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4話 彼女達は私の眷属なようです

聞き間違えかと思った。

だけど私の額に手を当ててる先輩からは暖かいあの感覚……魔力の動きを感じたため、その考えは間違いだとわかる。


「なるほど。キミも能力持ちだったのね」


そう言って先輩は手を離す。

どういうことかは分からないが、先輩は今ので私が能力持ちなことを知ったらしい。

……ここは隠すべきか?


能力については今までずっと隠してきていた。

周囲の人に知られたら面倒に巻き込まれかねない。


しかし、その考えは無駄な抵抗だった。

先輩が私の耳もとで、答えを囁いたから。


「拡張能力。接続対象は空っぽの世界。どこからでも開けられて、どんな物でも入り、どこからでも取り出せる。制限機能はなし。……どう?反論はある?」


「や、やだなー何言ってるんですか先輩。そんな、漫画じゃあるまいし……」


私はそっと先輩から離れ後退する。


「そう怯えなくても大丈夫だよ?ここにいるみんなが、そういった事ができるんだから。例えば、私の能力は掌握。任意の対象の情報を瞬時に理解する力だよ。先ほど君に使って能力があることは理解した」


……つまり、もう隠しても無駄?

いや、決めるのはまだ早い。それが嘘の可能性もある。


「あ、疑ってるでしょ!……あ~あ、仕方ないから、さっき手にいれた少女の情報でも口に出して、確認しようかな~」


先輩は棒読みしながら近くのイスに座る。


「恋雲美乃、4/5生まれ。両親同様頭が弱い。スリーサイズは上からはちじゅうr「わーー!!わ!!もういい!!わかった!!わかったからやめてぇ!!」」


ひとつ、わかったことがある。

この先輩イジワルだ!!







「で、わかった?ここにいる皆、私やあなたみたいに、不思議な力を持ってるの」


ハイ、嫌というほど分かりました。先輩のイジワルなところもね!!


「そうならそうと最初に言ってくださいよ~」


「言ったよ!?私最初に言ったよ!」


「それはそうと。皆さんの名前聞いてませんでした!私は恋雲美乃(こゆくみの)です!」


「スルーされた……」


私をきっかけに、皆の名前を教えてもらった。


このイジワルなヘッドホン先輩は椎名みくも先輩。

さっき声をかけてくれた銀髪の子が藤堂絢音先輩。

私が声をかけたポニーテールさんが佐倉桃音先輩。

後ろのほうで珍しそうにこちらを見ていたのが雨崎里花先輩。

いつの間にか机で寝ちゃってるのはくるみ先輩。

そう教えてくれた優しそうな先輩が逆月舞先輩。

あとその妹さんの夢依ちゃん。


この場にいなくて名前だけ聞いただけだが、かつて会った泣森小夜ちゃんもこのクラスなんだそうだ。年上らしいけど、幼なじみ補正で大丈夫だと思いたい。


「それでー、皆さんは?どんな能力を持ってるんですか?あと!何で魔法の名前が同じなの?」


「それはわたくしが教えてあげましょう」


声が響いた。誰のでもない。どこからでもない。


「!?とびらが!」


舞さんが叫んだのが聞こえた。

いつの間にか教室の扉が結界のようなもので覆われている。

近寄って叩いてみても、まるで鉄を叩いたかのようにびくともしなかった。


「世界から一時的にこの教室を隔離してあるのです。逃げられません」


今度ははっきり聞こえた。声のした場所、教壇のほうを見る。そこには、白いドレスを身にまとった黒髪の女性がいた。いつの間にか立っていた。


彼女は全員が見ている事を確認し、淡々と告げる。


「初めまして、私の眷属の皆さん。私はあなた方の能力のもとになった女神です」


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