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予想通り

 ギルドの倉庫というのは、ギルドの建物のすぐ裏にあって結構な広さがあった。


「それでは倒したモンスターを出して頂けますか?」


「分かりました」


 僕は『ストレージ』から三体のモンスターの死体を取り出した。フィオレ達と会う前に道すがら倒していたモンスターだ。


「サイクロプス一頭、ジャバウォック一頭、キマイラ一頭です」


「………………え?」


 まあこんな反応が返ってくるだろうとは思っていた。だからわざわざ場所を変えてもらったのだ。


「えぇー!全部A級モンスターじゃないですか!それもこんなに綺麗な状態のものは見たことがありません………」


「高値で売れそうですかね?」


「もちろんです!いずれもA級の中でも特に危険な特A級モンスターですから、一頭につき大金貨五枚なので合わせて大金貨十五枚です。お受け取り下さい」


 大金貨なんてものもあるんだな。


「あの、大金貨ってどれ位の価値があるんでしょう?ずっと田舎に住んでいて貨幣に馴染みがないもので」


「貨幣には銅貨、銀貨、金貨、大金貨、そして白金貨があります。銅貨十枚が銀貨一枚、銀貨十枚が金貨一枚、金貨十枚が大金貨一枚、大金貨十枚が白金貨一枚になりますよ。まあ白金貨なんて、大商人か貴族の家にしかありませんが」


 うむ。さっきフィオレが金貨七枚を大金と言っていたから、大金貨十五枚が大金だというのは分かった。


「分かりました。わざわざありがとうございます」


「い、いえ!とんでもありません。それにしてもミカエルさん、三体とも一人で倒したんですか?」


「えぇ、そうです」


「これは大ニュースですよ………。早くギルドマスターに期待の大型新人現る、って伝えないと!」


 そう言って駆け出していきそうな勢いだった係員さんを、僕は慌てて引き留めた。


「あ、ちょっと待って下さい!」


「は、はい。何でしょう?」


「僕のことはあまり他の冒険者の方達に知られないようにしたいんです。あんまり目立つのは好きじゃないので………。だから言うとしてもギルドマスターだけにしておいてくれませんか?」


 それを聞くと係員さんは不思議そうな顔をした。


「それは構いませんが………どうしてですか?冒険者で成功すれば、爵位とかをもらえることだってあるんですよ?」


「僕は出世とかに興味はないので。ひっそり暮らしていければそれで良いんです」


 神様が人間界で出世してもねぇ………。


「変わった方ですねぇ………まあ冒険者の方の意思が一番ですから、他の冒険者の方達には伝わらないようにしましょう。

 ですがギルドマスターには伝えますよ?冒険者さんの情報をきちんと管理するのはギルドの務めですから」


「構いません。お手数おかけしますね」


 僕達はモンスターを倉庫の安置所に置いて、倉庫を後にした。

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