冒険者のギルド
短いです。
「ここが『冒険者ギルト』だよな……」
説明の通り、青い看板の建物にたどり着いた。
大きな扉と、周りとは比べ物にならないほど大きな建物である。そして建物の中からは、騒がしい声が多数聞こえてくる。
「ゴクリ……」
決心を決め、扉を開き中へと足を踏み入れる。
ゆっくりと顔を上げ、思わず目を見開く。
天井から吊るされている結晶のようなものは建物全体を照らしており、壁には絵画や肖像画といったものが多数飾られている。
聞こえてくる音に隙間は無く、常に沢山の会話が聞こえてくる。
そして、そのどれよりも注目してしまう、建物の外からも聞こえてきてた、騒がしい音の数々の正体。
ここに来てから驚いてばかりだったアルゴ。もう驚くことは無いと思っていたのに、それを簡単に覆す現状。
建物内には、今まで見たことがものだらけだった。
まず、中央にある超巨大なトカゲ。何人かがそれを囲みながら話し合っている。端の方には飲食店のようなものが多数あり、鎧や剣、ローブや杖を身に着けている者達が騒がしく、とても楽しそうにしている様子。
そしてその中で最も目を引き、不思議で仕方がないこと。それは……。
人の頭に――獣の耳が生えている、ということ。
他にも、しっぽが生えていたり、耳が異様に長かったりと、様々な姿をする人たちの姿が目に映り込んでくる。
「す、すごい……」
アルゴはその一言でしか表現できなかった。
まさか戦時中にこんな活気のある人達の姿を見ることが出来るとは思わなった。
キョロキョロと辺りを見回しながら歩いていると、
「冒険者ギルトへようこそ。ギルトへ来るのは初めてですか?」
突如、背後から声をかけられた。
振り向くとそこには、先程目にした人の中にもいた、異様に耳が長い女性がいた。
「え、えっと……その……」
突然話しかけられたことに驚き、動揺してしまうアルゴ。
しかし、耳の長いその女性は慣れている様子でこう続ける。
「もしかして、ギルトへの新規登録ですか? それでしたら、受付にどうぞ」
「は、はい!」
何が何だか分からず、思わずそう返事をしてしまった。
そして「こちらへどうぞ」と、言われるがままについていき、たどり着いたのは受付カウンター。
「では今からギルトへの新規登録に説明をさせていただきます」
そう言って、耳の長い女性は説明を始めた。
明日投稿休みます。(ごめんなさい……)