エピローグ
あの日も今日みたいな雪が降ってたな‥‥。
亮一は無邪気に遊んでいる息子を横目で見ながら、ふと思いだした。
妻は台所で今日の為のご馳走を作っている。時々楽しそうな歌声が聴こえてくる。
亮一の両親は今でも仲良く一緒に暮らしている。
当時の事を話題に出すと二人は恥ずかしそうに笑う。
あれから‥僕はクリスマスの時期が来るたびにお爺さんに会えると思ってあの公園に足を運んでいるが、未だにお爺さんには会えない。
お爺さんは元気にしてるかな?
あの時の僕の様な子供に幸せを運んでいるんだろうな‥。
あの優しい笑顔、暖かくて大きかった手が無性に恋しくなった。
「ねぇ、ねぇ‥パパぁ!サンタさんているの?」
いつの間にか息子は僕の所まで来ていて此方を見上げている。
「あぁ‥居るよ」
僕は笑いながら息子を抱き上げた。
「えー!パパ会った事あるの?」
「そうだなぁ‥パパの小さい頃にな」
「凄いなぁ!僕もサンタさんに会いたいな」
息子は喜んで走り回っている。妻も食事の支度が終わったみたいで息子の相手をしている。
僕は二人をただ眺めていた。
お前もいつか必ず会えるよ‥‥。
そうだよね‥サンタのお爺さん
坊や久し振りじゃのう‥メリークリスマス
そんな声が何処からか聴こえてくる様な気がする‥‥。
終わり
この作品はつい最近、寝起きに思い付いた話しです(笑)時期は過ぎてますが、どうしても書きたいと思いこうして投稿するに至りました。
最後まで読んで頂き有り難う御座いました。