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トンネル
薄暗いトンネル、ぼんやりとした明かり、先に見えない道
最初はそんな退屈なもんだったな
だんだん、誰かの声が聞こえ始めた
大声で笑っている声、静かに泣く声
足元照らす光も赤、青、黄色、いろんな色、明るさがあった
眩しい光が、耳に響く声がうっとうしくて、振り返った
でも戻れないって、一点の光の無い闇を見て知ったんだ
いろんな光が見える、いろんな声が聞こえる、纏わりついて足が重い
それでも、ただひたすらに前に進んだ
どこを目指しているのか分からないまま、「出口なんてあるのか」って吐き捨てながら
歩いて、走って、躓いて転んで
出会って、話して、泣いて笑って
そうこうしているうちに手に入れた
どの光よりも綺麗な灯が、ひとつの出口を照らした
怪しい光とともに、「ここが出口だ」って囁く声
それを僕の、僕だけの声が、心の叫びが掻き消した
足元照らした光に染まった僕は僕色に
響く声を暗唱してた僕の口から僕の言葉が
出口では誰が待ってる?
今度は一人じゃなくて
あなたと歩きたい、探したい