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ペンギンのゆめ

作者: 水瀬涼

むかしむかしあるところに一匹のペンギンがいました。

彼はとてもお腹がすいていたので、道端でふもふもしていました。


すると、偶然通りかかった自転車に乗った何処かのおねーさんが自転車を止めて、

「…どうしたの? 君」

と、不思議そうに声をかけてきました。

ペンギンは喋れないので、身ぶり手ぶりを交えてお腹がすいたことを必死に訴えました。


だけど、おねーさんには伝わらず、

「なるほど、遊びにいきたいのね」

と、ペンギンをむぎゅっと抱き上げて前かごに乗せてしまいました。


「……Σ(。。」

ペンギンはふりっぱーをぱたぱたはばたかせて必死に抗議しました。

「ふふっ、そんなに喜んで」

けれど、おねーさんは微笑むだけで「全く理解してねーよちくしょー」という感じでした。


やがて町並みを抜けると海岸通りに出ました。

懐かしい海の匂いと、涼しげな風が彼の頬を優しく撫でては過ぎ去っていきます。


ペンギンはいつしか抗議するのをやめ、前かごに手をかけて海を見ていました。

どこか寂しそうな瞳…かどうかはペンギンなのでわかりませんが。


海の傍まで来ると、おねーさんは自転車を止めて海の方へ歩きだしました。

ペンギンは前かごから飛び降りてそれをほてほてと追っかけていきました。

「ほら、お腹すいてたんでしょ?」

おねーさんは、かき氷を買って椅子の上においてくれました。


「……∑(・・」

お腹がすいていたペンギンははぐはぐと食べ始めました。

実は何か食べるのは3日ぶりで、とてもお腹がすいていたのでした。


「君行くところないの?」

おねーさんはペンギンに尋ねました。

えいえいと頬をつつきながら。

ペンギンはあうあうとつつかれながら、こくこくと頷きます。


「じゃあ、うちにくる?」

おねーさんは手をさしだします。

ペンギンは少し驚いた後、嬉しそうに頷いて、おねーさんの手にフリッパーを重ねました。

本当はペンギンは帰る場所が欲しかっただけで、おねーさんはそれをわかってたのかもしれません。


こうして、一人と一匹は帰って一緒に暮らすのでした。

一緒に寝るときにたまに枕にされるのが苦しいですが、元気でやっているようです。

めでたしめでたし。


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