昼休みと恋話
昼休みは、ほのかとの談笑で終わった。
ほのかは私が雪野くんのことを好きだと知っている唯一の友達だ。
好きな人のことを話すのはなんだか恥ずかしくて、他の子にはまだ言えていない。
「雪野くんとは最近どうなの?」
「どうもこうもないよ・・・」
そう。
私はまだ彼となんの展開もない。
展開どころか接点すらない。
「少しずつでも話しかけてみたら?
時間が経つと話しかけるのも大変になるよ?」
そういうほのかには年上の彼氏がいる。
高校に入ってから付き合いだした、近所のお兄さんだ。
中学の時に告白したが、中学生と付き合うというのは抵抗があっというた彼に「高校に入ったらね」と軽くあしらわれたらしい。
そして入学式の直後に会いに行き、再び告白。
三年も前の約束を覚えていた彼女の熱意に負けて、付き合うことになったという。
そんな付き合い方ではあったものの、今ではかなりラブラブだ。
「ほのかはいいよねー
ずっと好きだった人と付き合えたなんて羨ましすぎるよ
私がそういうと、ほのかは少し頬を赤らめてうつむいた。
「わ、私のことはいいでしょっ」
こういうところも可愛い。
彼氏さんはほのかのこういうところも知っているのだろうか。
知ってるだろうな、彼女は裏も表もない。
まさに表裏一体という言葉がふさわしい性格なのだ。
「凛ちゃんだって実は両想いかもよ?」
「・・・そ、それはないでしょ」
そんなこと、考えたこともなかった。
「何言ってるの~?
私だって、絶対振られちゃうーって思ってたよ」
「そ、そうなの・・・?」
「そうそう!
だから、もしかしたらってこともあるよ?」
「そうかなぁ・・・」
ほのかはなんだか楽しそうだ。