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ミカエル、奴隷を買う(1)

 ギルドに戻った僕はフィオレ達と合流した。


「お、戻って来た。ミカエル、どうだった?」


「高く売れましたか?」


「うん、まあそれなりの値段で売れたよ」


 さすがに周りに人が多いここでは言わない方がいいだろうな。


「フィオレさん達にミカエルさんまで加われば、すぐにランクアップできると思いますよ。頑張って下さい!」


「もちろんよ!すぐにEランクには上がるんだから!」


「私達もミカエルさんに負けないように頑張らないとね」


 とりあえずこれからはフィオレ達と一緒に冒険者としてこの世界を見て回ることにするか。


 僕達は係員さんにお礼を言ってギルドを後にした。


「あー、お腹空いたー!」


「確かにお昼ご飯食べてないしね。ミカエルさん、少し遅い時間ですけど、これからみんなでお昼ご飯食べませんか?」


 僕は食べなくても大丈夫だけど、彼女達は必要だろう。それに僕はこっちの世界に来てからフランさん以外の人が作った料理を食べたことがないし、味も見てみたい。


「そうだね。どこかおすすめのお店があるの?」


 フィオレはうーん、と迷っていたが、


「今日は稼ぎも出たし、『(あかつき)』で食べましょう!」


「『(あかつき)』?」


「この街のレストランですよ。少し高めなんですが、とっても美味しいんです!」


「そうなんだ。じゃあそこに行こうか」


 僕達は早速『(あかつき)』へ向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 『(あかつき)』は街の中央部からやや西寄りの場所にあった。


 結構大きめのレストランで、少し遅い時間だから人も少ないはずだが賑わっている。人気のレストランなのだろう。


「何食べよっか?」


「やっぱりお肉は食べたいよね!」


「そうね!あとそれから………」


 注文の方は前に来たことがありそうなフィオレ達に任せた。どんな料理が出てくるのか楽しみだ。


 結果から言うと、この店は大当たりだった。猪の肉のステーキは、絶妙な筋肉と脂のバランス、旨味を最大限に引き出す焼き具合だったし、グラタンのような料理は良いチーズを使っているようで、コクがありとても美味しかった。


「ほー!ちょっと食べ過ぎたかな………」


「そうだね………もうお腹パンパンだよ………」


 僕はそこまでたくさん食べなかったのだが、二人は凄まじい勢いで食べていた。フィオレは何となく予想がついていたけれど、アイリスも結構食べるんだな。食事後のテーブルはすっかり皿で埋まっていた。


「会計は僕が持つよ」


「え!いやいや私達が払うわよ!」


「まだちゃんと助けてもらったお礼も、盗賊を運んでもらったお礼もしてないんですから!」


 そして僕が払う、いや私達が払うの応酬が続いた後、結局僕が折れておごってもらうことになった。やれやれ、女の子におごってもらうとは。トホホ。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「この後はどうするの?」


「そうね。一旦宿に帰りましょう。疲れちゃったし、お昼寝したいかも」


「ミカエルさん、宿をまだとっていないですよね?同じパーティーになったんですし、一緒の宿に泊まりましょう!」


 僕は寝なくても大丈夫だけど、ここで断るのも変か。


「そうしようかな。なんて言う宿なの?」


「『秋風亭(しゅうふうてい)』という宿ですよ。ここから歩いてすぐです」


 宿は街の南部街にあるそうだ。レストランが西部にあったので、僕達は必然的に中央部を通って宿まで向かうことになる。


 中央部は大通りが交差している場所なので、いろいろな人が商売をしている。


「それにしても賑やかだねぇ」


「そりゃあそうよ。このクメトラント王国は結構大きい国だから」


「前は隣国のアルバイス帝国と敵対関係にありましたが、アルバイスの新しい皇帝が穏健派で停戦条約を結んでからはますます栄えていますね」


「へぇー、そうなんだ」


 歴史とかはフランさんにあんまり教わらなかったから興味深いな。


 そう思っていると、ふとある立札が目に入った。


 それは、


『奴隷安売り!在庫処分間近!』


 というものだった。


 



 

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