山田 大空男という男
世の中運じゃないとか言うやつが居るが俺はそうは思わない。
そんなことを言うやつは決まって恵まれた環境にいる奴さ。
俺がそう考える理由を教えてやる。
俺の名前は山田 大空男だ。(17歳 低身長不細工)
見てもらってわかる通りのキラキラネームだ。
まあこんな名前を子供に付けるような親はハイパーDQNだって事は察してくれ。
そんなDQNな親は俺から沢山のものをうばった。
虐待は当たり前だし、アルバイトで貯めた金なんかはいつの間にかパチンコで溶かされちまった。
なにより俺から学ぶ機会を奪った。
高校にすら入れさせないイカれた親だ。
こんな状況で何もかも嫌になり逃げてきた訳だ。
もう1週間程だろうか、数少ない貯金を使って満喫やネカフェを点々としている。
貯金ももう底をつき俺は公園で1人悲しみに耽っていた。
(はあ…居場所がない、もう自殺しか無いのか)
そんなことを考えながらからになったビール缶をゴミ箱に投げ捨てた。
(人生は糞だ生まれた瞬間に人生を楽しめる人間はそういう運命の元に生まれてきてるんだ。俺もチケットが欲しかった。 )
そんなことを考え最後に財布に残った500円玉を握りしめ缶ビールを買いにコンビニに向かおうと立ち上がり、横断歩道を通うろうとすると真ん中に女が立ち止まっていた。
不気味に思った俺は横断歩道の手前から、声をかけた。
「お、おーい大丈夫ですか?」
声を変えているのにも関わらずただ俯く女
俺が近ずこうとした時、トラックが居眠り運転でもしているのか女に向かって止まらない。
危険を感じた俺は女に何度も声を掛けたが動く気配が無い。
俺は何を思ったのか女に向かって走りほぼタックルと変わりないように横断歩道から突き出した。
タックルをしたまま倒れた俺が立ち上がろうとした時轟音と共に眩い光が俺の視界を埋めつくした。
(あぁ俺死ぬのか…まあ最後に善行が出来たな…)
(もし神様がいるなら死ぬ前に善行をした俺に来世じゃ幸せな人生送らせてくれよな)
そんな事を考えながら俺は息を引き取った。
ここはどこだ…俺は死んだのか、
いつの間にか俺は真っ暗な空間に居た。
これがその世界なのか、それにしては温かくて何だか落ち着くな。
そんなことを考えていると真っ暗な世界に光が刺し俺は信じられない光景を見ることになった。
今までに見たことないほど美しい女性が俺を抱き抱え涙を流しているのだ。
しかもその女性には大きな白い翼が生えていた。
この状況を表現するならば、死んだ俺を迎えに来た天使という感じた。
しかし何やら違うらしい。
俺の体は上手く動かずやけに小さい気がする。
俺は自分は天に召されたのではなく転生したという事を察した。
(神様は俺にチャンスをくれたんだ。哀れな俺に2度目の人生を)
俺はこのチャンスを絶対に逃さないと覚悟し、
2度目の人生で必ず幸せになる事を心に誓った。
最後にもう1つ気になった事がある。
俺を抱いている女性はなにやら、申し訳無さそうに
俺を哀れんでいるような涙を流すのだ。
まるで産んだ事を不幸な事の様に考えるように…