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悪役令嬢様、その依頼お受けします  作者: いぶさんた
悪役令嬢編
9/40

学園生活


次の日からユリウス様が学園に来なくなった。


先生は公爵令息としての仕事が忙しく少し休むと連絡があった、と言っていた。


お爺様も留守が多くなった。

トマスに聞いても

「旦那様からは何も聞いていません」

としか言わない。絶対聞いてるよね。

て、言うか、トマスがいろいろ調べてるんだよね。


トマスはお爺様に口止めされているのだろう。

本当に優秀な執事だと思う。


お爺様と会えなくなって、お婆様と話をする機会が増えた。

お婆様もあまりお爺様に会ってないそうだ。


お婆様とは学園生活の話をしてる。お婆様の学園時代の話をたくさん聞いた。お婆様は元気の良い生徒だったそうだ。

「スージーは私に似ているわ」

と言われてしまった。自分でもそうかなぁと思うから反論はしない。


お婆様のお気に入りは、ローズとアイリスとリリアの話。


私達はいつも4人でいる。


ローズは辺境伯令嬢なのだけれど差別なく誰とでも仲良くしている。元気でちょっと気が強いかな。


アイリスは一番落ち着いていると思う。長女のせいか気が利いて気配り上手。頼れるお姉ちゃんって感じ。時々ちょっと怖いけどね。


リリアはなんていうか、天然令嬢。極稀に鋭い事を言うんだけれど、いつものほほんとしてて癒される。


私?私は三人を振り回してるかな。仕方ないよね。エリシア様に関係があるから。

三人は私がユリウス様や王子と何かあるとわかっていると思うけど何も聞かない。


心配してくれているのはわかってるんだけれど、

ごめんね、

話せない。それでも友人でいてくれる三人が大好き。この仕事が終わったら普通の生徒に戻るから、そしたら、一緒に学園生活を楽しもうね。





―アイリス・サナタカヤワ子爵令嬢―


私が学園に入学して二ヶ月になる。

サナタカヤワ子爵家は王都の少し西に領地を持ち、西方から王都に来るにはサナタカヤワ領を通らないとならない為、交通の便も良く商業が盛んで、子爵家の割には裕福だと思う。

だからこそ私は学園に入るのに慎重になっていた。


性格は大人しいとはいえないけれど(はっきり言えば気が強いと思う)貴族家の娘として上級貴族からの理不尽は我慢するしかないとわかっている。


何か言われないか、何かされないか、心配していた。


それは杞憂だとわかったのは入学してすぐ。1組の教室に入ると令嬢が10人いた。


今まで、お茶会に参加していたので見知った令嬢が多かったが、多くが子爵か男爵令嬢で、性格がよく穏やかな方ばかりだった。


その中で二人知らない令嬢がいた。


挨拶に行くと一人はモーリッツ辺境伯爵令嬢のローズ様だった。辺境伯は伯爵ながら侯爵と同じ立場にある。そして現伯爵夫人は陛下の妹姫なのでローズ様はジルベール殿下の従兄弟だ。


「失礼致しました。ローズ・モーリッツ伯爵令嬢様」

慌てて私が挨拶すると、


「同級生なのだし、ローズと呼んでください。私もアイリスと呼ばせてもらうわ。

皆さんもローズと呼んでくださいね」

教室をぐるりと見渡して言われた。


ローズ様は血筋が高貴なのにとても気さくな方だった。なんでも、ずっと辺境伯領にいたので、王都に親しい貴族令嬢は殆どおらず、貴族特有の上辺の付き合いを苦手としているそう。例外で王女様は従兄弟なので仲が良いそうだ。


「この組って当たりよね」

と小さな声で呟いていた。


私もそう思う。この組の女子はローズ様が一番家格が高い。気安いローズ様と穏やかな皆となら楽しい学園生活になりそうでホッとした。


もう一人はスージー・スロイサーナ男爵令嬢。スージー様のほうから挨拶に来てくれた。

スージー様は

「スージーと呼んでくださいね。私の家は貧乏なのでお茶会に参加したことがなくて令嬢の知り合いがいないの。仲良くしてくださると嬉しいです」

と元気に言われた。


『貧乏 』な所で何と返事をして良いか悩んだけれど、引っかかりがあったので聞いてしまった。

「令嬢の知り合い?」


「スタンジェイル公爵令息のユリウス様はお爺様の知り合いで友人なの」


スタンジェイル公爵家のユリウス様も教室にいたので、そちらを見るとユリウス様はスージー様に軽く手を挙げた。


スージー様は少し嫌そうな顔をしたみたいに見えたけれど、私は驚きのほうが大きかった。


ユリウス様は美青年で公爵家嫡男のため令嬢の中で噂になるけれど令嬢への対応は冷たく、氷の貴公子と呼ばれている。婚約者のロザリエンヌ様に対しても同様らしい。


だから、スージー様への親しい態度を見て驚いてしまった。


その後

ローズ様、スージー様、以前からの友人のリリアと4人で一緒にいる事が多くなった。ローズ、スージーと呼べるほど仲良くなれた。







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