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悪役令嬢様、その依頼お受けします  作者: いぶさんた
我儘王女とお転婆令嬢編
31/40

引っ越し依頼



何でも屋に入るとシュウさん、アンナさん、レオンが揃っていた。

「今日はよろしくお願いします。ローズと言います」

「よろしくお願いします。サフィーです」

二人が挨拶をする。


よしよし。これも私が教えた。挨拶は基本。


「シュウさん、今日は面倒な事を頼んですまない」

バル兄様はシュウさん達とは顔見知りだ。いろいろ仕事を頼んでいるみたい。


「サファイア殿下とローズ・モーリッツ伯爵令嬢ですね。旦那様から聞いております。私はシュウ、隣がアンナ、こっちがレオンです」

シュウさん、アンナさん、レオンが頭をさげる。


「仕事の時はローズ、サフィー、バルと呼んでください」

シュウさん達に呼び方を説明する。

ここに来るまでに呼び方も決めていた。仕事中に様つけはおかしいからね。


「わかりました。今日の仕事は引っ越しの手伝いです。全員で向かいます」


向かった先は歩いて30分くらいの家。

道中でアンナさんが仕事内容を教えてくれる。


鍛冶屋で働いていたお爺さんが腰を悪くして働けなくなったため、そこから1時間ほどの娘さんの家に引っ越す。お婆さんはもう亡くなっていて心配した娘さんが決めたそうだ。


お爺さんと必要な物はもう娘さんの家に移っているから家に残っている物を引き取ってくれる雑貨屋に運ぶのが私達の仕事になる。


これは雑貨屋からの依頼。


家に着くと雑貨屋の人が3人いた。店主、おかみさん、息子さんかな。


シュウさんと店主が話をして私達の仕事が決まった。


男の人が大きな物を馬車まで運ぶ。女の人は細かい物を籠に入れていく。


「さあ、皆、頑張ろう」

店主さんの掛け声で引っ越しが始まった。


私達はアンナさんについてキッチンに来た。

「スー、ここは貴方達3人に任せていいかしら」


「はい」


「何かあったら呼んでね。私は奥にいるわ」

アンナさんは奥の居間へ行った。


「私は鍋とかの大物をしまうから、サフィーとローズは割れ物をこの布で包んで入れていって」


二人に布を渡して仕事を始める。


サフィー様とローズも布を広げ壷など割れやすそうな物を包んでいく。


「もう少し強く縛って。これだと持ち上げた時に崩

れるわ」


二人の仕事をみながら指摘する。

「「わかったわ」」


緩かった縛り目を直し次へと進む。

少し心配していたけれど二人共黙々とやっていく。


「これを運ぶのか」

バル兄様がいろいろ納めた籠を運ぶ。さすが騎士、重いのに軽々運んでいる。


ローズ、なんか目をキラキラさせてバル兄様を見ているような。

『えっ、そこ?そこで?』

サフィー様は気がついてなさそう。これは後で聞かないとね。


お昼過ぎに仕事が終わった。シュウさんが依頼達成の署名を貰い何でも屋に戻る。


「今日はお疲れ様。皆様に手伝ってもらって思ったよりも早く終わりました。これは今日の報酬になります」

シュウさんが一人ずつ銀貨1枚を渡す。


「シュウさん、太っ腹だなぁ」

バル兄様が言う。うん、そうだね。少し多いみたい。


「バル様、私も若い娘さんの前だからね。見栄をはってるんですよ。ハハハ」

シュウさんの言葉に皆で笑う。


「これでお昼ご飯を食べましょう。バル兄様いいですか」

王女を街の食堂へ連れていくんだから護衛のバル兄様に許可してもらわないとね。


「私は街で食べたいわ」

「私も」

サフィー様、ローズ。

「そうですね。そうしましょう」



何でも屋を出た。

「どこに行くかな。スージーお勧めはあるか」


バル兄様に聞かれるけれど私は首を横に振る。

いつもシュウさん達と一緒に食べるか早く終わった時には屋敷に帰って食べているからお店は知らない。節約しているの。


「俺の知っている所でいいか。あまり女の子を連れて行く所じゃあないけどな。味は保証する」


「私はそこが良いです」

ローズのバル兄様を見る目が怖いよ。


少し歩いて食堂に着いた。うん、夜に飲み屋になる所だね。

サフィー様もローズも期待しているみたい。


「親父さん、まだいいか」

バル兄様が声を掛けて入って行く。

「おう、バルじゃないか。久しぶりだなぁ。丁度昼時の混雑が終わったところだ。いいぞ」


食堂の中は1組のお客さんがいた。私達は一番奥の席に座った。


「親父さん、少なめ3つと大盛り1つ」


「バル兄様、何を頼んでくれたの」


「ここは親父さんが今日仕入れた物で作るおまかせしかないんだ。何が出てくるか俺も知らない」


「バルファ様はよく来られるのですか」

ローズ、口調が違うよ。


「バルでいいぞ。まあたまに来るかな」


「バル、今日は女の子を連れてどうした?」

店主が食事を運んできた。


「仕事だよ。護衛」


店主はサフィー様を見て納得している。少し汚れているけれど服が高級なのはわかるからね。


店が空いているからか、店主は食事を運んできてそのままバル兄様の隣に座った。


「お嬢ちゃん達温かいうちに食べてくれ」

パン、湯気の立った野菜と肉のスープが出て来た。

スープを一口飲む

「美味しい」

野菜の甘みと肉の旨みが凝縮されていた。サフィー様もローズも口に合ったようだ。


「バル、お前さん最近顔を出さないから心配してたんだぞ」

「すまない。夏頃から忙しくなってな」

イーサン殿下が王太子になったからバル兄様も忙しくなったと言っていた。

「そうそう、お前の友達のサンもまた連れてきてくれよ。あいつの話は面白いからな」


サン?バル兄様のお友達かな。知らないなあ。


「あいつも忙しくなったから当分無理だな。親父さんの事は言っておくよ」


店主は戻って行った。バル兄様も食べ始める。


「バル様、サンはイーサン兄様ですね」


「「えっ」」


サフィー様の言葉にローズと私は大きな声が出てしまった。

バル兄様は頰を指で掻いている。

「俺は何も言わない」

そう言って食べ始めた。

そんな事を言う時点で認めたも同然です。


「良いわ。イーサン兄様に聞くから」

サフィー様の笑顔が黒かった。



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