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悪役令嬢様、その依頼お受けします  作者: いぶさんた
隣国カサンダカルダ王国編
33/40

学園3年生



私は3年生になった。カラナリア学園は組替えが無い。


1年半でいろいろ変化があった。


ローズがバル兄様と婚約した。ローズの怒涛の攻めが凄かった。バル兄様は

「逃げられなかった」

と言うけれど、ローズが来ると嬉しそうだから満更でもないと思う。


バル兄様はローズの学園卒業と共に結婚し、モーリッツ伯爵領に行く。将来辺境伯爵になる。


バル兄様の婚約で慌てたのはイーサン殿下だった。バル兄様は次男だから貴族家に婿入りし、このままイーサン殿下の専属近衛を勤める予定だった。しかし、モーリッツは辺境伯で当主が辺境を護る。領地にいるべき人物だ。



今はバル兄様と騎士団長バラスト伯爵嫡男タイロン様が近衛だ。タイロン様は後々騎士団長か近衛騎士団長になりイーサン殿下を支える。

その為、マキアリア侯爵嫡男コントラン様が近衛に選ばれた。イーサン殿下の1つ下になる。もちろん剣は学年一位だ。ロザリエンヌ様のお兄様。

お爺様はジルベール殿下の行動のお詫びも兼ねているのだろうと言っていた。コントラン様はバル兄様の元で学ぶ。


これでイーサン殿下の側近がほぼ決まった。

騎士団長か近衛騎士団長予定のタイロン様、専属近衛予定のコントラン様、宰相予定のユリウス様だ。

ユリウス様はまだ学園があるので通いながら勉強をする。

忙しいだろうけどユリウス様ならやれてしまうだろう。




エリシア様は学園を卒業してすぐ、王妃様付きの女官になった。侍女とは違い女官は相談相手や話相手になったり、公式の場で王妃様に付いて会に参加する。陛下の近衛の立ち位置に近い。


女官は貴族の夫人か、低位の貴族令嬢がなるのが普通だ。学園を卒業したばかりで公爵令嬢のエリシア様がなるのは珍しい。

エリシア様がジルベール殿下と婚約破棄をしたため王妃様に会う事が無くなった。それを王妃様が憂いて女官を勧めたところエリシア様が了承したらしい。


「ジル様が戻った時に少しでも役に立てるようにここで勉強するわ。それに王妃様とジル様の話ができるから」

嬉しそうに エリシア様が言っていた。


ジルベール殿下とは手紙のやり取りをしていて、殿下は時々王妃様にも手紙を出しているそうだ。

絡まった糸が解けるように関係が良くなっている。



サフィー様はあの引っ越し手伝いの後も何でも屋で体験をした。

しかし、1年前シュウさん達が国に帰る為何でも屋を辞めてしまった。バル兄様が近衛、婚約で忙しいのも相まってお忍びの回数も減った。それでも半年に一度くらいはあるんだけどね。


何でも屋が無くなって私も仕事が無くなってしまった。お父様から『5年分の税が払えるから、お金は気にせず少し学園生活を楽しみなさい』と言われたので

この1年は働いていない。

市井には行っているけれどね。




「スージー、次の休みに王宮へ行くわよ」


ローズはこの頃王宮に行く時に私を誘う。サフィー様に会いに行くのに一緒に行って欲しいらしい。


「嫌よ。先週行ったばかりよ。そんなに行きたくないわ」



サフィー様は暇、げふんげふん、余裕があるのかローズや私をよく呼び出す。この頃は友人のアイリス・サナタカヤワ子爵令嬢やリリア・ダイカラ男爵令嬢も一緒に行っている。

二人は初め緊張していたけれど今では慣れたものだ。4人でモーリッツ家の馬車に乗り王宮へ向かう。


サフィー様は近頃王妃様ともお茶会をしている。お茶会にはエリシア様も参加している。仲良くしているようだ。



王宮に着くと、連絡がしてあったんだろう。サフィー様の所へ案内される。今日は温室でお茶会のようだ。


「御機嫌よう。良くきてくれたわね」


「「御機嫌よう。素敵な温室ね」」

アイリスとリリアが温室を見回して挨拶をする。


侍女がお茶とお菓子を出してくれた。


「今日は皆に相談があるのよ」

サフィー様の相談って、また何かやるの?


「スージー、失礼な事考えているでしょう。今日は真面目な相談なのよ」




「皆、後1年で学園を卒業するでしょう。ローズはモーリッツへ帰るわね」サフィー様


「えぇ、そうね」ローズ


「バル兄様と結婚するのよね」私。


「「「「きゃあ」」」」

皆、顔が赤い。


「リリアも婚約者がいるから卒業してすぐ結婚するの?」ローズ


「私はすぐではないわ。1年後くらいかしら」リリア


「アイリスとスージーは領地へ帰るの?」ローズ


「多分そうなると思うわ。まだ何も決めてないけどね」私


「私もそうね」アイリス


「これは強制ではないのよ。相談と言うのは、……私の女官になって貰えないかしら」


「「えっ」」

サフィー様の提案にアイリスと驚いてしまった。


「無理にではないの。王家から話が行くと断れないでしょう。だから、私から話をするとお父様に言ったの」


サフィー様がフウっと息を吐く。


「まだ決定ではないから他言無用でお願いしたいんだけど、私はおそらく来年隣国カサンダカルダに嫁ぐの」








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