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18話 その後の私と家族たち(終)

私の祖国であるカリンルカ王国が滅亡してから

約三年の月日が流れた。


その間に第二子が産まれ、もう2歳になった。

男の子でロベールという名前だ。

今回は夫であるウラジーミルの意見が採用された形だ。

ロベールはヴァルイリス王国の王子であり、いずれは国王になるだろう。


ちなみに今のヴァルイリス国王は夫のウラジーミルだ。

小麦の品種改良の功績を認められ、国王の座を譲り受けたのだ。

夫の父である前国王は今でも元気一杯らしい。


それにも関わらず27歳という異例の若さで夫が国王になったのだ。

それだけ小麦の品種改良の功績は大きいという判断だろう。


それによって私は25歳という若さでヴァルイリス王国の王妃になった。

でも王妃になる前に

「王妃になってもナタリーは今のままで居て欲しいんだ」

と夫が言ってくれたのもあって、

生活は大して変わっていなかった。


娘のシャルロットは5歳になった。

とても元気だし賢い子でもある。

最近はお友達と遊ぶのが楽しいらしい。


そんな娘は私に似ているとよく言われる。

「将来はきっと美人になりますよ」

ともよく言われる。

まあ私の娘だから当然かしら?

なんて思ったり。


そして私の母である元カリンルカ王太后ステラは、

亡命先のアンバル王国で礼儀作法の指南役をしているらしい。


私の弟である元カリンルカ国王レオンも、

アンバル王国で元気に育っているとの事だ。

それを聞いた私はとても安心した。




そして今、私達は朝食を食べている。

今日のメニューはパンとサラダだ。


パンはとても美味しかった。

このパンはヴァルイリス王国で栽培された小麦から作られた物だ。


小麦の品種改良はここ数年で更に進み、

とても美味しいパンを作れる様になった。


「結局私は小麦作りではあんまり役に立てなかったわね」

と私は呟いた。


それを聞いた夫のウラジーミルは

「いやいや、ナタリーの助言や提案にはとても助けられたよ。それに僕は愛する君と我が子の為にと頑張れたんだよ」

と言ってくれた。


その言葉を聞いて私は嬉しくなった。

そして笑顔になった。

その笑顔を見て、夫や子供達も笑顔になる。


その光景を見ていると

私は幸せな気持ちになれた。


今食べているサラダも、この国で栽培された野菜で作られた物だ。

「君の提案のおかげで小麦以外も育てる事ができたんだよ」と夫が言った。

その言葉を聞いて、私も役に立てたのだなと実感できた。


娘のシャルロットも

今は大人と同じメニューを食べている。

それに食べる量もとても増えた。

それだけ成長したという事だろう。


息子のロベールには専用のメニューを食べさせている。

この子もよく食べる子である。

このまま元気に育ってくれるといいな。




私はとても幸せだった。

それは素敵な夫や可愛い子供達と笑顔で過ごせているからだ。

その光景は私の幼い頃からの夢であった。


私は幸せな家族になれたのだ。

そう感じられているので

今の私は心の底から笑えている。


おしまい。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

楽しんで頂けたなら幸いです。

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― 新着の感想 ―
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