してみた。

 数ある中、やっと名前を見つけ出した。二人は同じクラスだったようだ。

 胸がドクドクと高鳴り続ける中、指で名前を辿り顔写真を探した。すると、偶然顔写真が並んでいた。

 それを見た俺は、目をかっぴらいて硬直するほどの衝撃を受けた。






「俺の初恋はキミだったのか」


 忘れていた記憶が一気に蘇り、そこには俺の初恋の相手が居た。

今回で最終回となります!

ここまで読んでいただいてありがとうございました!


小説家になろう様での初投稿、色々分からないこともありましたが、なんとか完結まで書けました!

これからは色んな作品を書いていきたいと思いますので、どうかそちらの方もよろしくお願いします!

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