2話 罰ゲームと恋と初デート
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手を繋いでからファストフードのお店に着くまで私達は無言が続いていた。
まぁ、蒼矢くんのことよく知らないし、仕方がないと言うことにしておこう……。
べ、別に手を繋いでて照れてたとかじゃないから!
「入ろうか。」
「そうだね。」
これだけを話してまた無言となって店内へと入った。
内には学生がたくさんいたけど、幸い同じ高校の生徒は居なかった……一安心。
「いらっしゃいませ。ご注文どうぞ。」
「俺はポテトを……結愛さんは?」
「え?私?私もポテト頼もうとしてたけど……。」
「じゃあ、ポテト2つでお願いします。」
「はい、ご会計2点で540円です。」
「1000円から……。」
え?おごってくれるのかな……優しい。
あんなにもモテている結愛ではあるが結愛には彼氏のいた経験がないがため、こんな些細なことにすら感動をしていた。
「あ、ありがとう。」
「いいよ、別に。とりあえず座ろうか。」
「だね。」
まだぎこちない感は隠せずに言葉も少しカタついていた。
ぎこちないけど、一日目だし、仕方ないよね?うん。
座ってからも無言が続いて、ポテトをひたすら食べている二人組になってしまっていた。
な、なんか喋らないと……。
「そ、蒼矢くんって好きなものとかある?」
「!?……す、好きなもの?そうだなぁ……読書とかかな?」
「へ、へぇー。ち、ちなみにどんなの読んでるの?」
「俺はいろんなジャンル読むよ。異世界系とか、ラブコメとかも。」
「ラブコメも読むんだ……。私、〇〇っていう作品好きだなぁ。」
「あぁ、あれか。あれ結構面白いよな。」
「え?蒼矢くんも読んでるの?」
「うん、読んでるよ」
共通の話題を見つけた私達はここから少しずつ話すことができてきて、気づいたら30分ぐらい過ぎていた。
お店から出ると空はすでに暗く、風も少し冷たくなってきていた。
「少し話しすぎちゃったね。」
「だね、でも楽しかったよ。」
「今日はありがとうね。私も楽しかったよ。
じゃあ、また明日ね。」
「あ、ちょっと待って。メアド、交換しない?」
あ、そういえば、メアド交換してなかった。
あんなに話してたのにメアドの話なんて出てなかったもんね。
「いいよ?しよ。」
そうして私たちはメアド交換をした。
「ありがとう、じゃあ、また明日ね。」
「うん、また明日。」
こうして私達の初デートは幕を閉じた。