私とほのか
「りーんーちゃんっ」
この声は・・・。
「ん、ほのかー」
私の名前を呼んだのは、望月ほのかだった。
高校入学後、私に声を掛けてくれた初めての子だ。
ふわふわしていて、いかにも女の子らしい。
ケガをした時には傷の大きさに合った絆創膏をくれて、カバンの中にはいつも様々な絆創膏のストックが入っている。
女子力の塊みたいな子だ。
「おべんと、一緒に食べても良い?」
「うん、いいよ~」
彼女は淡い水色のお弁当入れを持っていた。
かなり年季の入ったものであるが、中学校の頃から使っているお気に入りのお弁当袋なんだと前に話していた。
私も自分のお昼ごはんを取り出す。
彼女は私の前の席の椅子を借りた。
かなりピュアな彼女は「この席、借りても大丈夫かなぁ」と、心配している。
席の持ち主は、既に他の席に座ってご飯を食べている。
「大丈夫だよー」とほのかに声をかけ、コンビニの袋を開いた。
「凛ちゃん、またコンビニなの?」
「そ、そーなんだよねー」
私のお昼ご飯は大体いつもコンビニのおにぎりとサンドイッチ。
それに、サラダ。
そしてドレッシングはいつも和風ドレッシング。
「毎日コンビニだと、体壊しちゃうよ~?」
「えへへ・・・」
そういう彼女のお弁当は、毎日手作り。
色合いも最高だ。
ニコニコ笑いながら、小さな口でご飯を食べる彼女。
女の私も見とれてしまう。
私も女子力が欲しい・・・。