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始まり-2
夜が明けた朝、僕は不思議な感覚に陥った。いわゆるデジャヴといったものだろうか。
僕はこの風景を前にも見たことがある、この体験をしたことがある。そう思った。
しかしいつどこでこの風景を見たか、全く思い出せない。
モヤモヤしたまま僕は学校へと向かった。
家を出た瞬間、このデジャヴの正体を思い出す。
そうだ、この風景は昨日ゲームで見たんだ…!
全くそのとおりだった。道を通る人はタイミング狂わず同じ、僕が歩く早さも同じ…
何の気の迷いか、走り出したのも同じだった。ゲームでのゴール地点に着いた時、ゲームと同じように動いたことでの達成感、また不思議な感覚を味わった。
と、そこで思い出す。
この後は…そうだ、悲鳴が聞こえてくるんだ…
現実はその通りになった。
そこで僕の意識は途絶えた。