両親
レイラは驚いていた。デイビットが、空を飛んだ事に
本来今日死ぬはずだったのに、私の元に帰ってきた。
それだけじゃない。
ゾッドの奴に利用価値を見出されてる。
ゾッドはクソ野郎だが、フェアな男だ。
あいつは、どんな種族でもどんな年齢でも、その個人に利用価値があれば手元に置く。
そう言う意味では、信用できる男だ。
ああ可哀想なデイビッド今夜死ななかったために、
あの子は珍しい翼族を増やし続ける種馬になるのだ。
そう考えたが、あの子がこのまま種馬になる事よりも利用価値を出したならデイビッドは売られずに住むかも知れない。
デイビッドを強くしよう。
精通するまでの13歳程度までに。
どこまでも羽ばたけるように。
ゾッドは喜んでいた。俺が求めていた、最高のポテンシャルを持った息子に。
翼族であり、賢く、勇気もある。
それにまだ3歳の子供だ。俺の言いなりにするなんて簡単な事だ。
しかしデイビッドは、本当に3歳なのか疑いたくなる瞬間がある。
いや、俺の時もあんなもんだったな。
そうだ。魔族に村を滅ぼられ盗賊団に入った俺もあいつの様に
切磋琢磨と成長していた。
まだまだこれからだ。今回の依頼は国からの直属の命令だ。
これでコネも金も十分に集まった。
最後に必要なピースは王都にある。
何としても取ってやる。
俺は行くんだ。どんな手を使っても、あの場所に、