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どこまでも広がる砂漠
「熱い、熱い」と言いながら足早に歩いていた
手に傷をつけながら必死に
誰だって持ってるっていうダイヤモンドを探してた
目の錯覚かな、たまにキラキラ光るものが見えるんだけど
僕はそう思って足元に眠っているものを探すフリを続けた
でも、それももう苦しかった
あんな鉄のオリの中で、アナタたちは僕に何を求めた?
手に、足に鎖を繋げて、目隠しをして
僕に歩けって、前を見ろって言ったよな
はいはい分かったアナタたちの言うとおり
それで砂漠に放り込まれた僕の足はとても弱々しかった
今、目の前にいるキミも、そんな笑顔でいるけれど
本当は不安だったんだろう?
でもキミは僕を呼んでくれた、僕に‘僕’をくれたんだ
それだけで、僕は自分の足で立って進めたんだ
足元のダイヤモンドもいつかきっと見つかるさ
ありがとう