学園入学
私はカラナリア学園に入学した。
私とユリウス様は3組ある中の1組で同じ組になった。
気の合う友人も出来た。辺境伯爵令嬢のローズと子爵令嬢のアイリスと男爵令嬢のリリア。
私は知らなかったけれど(皆知っていた。貴族も平民も世間では当たり前らしい)ローズは辺境伯に嫁いだ陛下の妹姫の子。王子とは従兄弟だけれど辺境伯領地にいつもいるのであまり交流がないらしい。
側妃様の御子のサファイア第1王女殿下とは仲が良く、手紙のやり取りをしたり王女が休暇の時は辺境伯領へ来たりしているそうだ。
そういえばユリウス様から同じ組の人とは気兼ねなく付き合っても良いと言われたのを思い出した。
調査済なんですね。この組の皆様やその家は問題ないのですね。これが公爵家の力なんだろう。
スタンジェイル公爵家、さすがです。
学園は6日行くと1日休みでそれを4回で1ヶ月になり、3ヶ月後に2ヶ月の夏の休暇がある。
学園が始まる前にシュウさんに休みの日に仕事をしたいと言った。けれど、
「旦那様から私達も公爵家の仕事を手伝うように言われているから当分他の仕事は受けないよ。
スーが何でも屋に来ても皆仕事で走り回っていて誰もいないと思うよ」
と、言われた。
「私も公爵家の仕事に集中します」
思わず拳を握って宣言してた。
学園が始まって何が起こるかちょっと緊張していたけど10日程は何もなかった。
ユリウス様と話をするので他の令嬢に関係を説明するのが面倒だったぐらい。
エリシア様も会えば話をした。サファイア殿下と仲が良くいつも一緒にいる。時々そこにローズが加わっているみたい。
何も無いとはいえ、依頼をキッチリこなす何でも屋として情報収集を出来るだけ行った。
王子の取り巻き令嬢は二人の令嬢が中心になっている。財務大臣マキヤリア侯爵令嬢ロザリエンヌ様と内務大臣ハイダミオ公爵令嬢キャサリン様。
後の令嬢方はこの二人の部下…ではなく友人達らしい。
驚いた事にロザリエンヌ様はユリウス様の婚約者だった。ユリウス様とロザリエンヌ嬢はお互い性格が合わず、結婚しても上手くやっていくのは無理だろうとユリウス様本人が言っていた。
王子は誰か一人を特別扱いしている訳ではなくいろいろな令嬢と親しい。普通に話す分には問題無いと思うけれど、距離がずいぶん近い。婚約者がいるのにあれはいけない。エリシア様が注意するのも最もだと思う。
王子何をやっているんですか
そして、今、私はジルベール王子、令嬢方、王子の側近の騎士団長バラスト伯爵令息マーカス様、ユリウス様と昼食中。
私がいつもの様にローズ、アイリス、リリアと食堂に向かっていたら、ユリウス様が突然今日は一緒に食べようと誘ってきた。
目は(仕事の時間だ)と言ってる。
とうとう来た
ユリウス様は王子の友人として王子達と食事をしている。たぶん、側近候補なのだろう。本当はここにエリシア様もいるはずなんだけれど今は別で食べている。
友人三人に断って
(ローズに一緒に行こうと誘ったけれど断られた。ローズはエリシア様と話をするようになって、王子の態度を聞いて呆れているらしい)
私は王子に挨拶をする。
ユリウス様から話を聞いていた王子はとてもにこやかに笑って
「スージー嬢、ユリウス同様私とも仲良くしてほしい。せっかくだから昼食を一緒にしよう」
と誘われた。
王子フレンドリーすぎです。私はただの男爵令嬢なんです。
昼食は味がわからなかった。
王子はニコニコ話をしていたけど取り巻き令嬢達の目がとても怖かった。
微笑みながら睨まれるって本当に怖い。
王子の右にロザリエンヌ様左にキャサリン様お二人の外側に友人の令嬢。私はなんと王子の正面。王子がこの席を指定したのだ。これはダメだ。この席はエリシア様の席だと思う。
ユリウス様とマーカス様は私の両隣。側近なのにその席は違うと思う。いろいろとおかしい。
ロザリエンヌ様とキャサリン様は王子を挟んで、牽制し合いながら王子に話し掛けていた。王子は私にも話をしてくださったけれど『はい』と、『そうですね』しか言ってなかったと思う。令嬢二人の圧力が凄すぎる。
ユリウス様とマーカス様は動じる事も無く黙々と食事をしていた。メンタルが強いですね。
ユリウス様は婚約者のロザリエンヌ様の王子へのあの態度をみて情が無いとはいえ気にならないのだろうか。
私はこの時王子に違和感を感じていた。はっきり言えないがこの状態を楽しんでいると思えなかった。
ユリウス様にも伝えたが
「いつも通りだった」
と、言われた。にこにこと穏やかな雰囲気なんだけれど楽しんでいるのとは違うと思うんだよね。
もう少し様子見ですね。
その後、王子は会えば話しかけてきたり、3日と開けずに昼食に誘ってきた。
なんだろう。気に入られたというよりも何か裏があるように思える。
男爵令嬢が王子に誘われるのは目立つ。ユリウス様の友人というだけではこの関係はおかしいと誰もが思っているだろう。私だって思うもの。
ユリウス様は
「この調子で」
と勝手な事を言っているし
エリシア様も私を心配してくれながらも
「証拠を集めてね」
と、とても寂しそうなお顔で言われた。
王子は好きだけどこんな状態で結婚はしたくないっていう複雑な気持ちなんだろうな。




